お茶漬けが食べたい。

変な気温の秋と呼ばれる季節のあいだ、
心身ともに不調だった。
その最たるものが、昨日の自殺願望だった。
内側が腐食して、ハリボテの私だけが引きつった笑顔のまま立っていた。

人を傷つけるのは人だけど
人を救うことができるのも人だ。

夜、3時間ほど会話をしてくれた人がいた。

問題の渦中にいるときには、客観的な見方ができない。
問題の内側にいるからだ。
外から見てくれるにしても、身近な存在なら冷静な判断が出来ない。
泣けば情に流される。
怒り狂うと宥めるか、逆に叱り飛ばすか、
いずれも「感情」が入り込んで、正しい判断が出来ない。

会話をしてくれた人は、
今回の問題を切れ味のいい牛刀で
ばしばしばしっと切るように会話してくれた。

おかげで、私を縛り付けていた感情という筋を
見事に断ち切って、食べやすい肉塊にしてくれた。

ようやく、私は今の感情が激鬱で
体調不良もあいまって仕事が出来ない状態になっていたことを
口にすることができた。

ずっと「頑張らなきゃ。やらなきゃ」とだけ言い続けて
自分を追い込んでいても心身ともにエネルギーがないから
何も出来なかった。

「その状況なら、鬱になるよ」
「あなたは完全主義の一面があるし、完璧にしないとと思ってるでしょ」

ひとことひとこと声をかけてくれるたびに
私の中で鎖がはじけていくのがわかった。

頑張ってきたね、よくやったね、
という寄り添いの言葉なんかいらない。
そうだよ、頑張ってきたんだよ。くそ!と思いながら。
それを「頑張ってきたね、よくやったね」と言われても
心には響かない。

それを越えて言われた言葉が、
私の鎖を断ち切ってくれた。

昨日は、無理やり食事しても
何の味もしなかった。味覚障害か?と疑いながら
むりやり口の中に押し込んで飲み込んだ。


いま。
お茶漬けたべたい。
永谷園の海苔茶漬けがたべたい
胃袋が欲している
脳が欲している。




ありがとう。
ハリボテはそのままにして
中身は抜け出して
新生して楽しむよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?