【詩】縺

文章のふりをした順列みたいな悪夢だ。
よく眠るのはつまり、なかば仮装するような調子で、生から逃げたがっているということ。死は、いつでも同じ場所で光っている三等星みたいなものだと思っていた。それなりの輝き、よだかのように悲劇的でも鮮烈でもないけれど、その脇で光っていることが赦されるくらいの、それくらいの担保された輝き。そういう風に、生きているかぎり軽々しく憧れられるものだと思っていたからこそ、僕は生きていられた。生きていられたのに、けれど本当は、まるっきり解読不能になること、それこそが死というものであるような気がして、僕はもう死にただ憧れることさえ出来ない。
縺れるように、解体されて、でたらめに再構成されて、また混ざりあう、夢に見たみたいに、でたらめな文字列になって、いつしか僕は土葬される。

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