土屋信

詩作、読書、映画鑑賞 https://garnet1789.blog.fc2.com/

土屋信

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記事一覧

お茶の時間

濃い紫の波がゆれ ニュートリノと ダークマターが 手のひらと ティーカップを すり抜けてゆく 無数の時計の 一つの鼓動が 時を刻み 知られざる瞳が 閉じられ 湯浴みする …

土屋信
1日前
3

最近、我那覇真子さんの読書ライブに参加してたが結構効果的で読書が進んでる。図書館とか昔のホームルームの読書時間みたいな感じ。最近読んでない本を読み進める為に意識的に映画やドラマは見てない。
今日もやるみたい。自分が今読んでるのは森茉莉の『父の帽子』。

土屋信
2日前
1

古風な手紙

一筋の光に照らされ 毒に満たされた グラスが傾く 何も変わらない 風の悪戯が古風な手紙の 文字を綴っている 未来から過去へと 白い鳥はそれを運び 夢のお告げを少年は 日…

土屋信
4日前
1

幻の船

うとうとしながら本を 読んでて書かれていることと 別なストーリーに紛れ込む それが自分の記憶だったり 昔見た夢の中だったり たとえ幻の船でも漕いでいれば 何処かにでる…

土屋信
5日前
2

ゆらぎ

死と生の隣り合わせ 光と闇の中に種子が落ちる 発芽した芽が 陰に満ちた世界の 内側と外側の扉を開く 夢の幕引きを告げる 朝の光が部屋に満ちて 前衛詩のストロークを 蹌踉…

土屋信
5日前
1

檸檬の回転

彗星が身を焦がして 闇を走る 夜の洞あなを照らす 松明 供物が捧げられ とばりが開く 吐き出される言葉は沈黙 それが描く抽象画 百万の瞳が見つめる 見えない光芒 真実の…

土屋信
7日前
4

見知らぬ階段

夜の鉄路を とぼとぼ歩く 昔は身近にあると 思えた永遠 鉄路の彼方は 遙か向こうに続いて 記憶の中に失われた 宝石が煌めく 言葉だけが伝える 感触を探して本の山に 埋も…

土屋信
8日前
1

星の名

暗い硝子の洋燈に 灯が燈る 夜の波間が星の光に揺れる 迷路のような街並みに 消えてゆく車の明かり 父に最後に会った病室 その表情はもう会えない事を 知っていた 夢の中の…

土屋信
9日前
2

白い本

二十歳前後の頃 薄暗い部屋で カセットで買った アダモを聴いていた フルニエのグランモーヌを 読みながら日中寝て 夜起きながら 単位を落とす夢に うなされた 卒業して何…

土屋信
9日前
2

一つの扉

薄いヴェールを透して 目覚める光 透けている葉脈 喧騒が近づき 取り巻く世界 スプーンでかき混ぜる ミルクティー 一つの扉を開ければ もう一つの扉が閉じる ダーヴィッシ…

土屋信
10日前
2

夢の雫

小さな青い星の 夢の雫が落ちる 真空の闇が包む 斑らな喜怒哀楽 冷たく熱い石の夢が 揺籠を覆っている 遠目で見ればそれが全て 足跡は残るのか? ミトコンドリアイヴのよう…

土屋信
11日前
3

LEICA ⅢF

Summitar 50mm

かすみ草 2004年頃

土屋信
13日前
1

自壊

宇宙から来た 石の陰影に満たされて 瞬間が崩壊してゆく  自壊の岸辺に打ち上げられる 飽和した記述 自動筆記の タイプライターが闇に鳴る オフィスと浴槽は瓦解する 岩…

土屋信
13日前
2

風に舞う

地球の裏側の 羽ばたき 海底のうごめき 真逆の彼方の暗示 波間の表面に 浮かぶ表情が 古代の顔を 投影して歪む 全ての形が 分からなければ 知り得ないもの 直線と思ってい…

土屋信
2週間前
2

蝋燭は燃え尽き

蝋燭は燃え尽き 底無しの夜空の星が 落ちてくる 去った歌びとが 残していった古い恋愛詩集 消え去るものを 惜しむ理由はない 滅びる文明も民族も あなた方のティータイム…

土屋信
2週間前
4

マルクス・アウレリウス・アントニヌスのダブルデナリウス銀貨。
古代ローマの銀貨はだいぶ手放したがこれだけ持ってる。ヤフーニュースで邪馬台国の新説が載ってて興味深く読んだ。同じ時代頃。古いコインは歴史を感じられて好き。

土屋信
2週間前
1
お茶の時間

お茶の時間

濃い紫の波がゆれ
ニュートリノと
ダークマターが
手のひらと
ティーカップを
すり抜けてゆく
無数の時計の
一つの鼓動が
時を刻み
知られざる瞳が
閉じられ 湯浴みする
紅茶の香りが
ただよい
夢見られた世界で

最近、我那覇真子さんの読書ライブに参加してたが結構効果的で読書が進んでる。図書館とか昔のホームルームの読書時間みたいな感じ。最近読んでない本を読み進める為に意識的に映画やドラマは見てない。
今日もやるみたい。自分が今読んでるのは森茉莉の『父の帽子』。

古風な手紙

古風な手紙

一筋の光に照らされ
毒に満たされた
グラスが傾く
何も変わらない
風の悪戯が古風な手紙の
文字を綴っている
未来から過去へと
白い鳥はそれを運び
夢のお告げを少年は
日記にしるす
エントロピーの増大に抗い
毒の包囲網を掻い潜る頌歌を

幻の船

幻の船

うとうとしながら本を
読んでて書かれていることと
別なストーリーに紛れ込む
それが自分の記憶だったり
昔見た夢の中だったり
たとえ幻の船でも漕いでいれば
何処かにでる 幻の地球の
反対側でも そこには
幻の人が居て幻の自分に
巡り会う 書かれなかった
詩を夢の中で送った相手の

ゆらぎ

ゆらぎ

死と生の隣り合わせ
光と闇の中に種子が落ちる
発芽した芽が
陰に満ちた世界の
内側と外側の扉を開く
夢の幕引きを告げる
朝の光が部屋に満ちて
前衛詩のストロークを
蹌踉めいてゆくまなざし
始まりと終わりの言葉を
探して終わりも始まりもない
ポーズを捨てる

檸檬の回転

檸檬の回転

彗星が身を焦がして
闇を走る
夜の洞あなを照らす
松明 供物が捧げられ
とばりが開く
吐き出される言葉は沈黙
それが描く抽象画
百万の瞳が見つめる
見えない光芒
真実の様々な影を
身に纏う者たち

見知らぬ階段

見知らぬ階段

夜の鉄路を
とぼとぼ歩く
昔は身近にあると
思えた永遠

鉄路の彼方は
遙か向こうに続いて
記憶の中に失われた
宝石が煌めく

言葉だけが伝える
感触を探して本の山に
埋もれても其処にはない

我楽多を後にして
見知らぬ階段を降り
懐かしい旋律に触れる

星の名

星の名

暗い硝子の洋燈に
灯が燈る
夜の波間が星の光に揺れる
迷路のような街並みに
消えてゆく車の明かり
父に最後に会った病室
その表情はもう会えない事を
知っていた
夢の中の譫言のような
自室で寝ている母との
会話にならない会話
その話の内容を時々考える
闇夜に浮かぶ星の名を
探しながら

白い本

白い本

二十歳前後の頃
薄暗い部屋で
カセットで買った
アダモを聴いていた
フルニエのグランモーヌを
読みながら日中寝て
夜起きながら
単位を落とす夢に
うなされた
卒業して何年か経っても
たまに見ていて
今でも焦燥感に疼く
図書館では当時あった
「白い本」にメモに
走り書きした詩を清書した

一つの扉

一つの扉

薄いヴェールを透して
目覚める光
透けている葉脈
喧騒が近づき
取り巻く世界
スプーンでかき混ぜる
ミルクティー
一つの扉を開ければ
もう一つの扉が閉じる
ダーヴィッシュをイヤフォンで
聴きながら死んで
生きて 生きて死んでを
繰り返す

夢の雫

夢の雫

小さな青い星の
夢の雫が落ちる
真空の闇が包む
斑らな喜怒哀楽
冷たく熱い石の夢が
揺籠を覆っている
遠目で見ればそれが全て
足跡は残るのか?
ミトコンドリアイヴのように
宇宙の海図を広げて
夢の雫の探索に乗り出す

※見出し画像はネットから
ペイル・ブルー・ドット

LEICA ⅢF

Summitar 50mm

かすみ草 2004年頃

自壊

自壊

宇宙から来た
石の陰影に満たされて
瞬間が崩壊してゆく 
自壊の岸辺に打ち上げられる
飽和した記述 自動筆記の
タイプライターが闇に鳴る
オフィスと浴槽は瓦解する
岩の城の下敷きになって
キリギリスの詩人は
蟻の地下要塞を無視して
暑いさなかに冬に怯えている

風に舞う

風に舞う

地球の裏側の
羽ばたき
海底のうごめき
真逆の彼方の暗示
波間の表面に
浮かぶ表情が
古代の顔を
投影して歪む
全ての形が
分からなければ
知り得ないもの
直線と思っていた地平が
回転する球を形造る
歴史の一コマは
鍵であっても
謎の一コマ

蝋燭は燃え尽き

蝋燭は燃え尽き

蝋燭は燃え尽き
底無しの夜空の星が
落ちてくる 去った歌びとが
残していった古い恋愛詩集
消え去るものを
惜しむ理由はない
滅びる文明も民族も
あなた方のティータイムの
話題にもならない
滅びの種子が潜んでいる
無数の星々の中にも
終末の祈りが漂い
陰に過ぎない煌めきが瞬く

※プロフィール画像はネットから
プレアデス星団(すばる)

マルクス・アウレリウス・アントニヌスのダブルデナリウス銀貨。
古代ローマの銀貨はだいぶ手放したがこれだけ持ってる。ヤフーニュースで邪馬台国の新説が載ってて興味深く読んだ。同じ時代頃。古いコインは歴史を感じられて好き。