見出し画像

味噌屋が味噌の作り方を教えたら


お味噌屋さんは
本来、お味噌を売る

味噌屋がお味噌の作り方を教えたら
商売が成り立たない


だから普通は
お味噌をたくさん売ることを考える

どのようにしてお味噌を多く売るか
美味しく、なるべく安く
誰もが簡単に手に入るように

真似されたら困るから
レシピはもちろん企業秘密

シェアを奪い合い
他者を蹴落としてでも

自分と家族の生活を
守るために当たり前のこと

✴︎✴︎✴︎

南木曽ねこづくりワークショップを
開催するにあたって

パートナーと話し合った

・生地は着物と浴衣を使う
・参加者にはレシピを渡す


私の想いは

『日本の伝統と文化を未来へつなぐこと』


パートナーの想いは

『モノづくりの楽しさを広めること』


「服屋が服の作り方を教える」ようなもので
これでは商売が成り立たない

”ワークショップ”の魅力である
必要最低限の知識と実践スキルの提供
集中して取り組める時間と空間づくり

それに加え
着物のアップサイクル
モノを大切にする日本の文化
アフターケア(修繕)の方法
モノを生み育む喜び

参加してくれた人たちが
ワークショップ後の生活の中に

買わずにつくることを
捨てずに直すことを

選択肢のひとつとして
いつもそばに置いていてくれれば良い

✴︎✴︎✴︎

味噌屋が味噌の作り方を教えたら


山梨県甲府市の「五味醤油」
六代目 五味仁(ごみひとし)さんは

手前みそワークショップを
開催しまくっている味噌屋として
とても有名な方です

「味噌屋が味噌の作り方を教えて
 商売成り立つの?」


お味噌を自分で作ったら
たくさんお味噌を使うようになって
お味噌がよく売れたそうです

自分で作ったお味噌を
友達にあげたくなっちゃって

もらった友達は
自分でも作りたくなるんだって

そうなると
ワークショップが大繁盛

お味噌の材料も
たくさん売れちゃうものだから

お味噌づくりキットや
糀も売っちゃおうとか

味噌屋が味噌の作り方を教えたら
みんなハッピーだったってこと


『発酵人類文化学』小倉ヒラクさん より


✴︎✴︎✴︎

「本来」とか「普通」とか

結局どこにあったの?


当たり前だと思っていた
みんなが疑わずにしていることが

実はそんなもの
どこにもなかったら

私たちの祖先さまたちが
モノを大切にしてきたように

そんな世界になったら良いなって

「買って捨てる時代」から
「生み育む時代」へと

願う私にとっては
『”普通”なんてなかった』と
1秒後には思えるように




この記事が参加している募集

お金について考える

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?