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【双裸玉】清貧裸玉が夢の跡 22.06.10.

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詰将棋創作者への注意

【背景】清貧持駒の裸玉はあるか?

1二玉|飛2桂4香

以前、脊尾詰を用いると偶然この図の単一解が得られたので、詰めあがり図から初手まで遡る方に向かって全検を試みたことがある。作意は初手▲3二飛の21手詰だが、どうやら▲4二飛以下のかなり長い余詰があるらしい。清貧持駒の完全作裸玉の夢は次に持ち越された。

清貧裸玉が夢の跡

初形図(解きたい方はここでSTOP)

しかしながら、1二玉|飛2桂4香の初手▲3二飛からの手順が割かし面白かったので何かしらの形で残そうと思った。それが「清貧裸玉が夢の跡」だ。早速、手順を見ていこう。

【初手~2手】
▲3二飛Ⓐ  ▽2二金Ⓑ
Ⓐ:限定打
Ⓑ:限定合

2図

2九玉を配したことによって▲4二飛以遠は▽2二香の逆王手で不詰となる。初手▲3二飛は限定打であり、玉方も▽2二金と限定合で応える。どうして他の合駒ではいけないのか?これはかなり後になってみないと分からない。次善の合駒は銀・角だが、その際は以下の手順で同手数駒余りになる。

▲3二飛  ▽2二X  ▲2四桂  ▽2三玉  ▲1五桂  ▽1四玉
▲2六桂  ▽2五玉  ▲3四飛成 ▽1六玉  ▲1七歩  ▽同 玉
▲1八飛  ▽2七玉  ▲3八龍  ▽2六玉  ▲2八飛  ▽1五玉
▲3五龍  ▽1四玉  ▲1八飛  ▽2三玉  ▲1二飛成(2図A)
まで同手数駒余り(23手;X=銀もしくは角)

(2図A)

▲1二飛成で詰みあがるため、合駒は金でなければならなかった。

【3手~10手】
▲2四桂   ▽2三玉   ▲1五桂   ▽1四玉
▲2六桂   ▽2五玉   ▲3四飛成  ▽1六玉

10図

桂の三連打などで1二→2三→1四→2五→1六と、玉がジグザグに落ちてくるのが何とも楽しい。因みに、4手目▽1三玉は次の手順で早詰になる。

▽1三玉以下、
▲1二飛  ▽同 金  ▲同桂成  ▽2三玉  ▲2二成桂 ▽2四玉
▲1六桂  ▽2五玉  ▲3七桂  ▽2六玉  ▲2五金  ▽2七玉
▲2八歩  ▽1七玉  ▲1八歩  ▽1六玉  ▲3六飛成
まで早詰(21手)

4手目▽1三玉は早詰

【11手~18手】
▲1七歩   ▽同 玉   ▲1八飛   ▽2七玉
▲2八歩   ▽2六玉   ▲2七歩   ▽同 玉

15手目▲2八歩に代えて▲3八龍(下図)でも詰みそうに見える。

15手目▲3八龍とした図

しかしながら、(2図A)の通り進めてはギリギリ詰まない。以下の手順で頑張っても大海へ逃げられてしまう。

▲3八龍  ▽2六玉  ▲2八飛  ▽1五玉  ▲3五龍  ▽1四玉
▲2五龍  ▽2三玉  ▲3二桂成 ▽同 玉  ▲2二龍  ▽4三玉
▲2三飛成 ▽5四玉(失敗図)

失敗図——詰まなかった理由は2五に利いていた3四龍を移動させてしまったためだ

さて、進めたここ8手のなかの面白いところは作意14~18手目(太字)で、▲2八飛とした際に2五までの利きを邪魔する2六桂を消去する意図がある。

15図——何とも重そうな歩打

▲2八歩が一見重たい手なので、思わず▲3八龍と不詰のルートへ向かいそうになる(かもしれない)。

18図——2六桂が残っていると飛車の利きを遮って詰みの邪魔をしていた

【19手~23手】
▲2八飛   ▽1七玉Ⓒ  ▲3七龍   ▽1六玉
▲2六龍Ⓓ  まで23手

Ⓒ:▽1六玉▲2五龍▽1七玉▲2七龍 まで変同(23手)
  ▽1六玉▲3六龍▽1五玉▲2五龍 まで変同(23手)
  ▽1六玉▲3六龍▽1七玉▲2七龍 まで変同(23手)
  手順を一通りにするため、▽1七玉の方を作意に選んだ
Ⓓ:▲3六龍・▲2七龍・▲2六飛からの最終手余詰(25手)あり

収束4手の変同があるのは甚だ残念だが、玉のジグザグ落下と邪魔駒消去の歩打の二要素が入っていて面白い双裸玉だと思う。

23図——詰めあがり図

スペシャルサンクス

窪田義行(空気から整えていく 環境派)峰王尊師:拙エレベーター詰に対して ”詐術的印象を与える” と迚も心温まる難癖を拝賜し、双裸玉を探索する契機を頂戴致しました

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