子どもは父親の働く姿を見ていると聞くが、これは男の子の場合だと思う。
僕にはふたりの娘がいるが、娘たちが僕の何処を
１番見ていたか、と言うと、働く姿ではなかった。
お父さんはお母さんを、つまりお父さんは自分の
奥さんを大切にしているか？というところだった。

娘たちは、お父さんがお母さんを大切にしているか本当によく見ていた。
女の子というのは、そういうものかもしれない。

娘たちが小学生の時、奥さんが風邪をひいて熱を出し３日間寝込んでしまった。
僕は奥さんの代わりに家事を全部やったのだが、
娘たちが見ていたのは、お母さんの代わりに家事をやってあげようとする気持ちと実際の行動だった。
僕がやった家事の質は問わなかった。

僕が作った料理は奥さんの料理ほど美味しくない。
でも娘たちは美味しいよと言って残さず食べてくれた。
畳んだ洗濯物も奥さんほど上手く畳めていなかったでも、娘たちはお父さんありがとうと言って、僕が畳んだ洗濯物を自分の部屋に持って行った。

娘との関係が上手くいかないと悩む父親が時々いる　
そういう父親は、娘との関係改善に努力する前に、
自分の奥さんを大切にすべきだと思う。
自分の奥さんを大切にする父親は、それだけでも
娘に好感を持たれる。

今日、奥さんが誤って熱い鍋の蓋を触ってしまい、
指を少し火傷してしまった。
その日の夕食は、僕が奥さんの好きなタラコスパゲティとサラダを作った。
奥さんは僕が作った料理を写真に撮り、東京に住む
娘たちに、お父さんがお母さんに作ってくれた料理だよというコメントと一緒にLINEで送った。
３０分もしない内に娘たちから僕宛にLINEが送られて来た。
長女からのLINEには
お母さんに料理を作ってあげたんだって？
お父さんは味付けが濃いから
お母さんに作ってあげる時は気をつけてね。
と書いてあった。
次女からのLINEには
美味しそうだね〜。
お父さん、お母さんのために
キャベツの千切りを練習してあげて。
と書いてあった。
娘たちが１番見ている、父親である僕の姿は、
今も変わっていない。