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【楽曲語り】走れ・後編〜仲間と共に、もう一歩【まいにちFinally・day37】

こんにちは!黙らない男、灰色です。

前置き省略、早速まいふぁいやっていきますよ!

今回は「走れ」語りの後編です!

前編ではこの曲のFinally史における特別さを紹介した上で、作詞を担当したRinkaの想いと、Finallyならではのメッセージの共通点について掘り下げていきました。

後編ではさらに踏み込み、私が独自に到達した解釈を語っていきます。

Finally楽曲の真髄である、作品の強度が可能にする自由な解釈の醍醐味を味わっていただけましたら幸いです。では、どうぞ!



共に戦う

Rinkaが語った「バトルゲームをイメージした」という言葉については、既に前編で触れた通りです。そして、彼女がイメージしていたゲームとは「スプラトゥーン(3)」でした。

まずはこのことに立ち返り、今一度掘り下げを試みます。

私自身は人生が破滅すること間違いなしなので同作をプレイしたことはないのですが、シリーズを1から遊び倒している廃人の先輩の話から、メインのゲームモードが「4人ずつのチーム対抗戦」であること、「従来のように相手を撃って倒すだけでなく、ステージをチームの色で『塗っていく』ことで陣地を拡大し、その割合で勝敗を決める」ことは知っています。

また、使用される武器(ブキ)も千差万別で個性的。敵を狙撃することに特化したものもあれば、広範囲を塗っていくことが得意なものもあるそうです。これらの要素から必然的に、同作は「チームでの連携」や「役割分担」が勝利のために不可欠な要素だと考えられます。

私は、この点に最も注目しました。

Rinkaのイメージしたバトルゲームとは、1vs1で純粋な実力を競い合う格闘ゲームや、最後の一人になるまで孤独に戦うバトロワ系ではありません。

全員での勝利を目指して、意思疎通をし、協力を試みて、自分の役割を果たすことが最も大切な、チームプレイのゲームなのです。

そのことにフォーカスしたとき、「走れ」が秘めた新たなメッセージが浮かび上がってきました。

それはすなわち、「仲間と共に走れ」です。


革新的チームプレイーーオーバーウォッチ

ここで思いきり私の趣味に振り切れることをお許しください。スプラトゥーンのゲームジャンルは「TPS(Third Person Shooting)」、三人称視点のシューティングゲームです。動かしているキャラクターの全身像がプレイヤーから見えるものですね。

一方、現実の自分の身体と同じように、プレイヤーからはキャラクターの手しか見えないタイプのシューティングゲームを「FPS(First Person Shooting)」と呼びます。

なぜこのような定義に触れたかというと、チームバトルと役割分担に最大の特徴を持つスプラトゥーンというゲームに触れるとき、私にとって避けては通れない作品があるからです。

その名は「オーバーウォッチ(以下、OW)」。個性豊かなヒーローを操り、6vs6のチーム戦で勝敗を決する、私が愛した伝説のFPSです。(現在は進化したOW2が配信中ですが、そちらは未プレイです)

発売時期としては、初代スプラトゥーンが2015年、対するOWは2016年となっています。ただし、続編についてはスプラトゥーンが2022年9月に発売したのに対し、OWは同年10月に2が配信と、OWの方が一作目の稼働期間が長かったと言えます。

私がこの作品の何を「伝説」とまで評するのか。それはOWが、FPSとしては画期的な「非戦闘員までを含めた全員での役割分担」をその中核に据えたゲームだったからです。

使用できるキャラクター=ヒーローは実に個性豊かで、老若男女からロボットまで、32人にのぼります。その外見は一度見たら忘れがたく、まるでディズニーピクサーのアニメキャラクターのよう。

そして何よりの特徴は、キャラクターによって特技が明確に異なり、三つのスタイルに大別されるという点です。

一つ目は「ダメージ」。従来のシューティングゲームと同じく、スピードやパワーを活かして敵を撃ち倒すことに長けた役割です。文字通り敵に多くのダメージを与える仕事ですね。しかし、OWを構成するのはこのタイプのキャラだけではありません。

二つ目は「タンク」。戦闘もできますが、動きが全体的に遅かったり使い勝手があまり良くなかったりと、ダメージほどのパフォーマンスはなかなか発揮できません。そのかわり、タンクは「戦車」の異名の通り、その巨躯で味方を守ることを得意としています。大盾を構えたり、味方にバリアを張って守ったり、はたまた敵の注意をひきつけて的になったり。タンクがいなければ、チームの防御力は敵の猛攻に耐えられず、総崩れになってしまいます。

そして最後の一つが、「ヒーラー(サポート)」です。このタイプのキャラは戦闘力が非常に低く、他の2タイプのキャラと正面からぶつかれば、まず勝ち目はありません。敵を早く、多く倒すことが勝利条件のゲームでは、およそ考えられないスタイルです。

しかし、ヒーラーの真骨頂は撃ち合い殴り合いではありません。その名にふさわしく、味方を回復させられるのです。時には能力値を高めたり、倒れた仲間を蘇らせたりさえできるキャラも。OWの戦闘はヒーラーが後方でチームを支えることが前提のため、誰かがこのポジションにつかなければ、ほぼ勝負になりません。

タンクとヒーラー。1vs1、もしくは1vs1vs1ys……のバトロワでは、およそ成立しない役割ですが、OWではこの両者の仕事なくして勝利は望めません。敵を倒す花形のダメージだけでなく、縁の下の力持ちのタンク、裏方でチームを支えるヒーラーの全員が揃って、初めて戦いが成立するのです。

さらに自分の話になってしまいますが、私はシューティングゲームが好きなものの、下手の横好きで全くと言っていいほど撃ち合いに勝てませんでした。狙いをつけるいわゆるエイムが致命的に下手で、咄嗟の反応も鈍いのです。それどころか、ストリートファイターのような格闘ゲームやぷよぷよのようなパズルゲームについても、上級者たちのスピードについていけず、ハイレベルな戦いに勝つ楽しみとは無縁でした。

そんな私にとって、OWはまさに世界が変わるほどの革命でした。タンクで陣地に仁王立ちし、味方をかばう。ヒーラーで救護に奔走し、フレンドを助ける。そうして、撃ち合いに勝てない=強くない自分でも、確かに勝利に貢献できるのです。

運動が大の苦手で、チームスポーツとも全くの無縁だった(強いて言えば登山を除く)私にとっては、ゲームとしてだけでなく「チームプレイ」の成功体験としてさえ、二十歳をゆうに過ぎてから初めての感動でした。

ちなみに私が最も多く使用したのは「ザリア」という、世界最強の女と呼ばれる東欧系の女性ボディビルダー。味方にバリアを張って敵の攻撃を吸収し、その分だけパワーアップするという、攻守のバランスに長けたキャラです。

「仲間がいれば百人力だ!」

突っ込む味方にバリアを張って守ったり、周囲を吸い込む重力弾で仲間が敵を一網打尽にするためのパスを出したりと、ザリアで挑む試合はとても充実した体験でした。

もちろん、ロール(役割)の連携で戦うゲームというのはOWが初めてではなく、ネット対戦ゲームとしても多数の先発作がありました。しかし私にとっては、FPSコンプレックスを解消し、一丸となって勝利を得る喜びを教えてくれたOWは、やはり特別な作品なのです。

あまりにもOW語りが長くなってしまいました。私が強調したいのは、スプラトゥーンと共通する「チームでの役割分担と連携」という点です。スプラトゥーンには、OWほど明確な戦闘の得手/不得手はないかもしれません。4人という少ない人数であることも相違点です。

しかし、二つの作品に共通するのは、それぞれが異なる得意分野を活かし、その相乗効果が1+1を5にも10にもして、勝利をたぐり寄せるということです。

自らの得意分野を全員が重ね合わせて、チーム全員で戦う。

もう連想された方も多いでしょうか。その在り方は、現実のチームスポーツと何ら変わりません。

実際にOWは破格の賞金をかけてプロチームが競い合う競技eスポーツの草分けともなったのですが、その話をこれ以上深追いはせず、実際のスポーツの話題に移っていきましょう。先にこっちの取っ付きやすい話からやれよ、というのは禁句ですよ。


「湘北は負けん」ーースラムダンク・山王戦

はい、一気に市民権のある話題に切り替えました。現在新作アニメ映画もメガヒット中のバスケットボール漫画、スラムダンクの話です。

OWと違い押しも押されもせぬ有名作ですので、前置きは省略しましょう。同作中には、今回映画化もされた名シーンがあります。

ドリブルこそチビの生きる道なんだよ!!

スラムダンク・宮城リョータ

既に映画をご覧になった方ならば説明不要でしょうか。高校バスケ日本一のチーム・山王工業の誇る長身・重量級の選手たちに囲まれて苦しむリョータが、「湘北の切り込み隊長」として自身を奮い立たせる名シーンです。

彼のポジションであるポイントガード(PG)はチームの司令塔とも言われるポジション。作中では神奈川No.1プレイヤーと呼ばれる海南大附属高校の、そして映画でもその不動心と実力を存分に見せつけた山王の深津など、全編を通じても屈指の猛者がPGとして登場し、フィジカル面で大きく劣るリョータは幾度も苦戦を強いられます。

しかし、リョータは作中最後の戦いである山王戦において、格上の選手たちに苦しめられながらも上記の台詞を放ちました。相手の得意な土俵でなく、自分の絶対に信じられる武器で勝負する。それこそが、隙のないオールラウンダーのように思われた敵に対する突破口だったのです。

そんな山王戦から加えてもう一つ、映画には未登場の名台詞を挙げたいと思います。

おそらく現段階でオレは河田に負ける
でも 
城北は負けんぞーー

スラムダンク・赤木剛憲

日本最強のセンターである河田との圧倒的な力の差に、湘北の大黒柱である赤木(ゴリ)は自信を喪失しかけます。しかし、そこに自身がかつて激闘の末に打ち破ったライバル・陵南高校の魚住包丁を持った板前スタイルで大根のかつら剥きをしながらという不審者全開スタイルで客席へ登場。そして、こう語りかけます。

華麗な技をもつ河田は鯛…
お前に華麗なんて言葉が似合うと思うか 赤木
お前は鰈だ
泥にまみれろよ

スラムダンク・魚住純

カレイカレイ言ってますが、文字なしでゴリは一瞬で理解できたのでしょうか?

魚住なりの、ウィットに富みながらも含蓄のある激励。実は彼自身もかつて同じように、赤木との実力差に苦しみ、「でかいだけ」と言われる自身の存在価値に悩んでいました。しかし、魚住は田岡監督から、その身体は他人にはない立派な才能だと肯定されたことで、悩みを吹っ切ります。

そんな魚住が、今度はライバルへ自分なりの言葉でエールを送る。チームを超えた精神の継承とも言えるこのシーンは、作中トップクラスに好きな一幕です。そして、自分を取り戻した赤木は現実を受け入れ、河田には勝てなくとも=正面からの強さでは及ばずとも、5人が一体となったチームとしての湘北は日本一の山王にも負けないと、闘志を燃え上がらせるのです。

絶対的な壁を前にしても、自らの武器、役割に立ち返り、全員での勝利へと死力を尽くしたリョータとゴリ。彼らのチームプレイに懸ける責任感と、「自分らしさ」を信じて貫く意志が迸った二つの名シーンをご紹介しました。



凡人の逆襲ーーアイシールド21・桜庭春人

そろそろいい加減に怒られそうですが、本題に戻って総括する前に、スポーツ漫画からもう一作だけ引用させてください。

最後に取り上げるのは私が人生で最も愛している作品の一つ、アイシールド21です。

それまで漫画の題材としては馴染みの薄かったアメフトを扱ったこの作品は、群像劇としての完成度、そして「凡人」「天才」「努力」の多様な描き方において、日本のスポーツ漫画史上でも類を見ない作品です。

そんなアイシールド21で私が大好きなキャラクターの一人に、ライバルチーム・王城ホワイトナイツの桜庭春人という選手がいます。長身に甘いマスクを兼ね備え、アイドル事務所に所属する桜庭。彼は多くの女性ファンを持ち、メディアで王城のエースと呼ばれて特集を組まれるほどでした。しかし彼の所属するチームにおいて、桜庭の実力は決して高いレベルにはなく、特に真の絶対的エース・進清十郎とは同じ2年生ながら天と地ほどの差がありました。

桜庭は物語序盤に挫折を味わったのち、本物のアメフトプレイヤーになるべく奮起し、死に物狂いで進と同じ合宿メニューをこなしました。その力は数字でも確実に伸びていましたが、本人は努力をすればするほどに実感する天才たちとの次元の違いにかえって打ちのめされ、チームを去ろうとしてしまいます。

それでも諦めきれずに合宿へ戻った桜庭が見たのは、夜の自由時間に大雨の中でレインコートを着て走り込みに出ていく進の姿でした。そのあまりにもストイックな姿を見て、桜庭は慟哭します。

なんでだ なんでそんな風に出来る
勤勉な天才に 凡人はどうやったら敵うっていうんだ
俺は雲水みたいに割り切れない
自分は才能なんて無いって 17歳で受け入れられるほどできた男でも無い
俺は勝ちたいんだ!進に!諦めきれないんだよ!俺だって一流になりたい!
凡人に生まれた男は
どうしたらいいんだ・・・!

アイシールド21・桜庭春人

先に挙げたスラムダンクのシーンでは、敵チームとの決戦における挫折と再起が描かれました。

それに対してアイシールドで桜庭が直面したのは、同じチームの仲間であるはずの進に対する劣等感、無力感であり、どれほど努力しても引き離されていくという現実です。

私は進も一、二を争うほど大好きなキャラなのですが、彼はまさしく完璧な戦士というべき人間で、実力・ポテンシャルだけでなく、人格の高潔さも作中随一。そのため、他のチームメイトと監督にとっては最高に頼れる男ですが、彼に追いつこうとする桜庭にとっては一分の隙もないがゆえに、己の未熟さと惨めさをいっそう思い知らされる相手でした。

しかし、桜庭の物語はここで終わりませんでした。彼は3年生の高見から、タッグを組みたいと求められます。高見はひときわ高い身長と、アメフトに全てを捧げる志を持っていましたが、足の怪我によってスピードが投手としての平均にも大きく劣るという、致命的な弱点を抱えていました。

そのため、高校生活最後の大会出場を絶望視していた高見でしたが、彼は同等の長身を持つ桜庭に一縷の希望を見出します。桜庭自身は気付いていませんでしたが、彼の体格はそれだけでも稀有な武器。それに加えて過去の甘えから脱却し、限界を超えようと努力する精神力まで身につけた桜庭は、高見にとっては中学から5年間のアメフト人生で初めて出会えた、夢の相棒だったのです。

そして。レシーバー・桜庭と投手・高見の高校アメフト界最長身コンビは、超高高度でボールを放つことで誰にも触らせすらしない奥義「エベレストパス」を開発。あの進と並ぶもう一つの脅威として、主人公セナの所属するチーム・泥門デビルバッツを窮地に追い込みました。

奇しくもスラムダンクの赤木と同様、桜庭が活路を見出したのもその恵まれた体格でしたが、このエピソードが真に表現したかったのは、たとえ目標とする相手に同じベクトルでは追いつけなくとも、異なる分野ではきっと誰にも負けない力を発揮できる、ということだと考えています。

あなたがコンプレックスを感じて追い詰められるのは、時に何の悪意もない仲間による、最高のパフォーマンスや尊敬に値する姿勢かもしれません。

しかし、その相手と同じ場所にいようと、辿り着こうと必死にもがいてきたあなたには、自分も気付いていないような武器がもう既に備わっています。

それは、絶対に勝てないと思っていた仲間も持っていないない、自分だけのもの。「あなたらしさ」に他なりません。追いつけない相手と同じ強さは手に入れられなくても、苦悩の末に見出した自分の色を貫けば、その姿はきっと誰かの生きる意味にさえなりうるのです。

ここからは完全なる蛇足ですが、アメフトのルール・性質はまさに「苦しくてももう一歩」。今回の記事を書くにあたって走れを聴きまくるうち、この曲は勝手ながら完全にアイシールド21のイメージソングになってしまいました。マジでピッタリなので、熱い漫画を求めている人や青春群像劇が見たい人は是非お読みください。



Finallyというチーム

ここまで、私の大好きなゲームと漫画を切り口として「自分らしく生きろ」「強くなんてならなくていい」「自分色に染め尽くせばきっと誰かの生きる意味になる」といったフレーズの意味を考えてきました。

紹介してきたケースにおいては、自分の居場所であるチームの中で、他人にない武器=自分らしさを発揮したときにこそ、目標あるいは勝利へ近づける、という構造が共通しています。

これはごく当たり前のことのようにも思えますが、言うは易く行うは難し。特に譲れない勝ち負けが関わると、得てして人間は近視眼的になってしまうものです。知ったような口を聞きましたが、もちろん私も例外ではありません。

そして、チームの中で持ち味を発揮するという観点から考えたとき、もちろんFinallyの6人もまた一つのチームです。彼女たち一人一人の個性については改めて触れるまでもないかと思いますが、その個性・キャラクターとそれぞれの武器の分かれ方には、つくづく目を見張るものがあります。

これは個人的な好みの話にもなってしまいますが、私はメンバー同士を過度に競争させたり、人気争いをさせるようなグループ運営が未だに好きになれません。

レベルアップのためには相互の切磋琢磨は必要でしょうが、評価基準が曖昧であったり人気の序列を決定づけるような内輪での争いは、話題作りにはなれどメンバー・ファン双方の心理に不健全な影響を及ぼすリスクがあると感じずにはいられません。実際に、半年足らずの短期間でもそうしたケースを多く見てきました。

そうした面においても、重ね重ねですが私はFinallyというグループを心の底から信頼しています。

この6人で武道館に立つ、この6人でないと意味がないと言い切り、メンバーの増減や体制変更が起こることのない在り方。

自分たちの理想とする音楽とステージを追求し、独自路線を貫くことを厭わない覚悟。

一緒に住んだ方が早いんじゃないかと口々に語るほど多くの時間を親密に過ごしながらも、パフォーマンスのレベル向上とファンを楽しませる施策のためにはどこまでも厳しくストイックに取り組む姿勢。

何よりも、彼女たちが互いの強みや個性を誰よりも理解していることで可能となる、歌とダンスの割り振りによる強力なシナジー。

Finallyは、いつもそれぞれがひたむきに「自分らしく生きる」ことを実践しているグループです。

メンバーの誰もジュリちゃんの代わりにリーダーは務められないですし、メグの代わりに歌うことはできません。リンちゃんと同じように聴き手の心を燃やすことも、はるちゃんのあったかい笑顔を真似することもできません。あおいちゃんほど楽しくて中毒性のあるトークも、ティナほど人の心を揺さぶる表現ができるのも、彼女たち一人一人だけのものです。

だからこそ、彼女たちの「自分らしく生きろ」という言葉、「強くなんてならなくていい」という肯定は、こんなにも心に響くのでしょう。



君も自分らしく生きろ!

チームの中での自分らしさ」という観点で考察してきた「走れ」のメッセージ。しかし、この曲はたとえ聴き手が今そうした場に所属していなくても、変わらない光を放ちます

他人と比べて、自分のフィールドを見失ってしまうとき。あなたの中には、あなたもその価値に気付いていない宝石が、威力を知らない武器が、きっと眠っています。

優れた誰かにどうしても敵わなくて、生きる意味を見失ったとき、答えはいつも自分の中にある。

弱さに苦しんだ過去も、いつしかその宝物を作り上げる材料になっている。

Finallyはいつだって、そう歌っています。

何度転んだって 答えはその眼差しにあって
遠くまで 呼び起こせ
君エール

Finally「君エール」

だから、私は、私なりの戦いで。

あなたは、あなたの大切な場所で。

共に踏ん張って、胸張って、走りましょう。

みんな……自分らしく生きろ!!


お読みいただき、ありがとうございました!

これにて、楽曲語り「走れ」回終了です!

趣味全開で飛躍に飛躍を重ねた後編、いかがだったでしょうか。8000字とかあるみたいです。狂ってますねー。

もちろんこれは私の思い込みに過ぎず、OWやアイシールド21を製作陣が知っていたはずもありませんが、そんな大好きな作品たちと結びつけて語らずにはいられなかったほど、「走れ」はパワーに満ちた楽曲です。

ですから、記事の趣旨とは関係なく、是非皆さんもご自分の好きなバンドやアイドルの楽曲について、自由で正解を求めない解釈を楽しんでいただければ、書き手としてこれ以上の幸せはありません。


それでは皆様、また次回!



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