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小説「真夜中に目が覚めた」

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「真夜中に目が覚めた」で始まる、結婚とは、夫婦とは、家族とは、幸せとはを綴った短編連作。
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【第九夜】探し物

【第九夜】探し物

 真夜中に目が覚めた。

 また夢を見た。行きつけの喫茶店を飛び出し、開かないドアをただ見つめて立ち尽くす自分。叶わない想い。届かない気持ち。あの時から、俺は立ち尽くしたままなのかもしれない。

「なんかあったら、まあなんもなくてもさ、あいつの代わりに手貸すから、いつでも連絡してこいよ」

 佐知子の告別式の時、俺は美幸ちゃんにえらそうにそう言ったけど、本当は人の心配をしている場合では

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【第十夜】原動力

【第十夜】原動力

 真夜中に目が覚めた。

 ふとん争奪戦で敗北した結果、寒さに目を覚ましてしまう。他人だった二人が一緒に暮らし出すといろんな発見があるものだ。美優がこんなに寝相が悪いとは知らなかった。

 結婚する前、よく一緒に旅行にいっていたけど、ホテルの予約は必ず美優がしてくれて、段取りいいやつだなと思っていたけど、思えばいつもツインルームだった。

 もちろん結婚して新居に引っ越す際、布団を敷いて別

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