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制作会社から事業会社のコミュニケーションデザイナーに転職して読んだ本

こちらはGMOペパボデザイナー Advent Calendar 2023のエントリーです。

GMOペパボ株式会社のminneでコミュニケーションデザイナーをしているYoshiminです。
その前はPR代理店の制作部でデザイナーをしており、去年の12月にペパボに入社しました。

前職の受託制作の場合、前提知識や立場が様々であるクライアントの方々から出てくる要件をヒアリングしたり汲み取る力、突発的な現場での臨機応変に行動する力、あらゆるブランドのトーン&マナーを理解し最適なアウトプットを出す力が求められてきました。
また、リテナー契約もありつつ制作業はフロー型の売上であるため、求められるクオリティを提供するのは前提として、ある程度案件数をこなす生産性も求められており、脳<<<手(動かす際に頭も使っていますが)を動かすことが配分的に多くなりがちでした。
※あくまで個人の感想で会社によって異なると思います。

事業会社の場合、基本は1つのブランドと長期的に付き合うことになります。また、短期的な目標達成だけでなく中長期的な時間軸や広い視野で設計する力や、より一層業績について当事者としてサービスの課題や壁にぶつかる経験もして、これまで使ってなかった脳をフル稼働した1年でした🧠

また、パートナー全員が皆それぞれ前提知識が備わっているため、自身もその水準まで高める必要がありインプットの重要性を痛感した一年でした。

転職して業務形態も変わり新しく学ぶことが多い中、読書量も増えたので、自身の業務に活きた本をいくつかご紹介します。

ビジュアルデザイン・コミュニケーションデザイン関連

「ビジュアルデザイン論」は全21章にわたり、ビジュアルデザインを具体的かつ日常的な事例を交えつつ解説されています。
この世の視覚性のあるものに批評的な姿勢を持ちつつ、私たちが住んでいる視覚世界で適切なツールを提供するには?という観点について、これまでのデザインの歴史も振り返りながら網羅的かつ骨太な内容が充実している良書です。
これまで何となく理解はしながら制作していたものの、曖昧だったビジュアルデザインについての視点がかなり明快になり、自身のアウトプットのチェック項目として活用するだけでなく、他のデザイナーの制作物をレビューする際にも役立っています。

また、混乱する複数の情報をどう設計するか・誤解を招くことでユーザーへの不快感や信頼を下げるものにならないか(人が持つ認知バイアスやダークパターンの理解)・言葉による価値変換の観点で下記の本たちを読みました。(巧みなセールスコピーは一見ダークパターンの一部のように見えますが、誤解やバイアスを意図的に利用して購入を促すことと、価値を加えてユーザー自身に購入したいと思ってもらうことは全く意味が異なると感じています。)



デザイン実例集

元々実例集を見るのは好きなのですが、より制作プロセスが見れるもの・VIの展開事例がまとまっているものを読みました。
表現の幅が狭くなったり単一のアウトプットになりがちな際に、インスピレーションを受けたり視点を表現の手法を広げたい時にパラパラ見返すようにしています。



ビジネス書

「解像度を上げる」はminneデザインリードのきでりんさん(kii0719)のおすすめでもあります。
これまで直面してこなかったサービスに関わる課題に対して、当事者として対面することが多くなり自分も読み始めました。
「解像度」という言葉で体裁的にまとまっており、今担当している事業領域においての課題について何となく抽象的に捉えていた自分にとって、手に取りやすい一冊でした。読んだことに留まらず(基本的に深さが足りない)、行動を伴うインプットを増やさなければと痛感しました。

また、サービスにおいて課題やタスクは無限にあると思いますが、自身やチームの限られたリソースの中で闇雲なアクションではなく、どこに注力すると効果的なのかをシビアに判断したいと思い、王道ですが「エッセンシャル思考」「イシューからはじめよ」の本を読みました。新たな気づきというより視点の拡張の手助けになり、悩んだ時や視界が狭まった時に読み返したい本です。


他にもペパボにはデザイナーのオンボーディングでおすすめの書籍がありいくつか読んだのですが自身の専門領域の記事に留めて割愛します。

今年は知識をかき集めながら走り抜けた一年でしたが、来年は得たものを自分の武器にして、知識を業務に結びつけるようにより一層の精進をします。


他のデザイナーのアドベントカレンダーもぜひご覧ください。


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