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薬・病院・薬剤師・医療

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自分の記事の中の医療、薬に関すること
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薬剤師冥利

薬剤師冥利

先日、職場の広報誌を見かけた。各科の医師の紹介が載っていた。改めて、医師は個人の名前で周りにアピールできる特別な職業なのだと尊敬の念を抱いた。

確かに、医師への道は高く険しい。選ばれた人しかなれない。
「やっぱ、すっげえな!」
と心の中で賛辞を贈る。でも不思議なことに嫉妬の気持ちはない。薬剤師は医師のなり損ない、と揶揄されることもあるらしいが、私自身はそう思ったことは一度もない。負け惜しみでもな

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外来がん治療認定薬剤師資格取得に一歩近づいた!

外来がん治療認定薬剤師資格取得に一歩近づいた!

事例審査、筆記試験にまずは合格しました!あとは面接試験が残っているのでまだまだ気を抜けませんが。

薬剤師ががん領域の中では最も取得しやすいであろう「外来がん治療認定薬剤師」という資格に、3回目、4年越しで挑戦中です。それでも、事例審査(10症例)、筆記試験の合格率は45%ほどであり、決して簡単なことではありません。(←イマココ)

私はこれまで、自分自身の体感では(多方面でご活躍中の読者のみなさ

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「外来がん治療認定薬剤師」〜面接試験合格!からのその後〜 

「外来がん治療認定薬剤師」〜面接試験合格!からのその後〜 

ずっと何かしら気がかりだったこの1年間以上。やっと一区切り。先週受けた面接試験にも合格し、「外来がん治療認定薬剤師」の資格を取得しました!決して簡単なことではないので、喜びもひとしおです。

使う人は使うzoom。使い慣れない私は、面接の前にzoomが使いこなせるかでまず戸惑いました。お恥ずかしい話です。

zoomを使った面接では、報告した10事例の中から2事例について、面接官(医師、薬剤師)か

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下垂体腺腫摘出術後1年の受診を終えて

下垂体腺腫摘出術後1年の受診を終えて

下垂体腺腫摘出術後1年が経過しました。もうすっかり慣れっこのMRI検査を受け、再発兆候なしの結果でした。教科書で見かける、文字通り下向きに小さく垂れた「下垂体」が、そのものの形をして、ちょこんと写っていました。先生にお願いして術前の画像を見せてもらいましたが、何が何やら分からないもこもこの腫瘍組織が鎮座していたのを改めて感じ入りました。

今はそんなことあったっけ、と言うほど元通り以上に元気に暮ら

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傷ついてかかりつけ医を変わった話

傷ついてかかりつけ医を変わった話

駐車場にある、その医院名等が書かれた看板の下に、祭りの時に通りに吊るされる「シデ(紙垂)」のように、小さめの白い紙が何枚も貼られ、強めの風に吹かれてビリビリと音を立てて旗めいている。思わずその光景に目を奪われた。運転中の信号待ちで良かった。風に揺られて、何が書かれているかよく見えない。風の向きで見え隠れする字を解読すると、「P C R し て ま せ ん」。紙1枚に一文字ずつ印刷されて、風で

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ワクチンの話②

ワクチンの話②

私はこれまで、何と三度も帯状疱疹に罹ってしまった。一度目は20代の頃。二度目は40代後半。ちょうど20年ほどで水痘ウイルスに対する免疫が落ちてくるらしい。これはまあわかる。三度目は昨年。二度目から3年半ほどでまた罹った。

知覚神経の神経節に影を潜める水痘ウイルスは、加齢、過労等で免疫が落ちた時に帯状疱疹として暴れ出す。

私は、己れの性質として、過労に弱く、その結果は帯状疱疹として表れると思い知

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ワクチンの話

ワクチンの話

ドキドキバクバク…
ドキドキバクバク…
※根拠となる論文を示すわけでもなく、個人の見解。一般的な医療職として、勤務先以外で見聞したことを感覚的に述べる。袋叩きに遭わないか心配だが…。

先日、二女がHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン接種を受けた。

このワクチンが世に出た頃、テレビのニュース番組では、ワクチン接種により失神した、歩けなくなったと、大々的に放送された。報道により、HPVワクチン

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薬価とエンシュア・H(薄い知識で感覚で述べる)

薬価とエンシュア・H(薄い知識で感覚で述べる)

※全て個人の見解です。

売れば売るほど損をする、なんてこと、あるんですかね。

ご存知かと思いますが、薬の値段、「薬価」はメーカーが自由に決められるのではなく、国(厚生労働省)によって定められています。

この度、「エンシュア・リキッド コーヒー味」が販売中止になるそうです。他の2種類の味、バニラ味、ストロベリー味は今のところ販売継続とのこと。

https://dam.abbott.com/j

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病気を経てからの職場復帰に思うあれこれ

病気を経てからの職場復帰に思うあれこれ

何とか、職場復帰した。いつも仕事で使っている印鑑の日付は1か月前で止まっていた。

「今日からまたよろしくお願いします。」

せめてものお礼に菓子折りを持って出社した。久しぶりに会う職場のみなさんの顔が懐かしい。

「大丈夫ですか?」
「無理なさらずに」
「顔が見られて良かったです」
「ちょっと痩せられたんじゃないですか?」
「いろいろありました。聞いてほしいことがたくさんありますよ」

みなさん

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一期一会

一期一会

「一期一会
一生に一度だけの機会。生涯に一度限りであること。」

ネットの辞書にはそう載っていた。

「一期一会か!先生にとっても、ここでの成功体験として心に残るじゃろ!なんたって術後の第一声がイケメンじゃもの(^^)」

これは、退院後診察を終えて送ったメールへの母からの返信。

麻酔から覚めた時に「イケメンですね」と言ったのはせん妄ではなかったと思いたい。

久しぶりに見た担当医は、やっぱりド

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病院薬剤師が他病院に入院〜医師への思い〜

病院薬剤師が他病院に入院〜医師への思い〜

闘病記
〜医師編〜

『惚れてまうやろー!』
って、昔流行った漫才師の決め台詞。調べたらWエンジンっていう漫才コンビだった。

医師は、生命を救うためならば人体に対する侵襲行為が合法的に許されている職業だとどこかで聞いたことがある。(正しい表現ではないことをお許しいただきたい)

誰が、微細な技術でリスクを背負いながら頭の中を触って治療しようなんて志す?医師は、その職を志す段階から、やはり一歩も二

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病のわらしべ長者〜思いがけない病気が見つかるまで〜

病のわらしべ長者〜思いがけない病気が見つかるまで〜

個々の病気の内容までここで公開するのは躊躇していたのでこれまで詳細について述べなかった。

しかし、入院、手術、退院を経て落ち着いたところで、なぜこの病気が見つかったか、について述べてみてもよいかという思いに至った。

何かの参考になればと思い投稿する。お互い、身体に気をつけましょう、ということで。

職場の健康診断時に職場の眼科医から「狭隅角」(突然緑内障発作を起こし、ひどい場合は失明の危険性が

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病院薬剤師が他病院に入院して味わう患者の気持ち

病院薬剤師が他病院に入院して味わう患者の気持ち

曲がりなりにも白衣を着て、曲がりなりにも院内を闊歩できていた状態から、お揃いの寝着と下着を着用して床上の生活へ。スタスタ歩けるって幸せなことなんだなぁ…。

自分が患者さんの元へ行っていた時は、「薬剤指導する」という名目の下、無理して伺っていた面もありやなしや。半分後ろに体重を乗せながら、緊張して話しかけていた。返答を聞き取る自信がなかったからだ。

ところが、患者になってみるとどうだろう。もちろ

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病院薬剤師が他病院に入院〜私から見た勝手な看護師像

病院薬剤師が他病院に入院〜私から見た勝手な看護師像

看護師さんには本当にお世話になっている。こんなに親切にケアしてくれるなんて、弱っている人間には本当にありがたい存在だ。

自分が病院で仕事をしている時は、この看護師さんと仕事上のやり取りをしやすいかどうかでその人を見ていたので、今回、患者として看護師さんを見ると、それはそれで人物ウォッチャーの私としてはいろいろ想像を膨らませてしまう。

また、普段仕事をしていた時は、看護師さんの忙しさを目の当たり

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