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本とかなんとかの感想

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本とかの感想。
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2019年1月の記事一覧

号泣する準備はできていた

号泣する準備はできていた



制作をしながら江國香織の”号泣する準備はできていた”の朗読を聞いていて、何度か途中で切らないと、胃のあたりがムカムカとして仕方なくなる。

朗読者の読み方かとも考えたが、そもそも江國香織の本は20年前くらいに1、2冊しか読んだことがなく、(どの本か覚えてさえおらず、)それ以降読まなかったのも、苦手だったからではないかと思い出す。

しかし、他人の朗読を聴くのと活字を読むのは別の感覚器官ではなか

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高尚な童貞力、あるいは、フェティシズムの琥珀 (2017.10.04記)

高尚な童貞力、あるいは、フェティシズムの琥珀 (2017.10.04記)



大学院の修了制作展で、わたしの作品を初めて見た友人が、後日、感想として、コーネルみたいな雰囲気だね、と言ってくれた。
その時まで、コーネルを明確に認識したことはなかったが、作品は見たことがあった。

コーネルのもっとも有名な作品は、コーネルの箱と呼ばれる一連の箱作品。
両手に抱えられる程の大きさの手作りの木箱の中に、収集したスクラップやガラクタを使ったコラージュで感傷的な幻想世界を生涯で800

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