短歌 冬の湯呑 5首 20 薄楽俊 2022年11月25日 23:41 妻のいぬ 土曜の午後の初しぐれ。くすぐってみる三毛の脇腹 薄日さす 海に沿ひたる城下町。知る人の訃ふひとつ 冬に入る ほのわびしとはこのことか。冬の湯呑の牛乳ミルクの皮膜 窓の外 木枯がいう。別れよと。漱石みたいねマスターの髭 すべてはなにもなかったごとくに冬紅葉 散るも散らぬも 初冬の無聊からやや恋への展開● 4首目は、喫茶店での淡々あわあわとした男女の逢い引き。 上の句は男の内面。下の句はその男の気持ちを正面から受けたくない女の セリフ。○ これまでつくった、連句や俳句、詩などともいろいろつながったり、アレ ンジしたりしてるのもあります。 自分のなかにあるものを、手を変え品を変え再生産していく、まあ表現 のリサイクル業者と思って、ご容赦ください。○ この5首の流れと内容は、根雨良光さんの「バブルが弾けた頃にブーム となるも泡と消えたポケベル…に感じる諸行無常」に少なからず触発され ました。とくに、引用添付されていた読売新聞の記事、緒形拳と裕木奈江 ちゃんの年の差恋愛ドラマの記事。合わせて読んでいただけると、いっそ う切ない冬を迎えられると思います。 ダウンロード copy この記事が参加している募集 今日の短歌 38,040件 #恋愛 #短歌 #自由詩 #今日の短歌 #現代短歌 #冬 #tanka #短歌連作 #jtanka #ひとり連句 20 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート