怪獣をつかう者 画像版 142話 B

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「うん。アリゲーターですね。ちょっと種類までは何とも断定しがたいですけど」

「……どうやらここに来た甲斐はあったな?」伊東は神白を振り返って、微笑みながらそう言った。

「ワニにしては口が短くないですか?」神白は聞いた。

「そこは加工をしているかも知れないし」と、伊東は言った。

「いえ、アリゲーターは

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怪獣をつかう者 画像版 141話 B

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「この絵の生き物を探してるんですが」と、伊東は怪獣の絵を見せて言った。

「ああ」と飼育員は言った。「ワニね。うちにもいますよ」

「ワニ?」

「ワニはあそこ」飼育員は振り返って、人だかりができている大きな水槽を指した。「うちは『メガネカイマン』と『ブラジルカイマン』の2種がいます。この絵のは……うーん、

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怪獣をつかう者 画像版 140話 B

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確かに、ガラスを叩きたくもなる。動いていない生き物を眺めるのは、どうにも味気なかった。

「これは近くない?」
伊東は『トカゲモドキ』の水槽の前で言った。

「さあねえ」神白は曖昧に頷いた。「体形は確かにそうだね……左足に怪我をしていれば、間違いないわけだよね」

「そうそう」伊東は左足を覗き込もうとしてガ

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怪獣をつかう者 画像版 139話 B

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「だいぶ違うね」神白は言った。「少なくともカメレオンではないね」

「よし、次行こう」

「このやり方で見つかるのかなあ」

「どうだろうな。まあここは、手っ取り早く近いというだけの理由で来てるからな。いきなり当たりが出るとは期待してない……どう?」
伊東はニシキヘビの水槽の前でまた立ち止まった。

「いや

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怪獣をつかう者 画像版 138話 B

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自動ドアをくぐるとすぐにひんやりと肌に張り付くような空気が出迎えた。照明が弱いせいか、なんとなく洞窟のような雰囲気でもある。丁度、最初のカメの水槽の前にツアー客が集まっており、コンダクターが中国語で何かを説明していた。

「ここは後回しにしよう」と言って、伊東はその人だかりの後ろを回り込んだ。「カメは甲羅が

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怪獣をつかう者 画像版 137話 B

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「そうなんだ。へえー」伊東はわざとっぽく頷いた。「まあ、どうしても見たきゃ、君ひとりで一周してくればいい。僕は休んでるから」

「君は興味の方向性がおかしいって、絶対に。ねえ、ほら、あっち『カピバラさん』だよ。可愛くない?」

「可愛くはないなあ。カピバラってカバだよね?」

「違う違う。ネズミだよ……いや

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怪獣をつかう者 画像版 136話 B

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「え、クリアファイルとかじゃないの?」

「クリアファイルか……だったらいらないな」

「こういうのって、スタンプ押すのが楽しいんでしょ、たぶんだけど」伊東は言いながら、オウムやテナガザルやリスの檻の前を、目もくれずに素通りしていった。

ほとんどの客が檻の前で写真を撮ったり、見えやすい位置が空くのを待って

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怪獣をつかう者 画像版 135話 B

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開園時間前に着いたらまた駐車場で待つつもりだったが、渋滞につかまって思ったよりも時間を取られ、結局は丁度良い時間に到着した。

チケット売り場前はそれなりに混雑しており、半数は家族連れやカップル、もう半数は中国人のツアー客だった。
小学校の行事で来たきりだったので、どうしても「子供が行く場所」というイメージ

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怪獣をつかう者 3章-2

←前回

これまでのあらすじ:謎めいた怪獣の3D映像上映ショーを繰り返す「リーダー」たちに、神白は3度目の接触を試みる。伊東の推理と調査によって判明した「怪獣のモデルとなったワニ」の存在を問いただすと、リーダーは顔色を変え……

2.

神白は窪地の斜面をよじ登りながら、ここを降りてきたときよりも遥かに興奮していた。

あのリーダーが口を滑らせた。
伊東の推測が当たっていたのだ。

傷のあるワニは

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怪獣をつかう者 画像版 134話 B

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伊東も黙って受け取り、開けて一口飲んでから「なんか暑くなりそうだね」と言った。「熱中症の警報が出てる。行楽日和とは言えないな」

「動物園って、だいたい屋外だよね……」これ以上暑くなるのかと思うと、行く前から疲労感をおぼえた。

「爬虫類は爬虫類館だよ。あそこは涼しいはずだ。だから真っすぐそこに向かって、そこ

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