38772人を調査してわかった。飲むと死亡率を上げるサプリ!サプリを摂る際の注意点、代替方法。
【参考文献】Dietary supplements and mortality in older women: the Iowa Women's Health Study
みなさんは、普段からサプリを飲んでいますか?
サプリを飲まないよりかは「飲んだほうが多少は健康にいいだろう」と思って、飲まれている方も多いのではないでしょうか。
しかし、実際にサプリを飲むことにより健康は良くなるのでしょうか。
もし、あなたの飲んでいるサプリが、健康にするどころか、逆にあなたの体を蝕んでいて、長期に摂取することにより死亡率を上げるとしたらどうでしょう。
今回は、アメリカ人女性38,772人を対象に、サプリの摂取と死亡率の関係を調べた研究[文献1]より飲むと死亡率が上がるサプリを紹介します。
研究当初、平均年齢61.6歳のアメリカ人女性38,772人を最長で22年追跡したところ、全体で40.2%の被験者が亡くなりました。
そのデータより、サプリ摂取者と非摂取者の間で死亡増加率を割り出したところ、次のような結果となりました。
【死亡率】
マルチビタミン→2.4%UP
ビタミンB6→4.1%UP
葉酸→5.9%UP
鉄→3.9%UP
マグネシウム→3.6%UP
銅→18.0%UP
その他のサプリ、ビタミンA、C、E、D、セレン、カルシウムについては、若干死亡率を下げる傾向にあるか、特に死亡率に影響しない程度でした。
上に記載したように、ビタミンB系のサプリや、ミネラルをサプリで長期で摂ると、死亡率が上がる高いと言えます。特に銅のサプリを専門家の相談なしに飲んでいると危険と言えます。ビタミンB6や葉酸を含んだサプリは極力摂らない方が良さそうです。
サプリのみならず、健康食品にも上記のようなビタミン・ミネラルが添加されていることもあります(そもそも「健康」食品とは言えないと思われますが)。原料・添加物をよく見てから購入するのをオススメします。
なお、本研究の筆者らは、上記に示した死亡率を上げるサプリの成分自体の摂取を否定しているわけではありません。あくまで、サプリや添加物で摂る際の注意です。特にビタミンBや各種ミネラルは、体内にしっかり補う必要があるので、(サプリからではなく)普段の食事からしっかり摂るようにすべきでしょう。
一方で、野菜や果物の摂取は死亡リスク減少効果がある[文献2]ので、サプリに代わって積極的に摂るべきだと言えます。
また、そもそもサプリをたくさん摂っている人も注意が必要です。
口から摂取したサプリは基本的には、肝臓を通って、多くが腎臓も通ります。サプリを増やした分だけ、肝臓や腎臓が増えるわけではなく、常に1つ(腎臓は2つですが)で頑張っている状態です。
基本的に、肝臓や腎臓の機能を格段に上げるようなサプリも存在しないので、サプリの摂取量は増やしすぎず、少ない量で必要最低限摂っていくのが賢い摂り方でしょう。
例えば、新しいサプリを試すときは、
・必ず少量から始めて
・可能な限り今使っている他のサプリの量を「減らすか」「止めるか」してから使う
のが無難です。
まとめ
1)次のようなビタミン・ミネラルサプリは、死亡率を上げる
マルチビタミン→2.4%UP
ビタミンB6→4.1%UP
葉酸→5.9%UP
鉄→3.9%UP
マグネシウム→3.6%UP
銅→18.0%UP
特に必要がない限り摂らない方が無難です。
2)一方、野菜や果物摂取は、死亡リスクを低下させることが分かっているので積極的に摂るのが良いかと思われます。
3)総じて、サプリをたくさん摂っている人は、一度その量を見直してはいかがでしょうか。新しいサプリを試すときは、「必ず少量から始めて」「今使っている他のサプリの量を減らすか止めるかしてから使う」のがオススメです。
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