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ふくちにっき(旅)

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#ポーランド

㉑参考資料の感想 (映画編)Auschwitz-Birkenau編14~その3

㉑参考資料の感想 (映画編)Auschwitz-Birkenau編14~その3

”㉑参考資料の感想 (映画編)Auschwitz-Birkenau編14~その1”

㉑参考資料の感想 (映画編)Auschwitz-Birkenau編14~その2の続き

『さよなら、アドルフ』(2012年/オーストラリア・ドイツ・イギリス)★

敗戦直後、それまでの常識も生活も一変し、ナチス高官の両親が出頭し、混乱と無秩序の中、幼い妹弟や乳飲み子を連れて子供たちだけで900km離れた祖母の家を

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㉑参考資料の感想(書籍編)Auschwitz-Birkenau編14 〜その1

㉑参考資料の感想(書籍編)Auschwitz-Birkenau編14 〜その1

『これが人間かーアウシュヴィッツは終わらない』 プリーモ・レーヴィ著

24歳の時、スイス国境近くのイタリアで捕まり、今はなきアウシュヴィッツの労働収容所にあたる巨大な化学工場を有した第三収容所モノヴィッツ(Monowitz)に送られたユダヤ系イタリア人のプリーモ・レーヴィの体験記。

淡々と書かれた醜さ悲惨さでうめつくされた地獄は、『神曲』や詩の引用により押し込められた感情を代弁しているようだっ

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㉑参考資料の感想 (映画編)Auschwitz-Birkenau編14~その2

㉑参考資料の感想 (映画編)Auschwitz-Birkenau編14~その2

”㉑参考資料の感想 (映画編)Auschwitz-Birkenau編14~その1”のつづき。

『フォース ダウン』(2008年/オランダ)★★★

オランダの児童文学”戦争の冬”を映画化。大戦末期、ナチス占領下のオランダに住む少年の一冬の出来事。雪の景色も綺麗で、ストーリーも面白く、とても良い映画だった。日本の宣伝文句と写真がひどすぎて、本当に勿体ない映画。

『地下水道』(1956年/ポーラン

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㉖Do widzenia Polska.”さよならポーランド”(2018/7月)

㉖Do widzenia Polska.”さよならポーランド”(2018/7月)

ポーランドのタクシーは、ふっかけられることがあるとネットでみかけていた。しかし泊った修道院に聞くと、空港までならタクシーが一番近くて早いらしいので、タクシーを呼んでもらうことにした。ちなみに、一人旅で今までタクシーに乗ったことがない。(いつも公共交通を利用していた)

で、実はもう現地通貨がなくて、カードも使えないって言われて、ユーロ払いでOKだと言われた。乗りながら値段を聞いたら、やはり相場(事

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㉑参考資料の感想 (映画編)Auschwitz-Birkenau編14~その1

㉑参考資料の感想 (映画編)Auschwitz-Birkenau編14~その1

”㉑参考資料の感想(ドキュメンタリー編)Auschwitz-Birkenau編14”につづき、映画編

20代後半あたりまで、近現代の戦争描写のある本や映画やテレビ、資料館などを徹底的に避けてきた。
小さい頃に子供会で見させられた、戦争の悲惨さを伝えるアニメ映画がトラウマになり、夜も寝れなくなったのが原因だったので、とりわけ映像が怖くて見れなかった。

なので、かなり有名なものも含め、今回が初見に

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㉕ポーランド最古の修道院に泊まる。(2018/6月)

㉕ポーランド最古の修道院に泊まる。(2018/6月)

ポーランドに行く前は、気分的に、アウシュヴィッツに行った日にティニェツ修道院に泊まりたかったのだけれど、今思えば、ポーランド最終日に泊まれて良かったなと思った。

クラクフ旧市街からバス(またはヴァヴェル城の下から水上バス)で行ける美しい川沿いの高台にあるお城の様な外観の聖ヴェネディクト会の修道院。
前回書いた歴史遺産のヴィエリチカ岩塩坑と同じ頃(11世紀)に出来たそう。
何度も大きな戦争で破壊さ

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㉔ 世界遺産の岩塩坑はイケメンパラダイス(2018/6月)

㉔ 世界遺産の岩塩坑はイケメンパラダイス(2018/6月)

ひどいタイトルだな…苦笑

さて前回、私がGPSの誤作動で途方にくれた時に、現在地を指し示していた場所付近、つまりクラクフとニエポウォミツェのちょうど真ん中あたりにある世界遺産のヴィエリチカ岩塩坑へ行くことにした。

ホテルのフロントに聞いて、駅前からバスが出ているとのこと、時刻表も印刷してくれて、にこやかに送り出してくれた。

これまた前回、英語の通じない運転手さんが、ポーランド語の通じない私に

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㉓私が行方不明。古城ホテル泊(2018/6月)

㉓私が行方不明。古城ホテル泊(2018/6月)



↑クラクフのヴァヴェル城

ポーランドに訪れたことがある人に、何するのがおススメかを、出国数日前に聞いた中に、古城ホテルというキーワードがあった。

ユースホステル渡り歩いているし、何より一人旅だしな…と思いながらもExpediaを見ていたら、
なんとタイムセールで日本円で3000円という破格値で古城ホテルがヒット…評価もなかなか高い。

3000円ならいいかなと、一泊することにしてみた。

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㉒カジミェシュ地区とJewish Culture Festival (2018/6月)

㉒カジミェシュ地区とJewish Culture Festival (2018/6月)

アウシュヴィッツ編を終わらせたら満足してすっかり忘れていたが、ポーランド旅行記のまだ途中だった…
ポーランドの良さを伝えるはずが、暗い日記が続いてしまっていた…

泊まってみたかった修道院が土日にとれなくて、平日まで待つために、帰りのドイツ滞在を減らして、クラクフに長めに滞在することにした。

クラクフは、アウシュヴィッツ編に入る前に書いたように、昼間でも夢の国のように綺麗だったが、まずは、旧市街

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㉑参考資料の感想(ドキュメンタリー編)Auschwitz-Birkenau編14

㉑参考資料の感想(ドキュメンタリー編)Auschwitz-Birkenau編14

見られるドキュメンタリーは、いくつかみたのだが、
自分的に興味深かったものだけいくつかピックアップ。
何年に、どこの国で制作か、というのもまた、みる時に一応参考にした。

『ヒトラーチルドレン/Hitler's Children』(2011年/ドイツ・イスラエル製作)戦犯となり死刑になったナチスの最重要幹部、ゲーリング、ヒムラー、アーモン・ゲート、ルドルフ・ヘス(アウシュヴィッツ所長)、ハンス・

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⑳まとめ Auschwitz-Birkenau編13

⑳まとめ Auschwitz-Birkenau編13

なんだかすっかり長くなってしまった。
たかだか半日(6時間程度)見学した内容だったのだが、実際見た想いや恐怖による強烈な好奇心に駆られて調べていたら、すっかりアウシュヴィッツ編だけで10記事以上になってしまった。(これでもだいぶ削ったのだが…)

書いている途中、調べたりして補填した知識もかなりあるが、基本的には行った時に感じたそのまま感覚を書く様にした。そして、中谷さんがガイドしてくれた場所をな

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⑲顔のない怪物(2018/6月) Auschwitz-Birkenau編12

⑲顔のない怪物(2018/6月) Auschwitz-Birkenau編12

もし、ヨーロッパ人が、ドイツ人が、ナチ労働者党が、いや、アドルフ・ヒトラーが全て悪いのだと思えたら、心穏やかにいれたのだろう。
学生の頃の愚かな私は、ホロコーストに関しては、ヒトラーが諸悪の根源だと思っていた。
大人になって、人間の歴史は、神話のように、一人の人間だけで全てが動くのではないということを知った。

(※Auschwitz Memorial and Museum/instagramより

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⑱人を残忍にするシステム(2018/6月) Auschwitz-Birkenau編11

⑱人を残忍にするシステム(2018/6月) Auschwitz-Birkenau編11

伊藤計劃の『虐殺器官』というSF小説がある。
その小説では、”虐殺の文法”を使った言葉が脳にある特定のモジュールに作用し、虐殺を誘引する、というもの。

案内してもらっている間に、中谷さんは何度か問いかけてきたのが、
なぜ、当時、医学や学術など文化水準が高いドイツで、このようなことが起きたのか…と。
そして、囚人の中にもカポ(監視役)というヒエラルキーを作り、それによりさらに劣悪な環境に陥っていた

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⑰アンネのいた場所(2018/6月) Auschwitz-Birkenau編10

⑰アンネのいた場所(2018/6月) Auschwitz-Birkenau編10

数年前に、オランダ・アムステルダムでアンネの隠れ家を見学しようと思い、午前中にも関わらず、すでにかなり伸びた列に並んだことがあった。
並びながら、でも私は、アンネの日記を読んでいないんだよな…と後ろめたい気持ちになり、
そんな気持ちを察したのか、通り雨が降り始め、私は列から離れて別の場所へと向かってしまった。
アムステルダムを離れる前に、運河から少し入ったところで偶然出くわしたアンネの小さな像を見

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