秋月春之介

佛弟子。メディア企業で30年以上記者・特派員・カメラマンなど報道セクションに従事し20…

秋月春之介

佛弟子。メディア企業で30年以上記者・特派員・カメラマンなど報道セクションに従事し2021年に別部署へ異動。2023年に定年退職してシニアスタッフに。趣味の読書はミステリー、佛道、ノンフィクション、人文系など。仕事を離れた文章を書くことの楽しさに目覚めてnoteデビュー。

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「文章を書く」愉しみ~自己紹介と過去記事(抜粋)

「文は人なり」といいます。定年を間近にして、これから会社以外の世間さまで出会うであろう人々に「私はこういう者です」と言えるような記事を書いていきたいと思っていま…

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シンプルな文章で独白を丁寧に綴る【感想文】「ブラックボックス」(群像2021年8月号)砂川文次

(ネタバレあり)芥川賞候補作「ブラックボックス」読了。芥川賞はまったく守備範囲ではないのだが、作者の砂川文次氏は元自衛官という経歴が気になって前回ノミネート作「…

秋月春之介
9時間前

カネで買える時間と優越感

 「東京のラーメン店に有料で予約を取るサービス」とテレビニュースで見た。「インバウンド需要を取り込むために」というくくりである。  予約の手数料はひとりあたり39…

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採血の朝の憂鬱と愉しみ

 血糖値が高いので、会社の診察室で定期的に採血をしている。  けさも10時に採血とあって、朝食を摂ることができなかった。腹は減るし、なによりジョギングもできないの…

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コンテンツの争奪戦

 ボクシングの井上尚弥の強さはおそろしいほどで、登場する試合はいつも大注目。そして今夜は元2階級王者で現WBC1位の“悪童”ルイス・ネリ戦だ。東京ドームのチケットが…

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ことしのGWの思い出

 還暦ともなると大型連休だからといって疲れる外出は滅多にしないし、新しいこともやらない。前半も後半も基本的に本を読む幸せにどっぷり浸っているだけだ。  それでも…

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粗製乱造本

 カレンダー通りの勤務体制なので、本日は連休後半の2日目。相変わらずの読書三昧になる。  今週はとんでもない駄本に当たった。  医者を名乗りながら自己啓発系書籍…

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スマホの保護フィルム問題

 なにしろ18万円以上した新品のiPhoneなので、タッチパネルに保護フィルムを貼り、レンズにもカバーを付け、ケースにも入れて、とにかく大切に守ってやることになる。それ…

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なーんにも考えずに漫然と仕事をしているな

 あるテレビ局で「アメリカの大学で反戦運動が拡がる」というニュースをやっていた。中東で続く武力紛争でイスラエル寄りの立場を取るバイデン政権への抗議活動では、大学…

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軽さは“正義”

 きょうの東京は雨で、午後4時の東京アメダスは14.7度。オフィスに籠っていて体感はしていないが、外はかなり肌寒いのではないか。  実は雨の日がそんなに嫌いではない…

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故郷を廻る六部は…

 私の実家は都心のターミナル駅からおよそ30分、都下の新興住宅地にある。両親は健在だが、ドア to ドア30分通勤に慣れてしまうと滅多に行くことがない街になっている。 …

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ファンタジー小説考

 本屋大賞にノミネートされていた多崎礼「レーエンデ国物語」の第1巻を先日読了した。SNS読書メーター方面でもやけに好評とあって図書館で予約をしていたもので、現在は第…

秋月春之介
10日前
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体調不良のあかし

 19日(金)のナイター観戦をきっかけに引いた風邪。1週間が過ぎてようやくほぼ抜けたようだ。それにしても若い頃は3日で抜けたものがここまでグズグズと長引くのもトシの…

秋月春之介
11日前
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ああ、GWか

 9 to5でカレンダー通りの勤務なので、一応きょうからゴールデンウィークということになる。  「一応」と書いたのは、ことしの暦の関係で来週は3日間出社があること、…

秋月春之介
12日前
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夢中で読んだ傑作!【感想文】「同志少女よ、敵を撃て」逢沢坂冬馬

 なんてこったい。2021最後にすげえモンを読んでしまった。  アガサ・クリスティ賞選考委員全員満票も伊達じゃない。本書の魅力は法月綸太郎氏の選評が簡潔に記したもの…

秋月春之介
13日前
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気力も体力から

 週末から始まった風邪はあれよあれよと坂道を転げ落ちるように悪化して3日も会社へ行かずに「テレワーク」となってしまった。  それにしてもすっかり市民権を得たなあ…

秋月春之介
2週間前
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「文章を書く」愉しみ~自己紹介と過去記事(抜粋)

「文章を書く」愉しみ~自己紹介と過去記事(抜粋)

「文は人なり」といいます。定年を間近にして、これから会社以外の世間さまで出会うであろう人々に「私はこういう者です」と言えるような記事を書いていきたいと思っています。しかし・・・

苦労した駆け出し時代サラリーマン記者として昭和の終盤からニュース原稿を書いてきました(キャリアの中ではカメラマンなどもやりましたが)。大きな枠としてはこれも「文章を書くこと」ですが、宿命として取材と執筆を両立させる必要が

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シンプルな文章で独白を丁寧に綴る【感想文】「ブラックボックス」(群像2021年8月号)砂川文次

シンプルな文章で独白を丁寧に綴る【感想文】「ブラックボックス」(群像2021年8月号)砂川文次

(ネタバレあり)芥川賞候補作「ブラックボックス」読了。芥川賞はまったく守備範囲ではないのだが、作者の砂川文次氏は元自衛官という経歴が気になって前回ノミネート作「小隊」から注目している。本作前半はメッセンジャー業務についてのあれこれが丁寧に描かれて面白い。後半は刑務所に入った主人公の内省と独白に磨きがかかって、さらに読み応えがあった。徹底的に刈り込まれた文章が心地よい。他の候補作は未読だが、芥川賞選

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カネで買える時間と優越感

カネで買える時間と優越感

 「東京のラーメン店に有料で予約を取るサービス」とテレビニュースで見た。「インバウンド需要を取り込むために」というくくりである。

 予約の手数料はひとりあたり390円。ホテルのコースではない1杯1000円程度のラーメンではなかなか割高に見えるが、客はインタビューに対して「カナダドルで3~4ドルだし、時間がをかけずにすぐに食べられるので気にならない」と答えていた。こんなところにも円安の“効果”が現

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採血の朝の憂鬱と愉しみ

採血の朝の憂鬱と愉しみ

 血糖値が高いので、会社の診察室で定期的に採血をしている。

 けさも10時に採血とあって、朝食を摂ることができなかった。腹は減るし、なによりジョギングもできないので朝にやることがなく、手持ち無沙汰である。「それならギリギリまで寝てればいいじゃないか」と思うものの、自動的に目が覚めてしまうのが還暦なのだ。

 採血後は会社そばのマクドナルドに駆け込んでの朝食だ。これだけが楽しみという残念な朝。

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コンテンツの争奪戦

コンテンツの争奪戦

 ボクシングの井上尚弥の強さはおそろしいほどで、登場する試合はいつも大注目。そして今夜は元2階級王者で現WBC1位の“悪童”ルイス・ネリ戦だ。東京ドームのチケットがほぼ完売というのだから、すごい。

 井上戦については地上波テレビに出てこないのがアタリマエになった。きょうはAmazonプライムの独占中継だ。たまたま加入しているから楽しませてもらうが、「つまり課金がいやなヒトは見られない時代になった

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ことしのGWの思い出

ことしのGWの思い出

 還暦ともなると大型連休だからといって疲れる外出は滅多にしないし、新しいこともやらない。前半も後半も基本的に本を読む幸せにどっぷり浸っているだけだ。

 それでもあとになってことしのGWを思い出すなら、こんなことになるのだろうか。

 長男がきょう入籍をする。披露宴をやらずに両家の食事会だけだったので、きょうが結婚記念日になるのだろう。「おい、記念にきょうの新聞の朝刊を取っておいたらどうだ?」とア

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粗製乱造本

粗製乱造本

 カレンダー通りの勤務体制なので、本日は連休後半の2日目。相変わらずの読書三昧になる。

 今週はとんでもない駄本に当たった。

 医者を名乗りながら自己啓発系書籍をたくさん書いている方が、読書の効能や技術を説いているもの。これが酷い。ダラダラと同じことを繰り返すだけでなく、自分がいかにスーパーマン的な業務量をこなしているか、自分の過去の著作がいかに評判になったかを延々と綴るだけだ。

 この方の

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スマホの保護フィルム問題

スマホの保護フィルム問題

 なにしろ18万円以上した新品のiPhoneなので、タッチパネルに保護フィルムを貼り、レンズにもカバーを付け、ケースにも入れて、とにかく大切に守ってやることになる。それぞれにチャリンチャリンと費用がかさむが、仕方がないと思うしかない。

 機種変更からまだ半年だというのにレンズカバーが割れていることに気づいた。同じ製品を買えばまた割れる心配もあろうかとケース本体から買いなおしたところ、こちらはレン

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なーんにも考えずに漫然と仕事をしているな

なーんにも考えずに漫然と仕事をしているな

 あるテレビ局で「アメリカの大学で反戦運動が拡がる」というニュースをやっていた。中東で続く武力紛争でイスラエル寄りの立場を取るバイデン政権への抗議活動では、大学に警察が踏み込んで逮捕者が出るまでの騒動になっている。

 このニュースではこの騒動が11月の大統領選挙に与える影響について専門家のインタビューもやっていた。事態を伝えるだけでなく多面的な切り口を提示する姿勢は素晴らしい。

 ところが。

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軽さは“正義”

軽さは“正義”

 きょうの東京は雨で、午後4時の東京アメダスは14.7度。オフィスに籠っていて体感はしていないが、外はかなり肌寒いのではないか。

 実は雨の日がそんなに嫌いではない。先日ネットで購入した傘が快適なためだ。

 とにかく軽い。骨がグラスファイバー製で重さはわずかに300gしかない。雨で差していても、丸めて持っていても、これだけ軽いと苦にならない。

 折り畳み傘も超軽量タイプを鞄に常備しているが、

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故郷を廻る六部は…

故郷を廻る六部は…

 私の実家は都心のターミナル駅からおよそ30分、都下の新興住宅地にある。両親は健在だが、ドア to ドア30分通勤に慣れてしまうと滅多に行くことがない街になっている。

 41年前のアルバイトで一緒だった仲間を中心とするメンバーとはその後も付き合いが続いていて、昨日はその都下の街に7人が集まった。

 なにしろ全員が60歳を超えた。つい先月に定年退職した者、孫が生まれた者、定年後も赴任地で再雇用さ

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ファンタジー小説考

ファンタジー小説考

 本屋大賞にノミネートされていた多崎礼「レーエンデ国物語」の第1巻を先日読了した。SNS読書メーター方面でもやけに好評とあって図書館で予約をしていたもので、現在は第2巻の冒頭100Pあたりである。既刊は4巻で、5巻で完結する構想だそうだ。

 うーむ。

 そもそも私はファンタジーというものがまったくダメ。「架空の竜や魔法使いが活躍して、それが何なのだ?」と思っている。「それを言ったら、どんなジャ

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体調不良のあかし

体調不良のあかし

 19日(金)のナイター観戦をきっかけに引いた風邪。1週間が過ぎてようやくほぼ抜けたようだ。それにしても若い頃は3日で抜けたものがここまでグズグズと長引くのもトシのせいだと思う。クリニックで処方された薬はもう服用をやめた。それでも身体の芯には疲れと不調は残っている。

 けさは目が覚めたのが7時半だった。ここ数年はアラームをセットしなくても6時半には起きちゃうのが常であり、こんな時間まで寝ているの

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ああ、GWか

ああ、GWか

 9 to5でカレンダー通りの勤務なので、一応きょうからゴールデンウィークということになる。

 「一応」と書いたのは、ことしの暦の関係で来週は3日間出社があること、家族そろって行楽へなどという年回りはとっくに終わっていること、先週来の風邪がまだ完全には抜けきっていないので体力の回復と温存が最優先という気分であること、などからだ。

 テレビニュースで「出国のピークです」というのを見せられても「あ

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夢中で読んだ傑作!【感想文】「同志少女よ、敵を撃て」逢沢坂冬馬

夢中で読んだ傑作!【感想文】「同志少女よ、敵を撃て」逢沢坂冬馬

 なんてこったい。2021最後にすげえモンを読んでしまった。

 アガサ・クリスティ賞選考委員全員満票も伊達じゃない。本書の魅力は法月綸太郎氏の選評が簡潔に記したものに尽きるが、ストーリー、キャラクターの成長と変遷、内面描写、世界観のすべてが素晴らしい。外国勢なら映像作品化も可能か。
 あちこちで言われているが、新人作家がこんな傑作を書いてしまうと、この先はどうするのか?この作品を超えることが作家

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気力も体力から

気力も体力から

 週末から始まった風邪はあれよあれよと坂道を転げ落ちるように悪化して3日も会社へ行かずに「テレワーク」となってしまった。

 それにしてもすっかり市民権を得たなあ「テレワーク」。たとえ「ワーク」ができなくでもなんとなく「家で頑張るのでよろしく」的な弁解ができている(自分の中で)。

 特に火曜日の午後には激しい頭痛があってとても仕事どころではなかったのだ。一転してほぼ回復した昨日は朝からしっかり仕

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