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清姫は御神木に仕える巫女でもあったか

今朝、滝尻王子の近くにある熊野古道館というところに寄ったら、何と、清姫にまつわる御神木があるとるというではないか。

捻木の杉。とても険しそうな場所だが、これは行くしかあるまい。

熊野古道館から車で約30分。意外にも、全行程のほとんどを、車で行く事が出来た。こういうところは、経験上、かなりの徒歩も覚悟していたのだが。

ただし、最後の1、2kmほどは、なかなかの悪路である。

これがその、捻木の杉。怒り狂った清姫が巻き付いて身をよじった為、枝がねじれてしまったたいう。

大神神社の、巳の神杉を思わせる伝説と、威容。
どこか禍々しい形状でもあるが、その魔的なところが、かえって太古のアニミズムを感じさせる。元々樹木信仰の対象であったのだろう。こうした御神木に対する信仰は、今も日本中に見られる。まして、ここは「木の国」が語源という紀伊の国だ。

それが清姫伝説と結び付いたのは、麓の清姫の出身地・真砂の集落の巫女が、この聖木に仕えていたからではかいか。清姫は物部の出と伝わる。物部ならば、御神木にも仕えよう。

清姫のモデルは、当地でいまだ仏教色の薄いアニミズム的信仰を奉ずる巫女だったのでないか。人と蛇とのハーフで、淵の名になるほど水に親しみ、シャーマンの象徴たる長い髪を持ち、後に大蛇となり、火をも吐く。ゆかりの御神木もある。「魔法使い」の要素が揃っている。

後に、この禍々しくも取れる枝振りが、清姫伝説の凄惨さとマッチして、今に伝わっているのではなかろうか。

根元には役行者像が祀られている。こちらは一度盗難に遭って新造したところ、後年元の像も発見されたとのこと。

なお、捻木の杉は、南北朝以降に主要ルート化した、「新しい熊野古道」沿いに位置する。

捻木の杉からの眺めは絶景。白浜方面の海も見える。

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