あきんどのための経営法務部

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“あきんどの街”大阪船場で弁護士・中小企業診断士をしております。 事業者様の人事労務、事業再生、事業承継、経営全般について発信しております。 著書:弁護士の顔が見える中小企業法律相談ガイド(第一法規)、三士業の実務がクロスする相続事案の解決力(清文社)

最近の記事

【人事労務】問題社員対応⑪問題社員に辞めてもらうには?!(その2・退職勧奨の進め方)

おはようございます! 本日は、前回の投稿の続きとして、退職勧奨の進め方についてお話します! 原則として、退職勧奨を行う場合には、事前に必ず専門家と相談のうえ、退職勧奨のシナリオを作成し、そのシナリオに沿って退職勧奨を進めるようにしてください! なお、小職の事務所では、これまで問題社員の退職勧奨の案件を多数取り扱っており、様々なシナリオを作成してきた実績がございます。 退職勧奨の進め方・ポイントしては以下のとおりです☟ シナリオを作成する際は、以下のポイントは必ず押さえて

    • 【人事労務】問題社員対応⑩問題社員に辞めてもらうには?!(その1・退職勧奨とは)

      こんにちは! 先週は阪神タイガース🐯が負け知らずの6連勝でいよいよエンジンがかかってきましたね(阪神ファンの戯言をお許しください)! さて、本日は、「問題社員に辞めてもらうには?!」と題し、退職勧奨の概要についてお話しします! 会社の人事部や総務部の皆さんからは以下のような相談をよく受けます。 まず、解雇する場合は、解雇権濫用法理という厳しい法規制を受け、その有効性は厳格に判断されます。 一方で、社員が自発的に退職する場合は、解雇権濫用法理の法規制は受けません! で

      • 【人事労務】問題社員対応⑨社内ルール違反・犯罪行為を行った社員に対するアプローチ(その3・懲戒解雇等に該当するケースとは?!)

        おはようございます! 社内ルール違反・犯罪行為を行った社員に対するアプローチとして、これまで2回に分けて 1 社内ルール違反・犯罪行為を行った社員に対する懲戒処分を行うための根拠と要件 2 懲戒処分を選択する際の判断要素 についてお話してきました。 本日は、上記テーマの締め括りとして、懲戒解雇や諭旨解雇に該当する類型・ケースについてお話します。 ※なお、諭旨解雇は懲戒処分を若干緩和した処分で、退職届等の提出を勧告し、即時退職を求めるものもある。 これまでの判例や裁判例を

        • 【人事労務】問題社員対応⑧社内ルール違反・犯罪行為を行った社員に対するアプローチ(その2・懲戒処分を選択する際の判断要素)

          おはようございます! さて、本日は、前回に引き続き社内ルール違反・犯罪行為を行った社員に対するアプローチとして、懲戒処分を選択する際の判断要素についてお話しします! この種の案件でよく会社から伺う質問や意見は以下のとおりです☟ もっとも、前回もお話ししたように懲戒処分はあくまでも企業秩序違反行為に対する制裁罰ですので、犯罪をしたからといって直ちに企業秩序違反が発生するわけではありません! 懲戒処分を選択する際の判断要素としては、人事院の公務員の懲戒処分の指針が参考にな

        【人事労務】問題社員対応⑪問題社員に辞めてもらうには?!(その2・退職勧奨の進め方)

          【人事労務】問題社員対応⑦社内ルール違反・犯罪行為を行った社員に対するアプローチ(その1)

          おはようございます! 私事ですが、なかなか阪神タイガース🐯の調子が上がりませんね💦 でも、ペナントレースも始まったばかりですので、これから必ず調子を上げてくれると信じております! さて、本日は、社内ルール違反・犯罪行為を行った社員に対するアプローチについてお話しします! 1 懲戒処分の根拠まず、懲戒処分の根拠は、企業秩序違反行為に対する制裁罰にあります! つまり、会社において、刑罰ルールのような校則、規定があり、それに違反した行為があってはじめて懲戒処分を行うことができる

          【人事労務】問題社員対応⑦社内ルール違反・犯罪行為を行った社員に対するアプローチ(その1)

          【人事労務】問題社員対応⑥業務命令違反社員に対するアプローチ

          おはようございます! 本日は、業務命令違反社員に対するアプローチをお話しします! 1 業務命令違反と長期雇用システムの関係そもそも、業務命令は、会社(使用者)側に認められる人事権に基づいてなされるものです。 会社に広範な人事権が認められるのは、社員(労働者)の雇用保障により長期的な教育育成・活用・調整を行い、社員を定年まで雇い続けるためです。 参考までに、現在の日本の長期雇用システムの図解を載せておきます☟ そのため、会社の人事権に基づきなされた業務命令に違反することは

          【人事労務】問題社員対応⑥業務命令違反社員に対するアプローチ

          【人事労務】問題社員対応⑤勤務態度不良社員に対するアプローチ(その2)

          おはようございます! 本日は、火曜日の続きで勤務態度不良社員に対するアプローチのポイントと注意指導の進め方についてお話しします! 1 勤務態度不良社員に対するアプローチのポイントアプローチのポイントとしては、以下の①~④のサイクルを順にまわしていくことです! このサイクルのまわすことで、社員が「改善の見込みがない」証拠が積み上がっていくことになります。また、社員によっては、最初のサイクルだけで辞める方もおられます。 ①会社から社員へ問題点の指摘(事実の指摘のみ) ▶「解

          【人事労務】問題社員対応⑤勤務態度不良社員に対するアプローチ(その2)

          【人事労務】問題社員対応④勤務態度不良社員に対するアプローチ(その1)

          おはようございます! いよいよ新年度が始まりましたね。 気分新たに投稿を続けていきたいと思います! 今週は、2回に分けて勤務態度不良社員に対するアプローチについてお話しします! 1 勤務態度不良はアプローチがしやすい勤務態度不良社員に対しては、会社の総務部や人事部の方からよく以下のことを言われることがあります。 「勤務態度が悪いだけじゃ解雇は無理だと聞きます。 当社も記録を残すことが大事だと聞きましたので、問題行動を見つけるたびに指導書を渡したり、反省文を書かせていま

          【人事労務】問題社員対応④勤務態度不良社員に対するアプローチ(その1)

          【人事労務】労働判例ジャーナルの紹介並びに142号の振り返り

          おはようございます! 1 労働判例ジャーナルについて本日は、私が弁護士になってから欠かさずにチェックしている「労働判例ジャーナル」についてお話します。 「労働判例ジャーナル」は、毎月、判決が出て日が浅い人事労務関係の判例や裁判例を20個程度見開き2ページでまとめたA5版の冊子になります。 冊子は薄く、収録されている事件数も20件程度で、大変読みやすいです! さらに、この冊子が良いのは、最近の事件のトレンドや判例、裁判例の傾向を知ることができる点です! 本日より、毎月、

          【人事労務】労働判例ジャーナルの紹介並びに142号の振り返り

          【人事労務】問題社員対応③勤務成績不良社員に対するアプローチ

          おはようございます! 本日は、先日バレンタインの日に実施したセミナーで詳しく触れなかった勤務成績不良・不適格の社員に対するアプローチについてお話しします! 1 勤務成績不良が裁判で認められにくい理由まず、結論から言うと、勤務成績不良(端的に仕事ができないこと)を理由とする解雇は、裁判所はなかなか有効とは認めてくれません。 それはなぜでしょうか? 理由は2つあります! 1)仕事ができないことは社内では明確であっても、第三者にはわかりづらく、仕事ができないことを理解するの

          【人事労務】問題社員対応③勤務成績不良社員に対するアプローチ

          【人事労務】問題社員対応②問題社員の類型とそのアプローチ

          こんにちは! 本日は、問題社員の類型とそのアプローチについてお話させて頂きます! 1 問題社員の類型についてそもそも、「問題社員」とは、何なのでしょうか? 単純に、問題を抱える社員、ととらえるのは不適切でしょう。 ひとくくりに問題社員としてとらえるのではなく、社員の「問題行動」として把握し、どの問題行動を捉えてアプローチしていくかが極めて重要です。 あくまでも社員の問題行動を事実としてとらえるようにすることがポイントです。 ここで、問題社員の類型とそのアプローチをま

          【人事労務】問題社員対応②問題社員の類型とそのアプローチ

          【人事労務】問題社員対応①日本の雇用システムと問題社員のリスクとは?!

          こんにちは! まだまだ寒い日が続きますが、段々と春らしい天気になってきました! 私は、一昨日大阪城リレーマラソン40km部門に参加しました! 2km×3周は流石にしんどかったですが、チームで完走できた時には何とも言えない達成感がありました!来年も是非参加させて頂きます! さて、本日は、前回予告したとおり、問題社員対応について書かせて頂きます。 1 現在の日本の長期雇用システムについて問題社員対応を理解するためには、まず、現在の日本における長期雇用システムのあり方につい

          【人事労務】問題社員対応①日本の雇用システムと問題社員のリスクとは?!

          【人事労務】2/14開催大阪商工会議所セミナーの振り返り

          先月2月14日のバレンタイン、大阪商工会議所北支部にて小職が講師として 「行動経済学を活かした労働トラブルの予防・解決と働きやすい会社づくり」 と題するセミナーを開催させて頂きました。 お陰様で「満員御礼」となりまして感無量でございます😿 本セミナーでは、昨今注目を集める「行動経済学」を使って、労働トラブルの予防・解決、ひいては働きやすい会社をどのように実現していくかについて講演をさせて頂きました! 人は「理屈」ではなかなか動かず、「感情」で動きます! 昨今、増加傾向に

          【人事労務】2/14開催大阪商工会議所セミナーの振り返り

          【人事労務】従業員が副業を始めたときの注意点②従業員の健康管理

          皆様、ご無沙汰しております! 約3年ぶりの投稿になります💦 この3年間、様々な活動をさせて頂き、多くの経験と学びを頂きました! 今後は週に2回ペースで人事労務、事業再生、相続・事業承継を中心に 「投稿再開」します!! お付き合いのほどよろしくお願い致します。 今回は、3年前に完結できなかった「副業シリーズ」の第2弾になります。 それでは、早速、従業員が副業を始めた場合の健康管理についてお話したいと思います! まず、会社は、従業員が副業しているかに関わらず、労働安全衛生

          【人事労務】従業員が副業を始めたときの注意点②従業員の健康管理

          人事労務セミナー開催のお知らせ

          休日に失礼します。 本日は、私が講師として登壇するセミナーのお知らせになります。 10月20日午後2時より、大阪商工会議所東支部にて、「テレワーク」と「働き方改革」をテーマに人事労務のセミナーを行います! 弁護士目線はもちろん、中小企業診断士の目線から中小企業の人事労務の在り方や社員との信頼関係を構築するための実践的な方法についてお話しします。 小規模事業者だけでなく、中小企業の経営者の方々や管理職の方が聞いてもお役に立つセミナーですので、是非ご参加のほどよろしくお願

          人事労務セミナー開催のお知らせ

          オンライン経営相談のすすめ

          お久しぶりです。 仕事や体調を崩していたため、1か月半ぶりの投稿になります汗 最近もありがたいことに忙しくさせて頂いておりますが、それを言い訳にするわけにはいきません。 今後は、今まで以上にしっかりお役に立つ情報発信をしてまいります。 本日は、中小企業庁が実施している「オンライン経営相談」の紹介をさせてください。 現在、中小企業庁が、主に「新型コロナウイルス感染症で影響を受けている、または影響を受けそうな事業者」を対象に、「経営相談」を「オンライン」で実施しております。

          オンライン経営相談のすすめ