「ものづくり」を尊敬する気持ち

私は、ものを作る人や、作られたものに対して興味がある。

一口にものと言っても非常に幅広いが、

絵や木工等の芸術系のものから、
デザイン性と性能とを考え抜かれた車、
はたまたもっと細かいロケットの部品に至るまで、

ものを作るために情熱を持って地道な創意工夫を積み重ねる人、
そしてそんな人たちのアイデアや手作業等によって作り出されるものが
私にはとても格好良く思えて、好きだ。

就職活動ではものづくり系の企業を多く受けていたけれど、
結局入社することにしたのは、間接的にものに携われそうな企業だった。
(実際にはメーカーではないので、ものとの関わりは薄かったが、、、。)

その会社での日々で、私は改めてものづくりに興味があり、
ものづくりに携わる人に対して尊敬の念のようなものまで抱いていると実感した。

その二つの経験について、書きたい。

①新聞紙タワー作りのワークでのかなしみ

まず、新入社員研修で行われた、とあるグループワークでのこと。

そのワークでは、制限時間以内に、与えられた新聞紙とセロハンテープを使って、ゴルフボールが乗る範囲でいかに高いタワーを作ることができるかを試みるものだった。

それまでの研修と違い、実際に手を動かして何かを作れる機会に、
私は密かに心躍った。
こんな研修ばっかりでいいのに、、、とすら思った。

しかし、始まる前のワクワク感は一転、その作業で私はかなしみを味わうことになるのだった。

まず、ワーク開始と共に、
私はどういう構造のタワーを作りたいか、
強度を増すにはどうすればいいか、
作業をどうやって振り分けるか等の話し合いを行うと思っていた。

でも実際には、話し合いという話し合いもなく、
驚くほどの早さで、他の4人のメンバーは真っ先に手を動かし始めた。

え、みんな何作ってるの???(心の声)

私が半ば唖然としているうちにも、新聞紙は土台といえるほどの土台無しで、セロハンテープで机に直貼りされていっていた。

「強度を考えないとだから、支柱を立てて、それを補強する柱があった方が・・・」
とそれとなく話したが、
私は他のメンバーに比べて圧倒的に押しが弱かった。笑

「小さい声は届かないとはこのことか・・・」と空しくなりながらも、

このタワーは崩壊するという予感が拭えなかった私は、
割と話を聞いてくれるメンバーと二人で、

万が一のためのミニタワーを制作することにした。

結果的に、この選択が生きた。。

メインのタワーは高さだけはあるものの、土台の弱さがダメージとして大きく、ゴルフボールを乗せるだけの耐性はなかった。

そこで、ミニタワーの方にボールを乗せ、そちらの高さの記録が採用された。

ミニタワー、作っといて良かったな、と思いつつ、

私は何とも言えないかなしみに包まれていた。

このメンバーは、あまりものづくりに興味がないんだ。。。

土台が大事とか、どうやって強度を高めるかとか、
どんなタワーにしたいかとかそういうことは私ほど気にならなくて、

ただ高いものをワイワイ作って、結果的にタワーが倒れても笑って流せる人たちなんだ。。。

かなしい。

と一人心の中で呟きながら、
私って割とものづくりに真剣に向き合いたい気持ちがあるんだな、と気づいたのだった。


②ものづくりの中小企業を訪問した際のこと

次は、少数精鋭という言葉がぴったりな、
宇宙産業や医療の分野、はたまた広告事業まで幅広く手がける
とあるものづくりの中小企業に研修の一環で訪れた際のことだった。

実際のロケットに使われたという小さな部品や、
自社の技術力を見せるために制作された非常に細かく美しい部品を
目にして、私は静かに感動していた。

その後、作業を行っている場を見学させてもらいながら、
ものと対峙して、集中して作業している社員の方々を見て、

格好いいなあ、と素直に感じた。

ものづくりって、それに傾けられる人の情熱って、いいな。

そう改めて思ったのだった。

しかし。

驚いたのは、その後、御礼のメールをその企業に送る際のことだった。

私と共に訪問した同期の人がそれを担当したのだが、
その人が、「なんか書くことないなー」と言い放ったのである。

、、、。

え!!!

私があんなにも感動していた間、あなたの心は全然動いていなかったのか!?

そのことに心から驚いた。

人って、そりゃ興味持つところ違うだろうけど、
それでもあの丁寧な説明を受けて、
美しさすら感じる部品を目にして、手にして、

それで書くことが思い浮かばないのか、、、??

違いにただただ驚きを覚えながら、
私は再度、自分の中にある、ものづくりへの興味を確かめることとなった。


以上、二つの経験を通して、
やっぱり私はものづくりする人を尊敬しているし、
作られたものに心動かされることがあるのだと感じた。

これから個人的に学ぼうとしていることは、
デザインに関することなので、私の興味に近いと思う。

今後どうなっていくかは分からないけれど、
自分の興味関心を大切にして、
情熱を傾けられるもののなるべく近くで働きたいな、生きていきたいな、と考えている。

お読みいただき、ありがとうございます。

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