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お 父 さ ん 、 だ い じ ょ う ぶ ? 日 記 。

最近、読書がたのしい。
そして、図書館がたのしい。

わたしの住んでいる街には、とても綺麗で居心地の良い図書館がある。
来館される方に楽しんでもらおう、という図書館スタッフさんの気持ちがとても伝わるアイデアが図書館のそこここに満載で、週ごとにかわる受付カウンター付近の本のコーナーがいちばんお気に入り。
新刊や、新旧問わずざっくばらんなジャンルの本が集めて置いてある。その棚は週が変わると本も変わる。そこでの本との出会いがたのしみすぎて。

先週は、谷村志穂さんの「スノーホワイト」という小説を見つけた。
いまの季節だから置いてあったのだろうと思うのだけど、ぱらぱらっと見て「読みたい!」となったので借りてきた。寒い時期に、その時期に合う本を読むっていいよねぇ、とまだ読んでないけど、読むたのしみを思うとしあわせになる。わたしはかなりの本好きだ。

ここのとこ、わたしは「初めてのもの」が好きなんだなあと気づいた。
初めての景色。
初めての本。そしてその中にある世界。
初めてのレシピ。どんな味になるのかな?と考えるとわくわくする。
本でも料理でも、旅行みたいなんだよね。
この中にはどんなものが?どんな味なんだろう?
とってもわくわくして、刺激を受けるのだ。

そして、先週借りてきた本のなかで、良い出会いが2冊もありました。
今回はその本たちを紹介したいと思います。
どちらも偶然、棚で見つけた本です。
ぴんときて借りた本がなかなかいい、は、わたしの中でのあるあるでもあります。

まず1冊めは、
「お父さん、だいじょうぶ?日記」加瀬健太郎

右がわの本です。
左がわはDEZAKOさん。
わたしの好きな写真。


この日は斎藤陽道さんの「声めぐり」という本を借りる予定をしていて、はじめて大型本というジャンルの棚をながめていたのですが、陽道さんの本の近くにこの本を発見しました。(どちらも大型ではない)
リトルモア出版。表紙の写真がおちゃめでかわいくて釘づけに。
これは絶対おもしろいぞ!と、わくわく。2もあったので一緒に借りてきた。
写真家の加瀬健太郎さんが家族と過ごすなんでもない日常をつづる、写真日記。
写真が自分の好みすぎるのはもちろん、日記もめっちゃおもしろい。素すぎて。
わたしが「いいな」と思った日の日記をひとつだけ、ここに掲載してみます。

「本当に」
新宿に伊勢丹あり。新宿に来るといつも僕の前に、それは立ちはだかる。そして不安になる。嫁さんと結婚する時、「婚約指輪どうしよか?」ということになった。当時の僕は、貯金どころか借金しかなかった。それでも結婚したかった僕は、「好きなんこうたらええやん」と言った。すると嫁さんは、「あんた貯金もないのに・・・。ありがとう。その気持ちが最高の婚約指輪だよ。あなたが一人前になったその時に、婚約指輪買ってね」と言ってくれるのではないかと思っていたが、「じゃー、今度の週末、伊勢丹ついてきて!」と言われた。僕は、人生で初めて伊勢丹に行った。嫁さんは、本当に好きな指輪を選んだ。僕は、本当にこの人でいいのかなと考えた。店員が「支払いは”伊勢丹アイカード”がお得ですよ」と勧めてきたのでアイカードを作るようお願いした。ちょっとしてレジから戻ってきた店員は、僕に「アイカード」の審査に落ちたことを大袈裟なぐらいすまなそうな表情を作って伝えてきた。恥ずかしくて、脇汗がガッと出た。やっぱり伊勢丹なんかに来るんじゃなかったと思った。僕は、「アイカード」も作れないのに本当に結婚できるのか不安になったけど、嫁さんは本当に結婚してくれた。

これを読んで、ちょっと、わたしのなかのなにかがぶっとんだ。
借金、ええんや。そしてあっても結婚してくれるとかっていうことがあるんや。。
加瀬さんはこの日記のなかで、お金があまりないこと、仕事がない時期があることをなんでもないような感じでそのまま綴っているのだけど、この日の日記みたいにコミカルな感じで書いたりもしてるんだよね。
借金もそのひとつでも、別になんでもないことみたいに思えちゃう。
お金ちょっとやばそだな・・ と、人生最大のピンチを迎えているわたしの心に、加瀬さんのこの日の日記はやさしかった。
もし最悪、借金したとしても、なんか、大丈夫かもしれん。なんて、思えてしまった。わたしの身近に借金してる人がいないから、借金絶対ダメ!借金したら人生終わり!って思ってたけど・・
(でもそういや、むかしバイトしてた個人経営のレストランのオーナーが200万くらい借金してたような。でもそれ聞いた翌年にバイトの子とできちゃった結婚して子供できて幸せそうにしてた)
お金の無さも、借金も、考え方次第なんね・・
それもあり、それもいい。って思っていると、えーんちゃう?って言ってくれたり、あっても結婚してくれる相手を見つけたりとかするのかな。
加瀬さんのこの本は、仕事がないときでも、子供さんの写真を撮って日記を書くのがたのしくて書いてたら出版の話がきて本になったと言ってた。
たのしいことを追い求めた先に何かがある、という希望の光にもなったな。

2冊目は、
「わたしの家事ルール」DEZAKO
この本は、入口&受付ふきんのコーナーとはまた別のコーナーで発見しました。そこもさまざまなジャンルの本がざっくばらんにまとめて置いてあって。そこには今回借りれなかった、借りたかった本たちもたくさんあったので写メったりしてました。また借りよと思て。(どんなけ~)

著者のDEZAKOさんは食後のデザートの時間「"おデザ"の時間」を人生のなかでなにより大切にしていて。結婚して以来一度もかかしたことがないのだとか。デザートとともに憩う時間がもたらしてくれる大きな効果を日々実感していて、生きていくのにどうしても必要でない「あってもなくてもいいもの」を続けるには、心の在りようを健やかに保つことが大前提と考え、そんな時間を確保するための家事の効率化や空間を整えることについてもこの本に記しています。

DEZAKOさんは築30年越えの社宅暮らし。
広い部屋ではないけれど、広く見える空間にするためには・・と工夫をこらしたり、ケーキ屋さんみたいに豪華できらびやかではなくても、なんだかほっとできるような簡単に作れるデザートを工夫して作ったりされています。
なんだか、お金をたくさん持っている方がおデザ時間をたのしむより、社宅で、あるものを使いながら、お盆に飲み物と小皿の上にデザートを家族の皆に出しているDEZAKOさんの方が上品に思えたりしました。DEZAKOさんの暮らしぶりほんと素敵すぎる。
ある日はあんこのお饅頭に紅茶だったり、ある日は焼き芋に珈琲。他にも、揚げドーナツやコーヒーゼリーパフェ、塩レモンチーズケーキ、おはぎ、などなど、レシピもいろいろ載っていました。写真を見ても、美味しそう。。(いま食養生してるから食べれないけど)目で食べました。満足。

たとえお金があんまりなくて理想のおうちに住めなかったとしても、自分の工夫次第で理想の暮らしは叶えられるんだな、って思いました。
良い本読んだー。

2冊とも読後感がとってもよかったです。
そしてこんなに気持ち良く読書できるのは、ここのとこしている基本食ご飯のおかげかな?って思ったり。。(昨日鏡見たらアゴの辺りがスッキリとして、お肌もすべすべしてた。1週間ちょっとでこの効果はやばい) 

心地よく読書できるのが幸せすぎるこの頃でした。
すべてのものに感謝、です。

(そしてこの日記書いてたら、そのあいだにメルカリで3品も売れた。なにごと?笑)

次回借りたい本
を、ひざ上で写メるわたし。(必死)

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