授業の様子⑯:グローバルスタディーズ学科

今回は応用演習(清水ゼミ)の様子を紹介します。

清水ゼミは「アフリカ・アジア文化専攻」に属します。「文化」と言えば、文学や音楽、ファッションなどを想像されるかもしれません。しかし、このゼミでは「文化」を、より社会的なものとしてとらえるようにしています。学生たちは、音楽やファッションなど、「文化」と聞いて想像するようなトピックから、「文化」からは離れたトピックに見える教育や社会問題などにいたるまで、幅広いテーマについて学んでいます。

このゼミの特徴を2つお伝えしたいと思います。

まず、ゼミの進め方についてです。
文献や資料に没頭し、あるテーマの答えを求めることは、知を鍛える上で大変重要な作業です。研究の多くは一人で進めることが多いものですが、そうした過程の中で、考え方が偏ったり、八方ふさがりになって出口が見えなくなったりすることがあります。こうした硬直した状態から思考を解放することが、新たな発想を生み出すのではないかと思います。そのため、清水ゼミでは、学生の発表を元に、他の学生がコメントや質問をし、発表者が意見や疑問に答える形で進んでいきます(写真)。教員は新たな切り口を提供する、学生が導き出した論の学術的な位置づけを示す、という補完的な役割を担います。

2つ目に、このゼミでは、3年次に行われるフィールドワークを強く意識し、2年生のゼミで絞りこんだテーマを基礎としてフィールドワークを組み立て、最終的に卒業論文に結び付けていくことを目指しています。なぜフィールドワークなのか。実際に自分で足を運び、自分の五感で得た情報は、本には書かれていないものがたくさん含まれています。自分の経験を本に書かれていることになぞらえ、検討する。こんな作業から生まれる学問には、必ず新しいものが含まれています。卒業論文をその学生のオリジナルなものとするのではないかと思います。

年が明けると、いよいよ学生たちは少しずつフィールドワークに出発します。自分の研究だけでなく、異文化の中で数多くの経験をして一回りも二回りも成長した姿で戻ってくることを楽しみにしています。

2022年12月26日
清水貴夫(グローバルスタディーズ学科教員)

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