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3月に読んだ本

3月に読んだ本のなかで、印象に残った本を紹介します!

3月に読んだ本


ジェンダー目線の広告観察 小林美香

【内容】

コンプレックスを刺激する脱毛・美容広告、
バリエーションの少ない「デキる男」像。
公共空間にあふれる広告を読み解き、
「らしさ」の呪縛に抵抗する。

広告と経済の関係を考え、私たちのものの見方が、どれほどそれらのイメージから影響を受けているかを理解することは、消費社会の中で私たちがどのように生活しているのか振り返ることにつながるはずです。

まえがきより

【感想】

広告は街やネットなど日常のあらゆる場所に存在していて、毎日目に入るもの。

ジムや美容系などの広告にはコンプレックスを刺激するような表現が使われているものも多く、「男性は/女性はこうあるべき」という価値観を知らない間に刷り込まれていたのかと思うと少し怖くなりました。

この本の感想は、別記事でも書いています。
内容や素敵なカバー絵についても触れているので、読んでいただけると嬉しいです!

▼投稿した記事


生命式 村田沙耶香

【あらすじ】

夫も食べてもらえると喜ぶと思うんで――死んだ人間を食べる新たな葬式を描く表題作のほか、村田沙耶香自身がセレクトした、脳そのものを揺さぶる12篇。文学史上、最も危険な短編集!

Amazonより

【感想】
人口が急激に減ったことで、人が死んだときには「生命式」を行うのがスタンダードになった日本。生命式とは、死んだ人間を食べながら、男女が受精相手を探し、相手を見つけたら二人で式から退場してどこかで受精を行うというもの。死から生を生む式で、生命式をすれば国から補助が出てお葬式をするよりもかなり安く済む…。

これは表題作「生命式」の設定です。
「生命式」が当たり前になった世の中で、主人公の女性はこの制度に疑問を抱いていて、「最近の人類の習性がゴキブリに似てきた」と思うほど嫌悪感を感じていました。知人の生命式に出席しても、決して人肉を口にしませんでした。しかし、仲の良い同僚の突然の死によって、今まで揺るがなかった主人公の価値観は徐々に変化していきます。

この本には短編が12編収録されています。
表題作の他にも、「小学生の女の子二人が放課後の裏山でこっそり飼っている秘密のペット”ポチ”の話」や、「環境が変わるたびにキャラを変えて生きてきた女性が、結婚式を挙げることになり、今までの知人が集合するという状況で、式当日はどのキャラで振舞えば良いのか悩む話」などがあります。どれも読み応えのある話ばかりでした!

村田沙耶香さんの作品はどれも独特です。ダークな雰囲気が漂っていて好きです。村田さんの作品を読むたびに、どうやったらこんな設定を思いつけるんだろう…と思います。

心境や情景描写もとてもリアルで、文章から匂いや温度や音までも伝わってきます。

特に今回読んだ「生命式」では、主人公の生命式に対する価値観が徐々に変わっていく過程の心理描写がリアルで、読んでいて胸がざわざわしました!

村田沙耶香さんはアダルトチルドレンやマイノリティに関係する物語も多く書かれているので、登場人物に自分を重ねて読むことも多いです。今まで読んだ村田さんの作品では「コンビニ人間」や「しろいろの街の、その骨の体温の」もお気に入りです。これからも村田さんの作品をいろいろ読んでいきたいです!

おわりに

以上、3月に読んだ本のなかで、印象に残った本を紹介しました。

これからも本の感想を投稿していきたいと思います。
おすすめの本があったらぜひ教えてください!

最後まで読んでくださってありがとうございます~!


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