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◎親愛なる横井庄一さん◎

命はひとつ 人生は1回
だから 命をすてないようにネ
あわてると つい フラフラと
御国のためなのと 言われるとネ

青くなって しりごみなさい
にげなさい かくれなさい

1971年 加川良「教訓1」より。


「恥ずかしながら、
 生きながらえて帰ってまいりました。」



横井庄一さん。

太平洋戦争が終結した28年後

生きて、
日本へ帰って来て下さいました。


28年間という長い年月を

命が奪われてしまう恐怖を日々感じながら

命が失われていく友を見送りながら

たった1人になってからも

生きることを続けてこられた横井さん。


発見された時、
横井さんは自分で作った服を着て
自分で作った袋を背負っていました。

グアム島のパゴという木から繊維を取り、
布を織って、半年もかけて洋服を作られたそうです。

暮らしに必要な道具は、
使えるだけでなく、どれも美しいのです。

そこには、
横井さんの創意工夫と丁寧な暮らし。
そして、職人としての心がありました。



「服ができてからよりも、
 作っているときの方が幸せだった。」


名古屋市博物館 企画展 「横井庄一さんのくらしの道具」より。


ものづくりが
生き残るための手段ではなく、

生活を豊かにするための営みであるということを。


親愛なる横井庄一さん。

「ものづくりは楽しい。」
「生きることが幸せ。」


そう笑って話せる時代になりました。


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