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(連載32)IT革命で苦手な英語が克服できたか:ロサンゼルス在住アーティストの回顧録:1990年代中頃

アメリカ在住日本人。それが私であります。

この回顧録、1980年代の後半、東京にいた頃の事からから書き続けておりますが。

それから時代はすすみ、今回は、1990年代半ばのお話です。私はアメリカに引っ越してきて、約5年が経とうとしていました。

ここで、皆様、思われるでありましょう!

私は、さぞかし、英語がぺ〜らぺら〜!!のペラ!

だと。

しかし、当時の私の英語はひどいものでした。(ある意味、今も。汗)

夫はアメリカ人ですが、逆にそうだと、言葉を使わずに伝わる部分が多くなり、ボキャブラリーがなくても、コミュニケイション上は問題なくなる。

国際結婚でも、夫が厳しい人で、妻の英語の上達を強く望んでいれば、別です。たまたま知り合った、アメリカ人と国際結婚した女性は、家で「日本の本などを読んでると旦那さんからしかられる!」と言ってました。(ひぇ)

が、私の夫トッシュは、正反対で、まったくそういうのを気にしないタイプ。もう、「なんでも、伝われば、いいじゃ〜ん。」というノリだったので、私も、そうだよね?

大切なのは、言葉じゃなくて

ま・ご・こ・ろっ! だもんね〜?!

と、すっかり信じこんでいました。

また、私の仕事も、アメリカのオフィスでフルタイムで働くというような職場環境でもなく(便利屋フリーター)特に英語に対する危機感もゼロ!

しかし、、、、この頃。


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あの

人類史上の大革命!

IT革命の嵐とやらがやってきたのでありました!!


そして、私は直感しました。

コンピュータで使われている言葉は、英語や!!

これからは、英語の時代や!!!

それで、やっと、目覚めた!

このままでは、ヤっベーーと!!!


それで、こうなったら、学校に行くしかない!と決心。近くに授業料の安いシティ・カレッジがあったので、英語のクラスにさっそく申し込みました。(行動は早い)

毎日、真面目に出席。先生から言われた事は、全部トライし、宿題もちゃんとやった。英語の本も何冊か読まされた。

あ、この時の宿題で、ブラッド・ピット体験の事を書いたんです。これは異様なまでに詳しく(連載18)に書いてますので、是非!


話、続けます。
もともと学校の授業など、苦手だったのですが、半年くらいは、なんとか我慢した。でも、上達してる感がまったく、ない。

そして、なによりも、毎日が、ぜんぜん楽しくなーい!!!

ま、勉強は楽しくなくても、学校に毎日通ってるので、友達ができた!とかそういうのでもあれば、多少、違ったかもしれませんが、この時点で私はすでに30代後半。クラスは、ほとんどがティーンか20代前半。

私はぽっかり浮いていた、、、。

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残された道は、ソロ活動!

友達はできなくても、好きな事、たとえば、アート・ヒストリーのクラスを英語で受講するのはどうか?と。

それもトライした。

これが、また、退屈きわまりない、授業。。。先生のフォーマット通りの説明に、(本に書いてある事をそのまま、教える)

そして、生徒は生徒で、質問が「マチスの絵にある、あの赤の部分は、どういう意味なんですか?」とか

そんな、どーーーーーーでもいいような事を、話し合ってて。。。。

(そんなん、自分で考えろや!!)

で、こちらは、学期が終わる前にドロップアウト。

つまり、自分なりに努力はしたのですが、成果はまったく、感じられず。

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さて、一方、世間は刻々と移り変わる。

合言葉は インフォメイション・ハイウェイ〜!

(この、言葉、なっつかしーーー!)

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この時代に乗り遅れないようにと、貧乏なウチも、なけなしのお金を叩いて、とりあえず、「マッキントッシュのデスクトップ・コンピュータ」ってものを買った。まだ、iMacとかの前。もちろんスマホ以前!

「一家に一台」のレベルの頃。当時30万円くらいだったと思います。この金額は、我が家の家計からしたら、とんでもない金額でした。車を買った時以来、家賃を除いては、2万円以上の出費は、皆無。。。

しかし、この流れには逆らえないと、決断!!マック・ストアなんて、当時はなくて、いわゆるコンピュータの専門店で買った。

忘れもしません。それは、1994年1月16日でした。

なんで、日にちまで覚えているかともうしますと、このパソコンを買った次の日に!!!

ロサンゼルスで、大きな地震があったんです。

「ノースリッジ地震」と言われるものです。マグニチュード6.7!

60名もの方が亡くなり、負傷者は9000人。たくさんの建物が崩壊したんですよ。

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こんなでありました。

地震は、朝方だったので、ものすごい音とふわ〜って浮くような上下の揺れで、起こされました。そして、家の中もガタガタ揺れだして、棚のものがガチャ〜ン、ガチャ〜ンと落ちてきた。

ただ、ウチの場合、揺れはしたものの、建物自体は無事でした。

我々はとりあえず、ベットで、毛布をかぶって、揺れがおさるまで、待ちました。

しばらくして、揺れが終わった。。。。ふぅ〜。

そして、次の瞬間。

私とトッシュ(夫)は、顔を見合わせました。

そういえば????。。。。。と

昨日、なけなしの金をはたいて、買ったアップルのパソコン30万円!!は、どうなった??と。

我々はおそるおそる、まず靴をはいて、ベッドルームから出て、廊下のぐちゃぐちゃになった割れたガラスの間をぬって、トッシュの部屋のドアを開けたら、

立派に、机の上に、すくっと、そのまま、

何者にも動じない、禅のお坊さんのようにそこに座っていた。。。。

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(ちなみにこの写真は近いものをネットから拝借してます。)

後ろには後光がさしてた。。。。ピカっ!

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思わず、私は、拝みましたよ!!

そして、ふたりで、抱き合って、泣いた。

これ以来、我々はアップルに多大な義理を感じ、アップル以外のパソコンは考えられなくなった。そして義理人情で結ばれたアップルと我々の関係は切ってもきれなくなり、それからの生活は、一変しました。

(ま、これは義理はなくても、人類、みな一変したのは同じ。)

しかし、なんでもかんでも、すぐに便利になったわけでは、ありませんでした。

若い皆様はもう生まれた時から、今のような時代で、なんだかんだが当たり前ですが、我々の世代は人生半ばでのこの大変革です! アナログからデジタルへの移行というのは、想像を絶する変化でありました!

まず、パソコンを目の前にしたらぁーのぉ〜? 必要なアクションはぁ〜?

キーボード入力!!!笑

我々、アナログ世代はそういうキーボードに触れるという機会もなかったので、まずは、ここから、はじめなあかん。とばかり、

今は「英語の上達」よりも、

キーボード入力のスキルの方が優先順位は上!!!

学校などに行ってる時間はないのであった!!

それからは、キーボードの早打ち特訓がはじまった!

これは頑張った!!アルファベットが上から降ってくるようなゲームがあって、それが地面に落ちるまでに、打つというやつで、何人かでやるゲームですが、全員自分で、自分対自分の戦いで、ベスト・スコアのトップ10も全部自分ってやつです。

これが、英語のクラスより、何百倍も楽しい!!

楽しい=上達が早い。あっという間に、目を閉じてても、打てるようになり、あっという間に早打ちスキルが、得られた。

で、ここで、英語の話にもどりますと。

このおかげで、それまで毎日、英語の新聞のニュースを読む時の、

。。。。魔のような辞書をめくる作業。。。。

ABCD...えっと、JってMの前だったっけ? この思考の繰り返し。。。。

あの能率のクっソ悪い、しかもクリエイティビティがゼロの作業!!

あ〜〜〜それからの解放!! 

ちなみに、話それますけど、日本とのコミュニケイションも、それまで、国際電話で、これまたバカ高いお金をはらっていたのが、

Eメイルという、すごい!無線のようなもの?が発明された!爆

メルアドを持ってるっていうだけで、それを交換して、友達になったりした。ほんとですよー。笑

ま、そんなこんなで、朝のニュースだけでなく、なんだって、知りたい情報は、すべてパソコンで、日本語で読むようになり、だんだん英語を勉強しなくても、そんなに不便を感じなくなった。そして、もう、英語を上達しようなんて事は、志は、どこえやら。。。。

それだけでなく、逆に、日本語が好きになっていった。だって、母国語だし。わかりやすいし、いや、マジ、日本語っていいよね〜。てな具合ですよ。

外国旅行して、日本食っていいな〜と再確認するかんじでしょうか?

また、日本語に執着する事で、「日本語を書く」面白さにも気がつき、90年代の後半になってから、これが、ライターのようなお仕事もさせていただく事に、繋がっていくんです。。。。

いや〜、人生、ほんと、どうなるかわかりませんねーーーー!!

あの時、アップル・コンピュータが机から落ちて、こなごなになっていたら。。。。

貧乏のどん底での出費、IT革命にも乗り遅れ、英語の上達も思うように進まず、もう、英語ができない自分は、アメリカに住む権利はないんだ!と、自分の将来が真っ暗がになって、その何もかもを夫のせいにして、日本に戻ってたかもしれません。。。。

あ〜〜〜、ありがとう!!!アップル!! 

ここに、人類を代表して、、、

(私が人類を代表する資格があるかどうかは別として、、)

お礼を申しあげます!!!!

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さんきゅーーーべり、マッチ!!

日本語訛りで、失礼します!!!

次回へ続く。

L*



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