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『世界の医療標準からみた受けてもムダな検査 してはいけない手術』(室井一辰著,洋泉社,2019)(25回) 腰痛の検査───腰痛の検査に待った! 検査は当たり前ではない/腰痛のレントゲンには風当たり強し/ぎっくり腰でも考え方は同じ

腰痛の検査───腰痛の検査に待った!
検査は当たり前ではない

 人は背骨を立てて、2本の足で歩いています。背骨は上から頸椎、胸椎、腰椎となり、この腰椎付近に痛みを感じるのがいわゆる腰痛となります。日本人がかかえる自覚症状の中で、何が最も多いかという話で必ず出てくるのがこの腰痛です。自覚症状の割合でいけば、まず男性で最も多いのが腰痛で、おおむね10人に1人が腰痛持ちであることが厚生労働省の調査から

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『世界の医療標準からみた受けてもムダな検査 してはいけない手術』(室井一辰著,洋泉社,2019)(24回) 頭痛の検査──やるならMRI もはや国民的な症状・頭痛/やるならばCT検査よりもMRI検査

頭痛の検査──やるならMRI
もはや国民的な症状・頭痛

 頭痛は文字通り頭が痛くなる症状。この頭痛というのは症状であって、病気ではありません。背景にはさまざまな原因があります。厚生労働省の国民生活基礎調査によると、男性では2・1%、女性では5・1%が症状をかかえていると報告されています。女性であれば20人に1人が頭痛という計算になり、女性のかかえる症状としては肩こりや腰痛などに続き5位となってい

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『世界の医療標準からみた受けてもムダな検査 してはいけない手術』(室井一辰著,洋泉社,2019)(23回) 頭の外傷や腹痛の検査──そのCT検査は必要ですか? 頭を打ったからとりあえずCT、は間違い

頭の外傷や腹痛の検査──そのCT検査は必要ですか?
頭を打ったからとりあえずCT、は間違い

 転倒するなどして頭を打ったときに、脳へのダメージがないか心配になる、というのは一般的な反応だと思います。大人だと意識がはっきりしていればそこまで心配はしないかもしれませんが、強いダメージを受ければやはり後遺症などの問題がないかと気になるときもあるでしょう。
 一方で、自分の子供が頭を強打したようなときに

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『世界の医療標準からみた受けてもムダな検査 してはいけない手術』(室井一辰著,洋泉社,2019)(22回) 骨粗鬆症の検査──骨密度の検査は繰り返してもムダ 日本では10人に1人

骨粗鬆症の検査──骨密度の検査は繰り返してもムダ
日本では10人に1人

 身体を支えるのに欠かせない骨は、年を取るにつれ強度が落ちていきます。骨密度という骨の量が減ることで起こるのが、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)と呼ばれる病気です。この病気の問題は、骨が弱くなることで、骨折が起こりやすくなる点です。特に太ももの骨である大腿骨の付け根の部分が折れてしまう「大腿骨頸部骨折」や背骨を形作る脊椎が折れ

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『世界の医療標準からみた受けてもムダな検査 してはいけない手術』(室井一辰著,洋泉社,2019)(21回) 避妊──ピル処方に膣内診は必要? 妊娠を避けるためのごく一般的な方法

避妊──ピル処方に膣内診は必要?
妊娠を避けるためのごく一般的な方法

 女性の医療について大事なことをもうひとつ。妊娠を避ける、つまり避妊にまつわる検査についても、今の日本で一般に行われているものに対して疑義が付されています。そもそも妊娠とは、受精から出産までのプロセスで、精子が卵子と融合して受精卵となり、子宮の中に着床し、胎児が育ち、出産に至るまでを指すもの。妊娠するためには女性の卵巣で卵子が

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『世界の医療標準からみた受けてもムダな検査 してはいけない手術』(室井一辰著,洋泉社,2019)(20回) 子宮頸がんの検査──毎年、綿棒で細胞を取る必要はない/異常な細胞を探す「パップ検査」

子宮頸がんの検査──毎年、綿棒で細胞を取る必要はない
異常な細胞を探す「パップ検査」

 子宮頸とは、子宮の出入り口にあるくびれたトンネルの部分ですが、ここにヒトパピローマウイルスという性感染症のウイルスが定着すると、がんにつながる場合があります。こうして発生するのが、いわゆる子宮頸がん。ウイルスが正常な細胞をがん細胞に変えてしまう、という病気です。
 国立がん研究センターのデータによると、生涯で

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告知・『絶対に受けたくない無駄な医療』ラボを10月開設

Campfireさんからご提案を受け、10月よりオンラインサロンを開設することにいたしました。手探りですが、毎月会を開きながら、無駄な医療の世界について一緒に考えてくださる方を募っていければと思っています。

イメージですが、人がおおむね80人集まりましたら、専門の情報発信サイトなどを作ることができるなど、活発に情報発信ができるのではないかと考えております。また、有識者をお呼びしたり、書籍発行など

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『世界の医療標準からみた受けてもムダな検査 してはいけない手術』(室井一辰著,洋泉社,2019)(19回) 卵巣がんの検査──検査の意味がないことも/見つかりにくく、見つかったときには進行しているケースも多い/何もないのにがんだと疑われる危険/米国の公的機関も「推奨できない」

卵巣がんの検査──検査の意味がないことも
見つかりにくく、見つかったときには進行しているケースも多い

 卵巣は、女性が卵子を作る臓器です。卵巣がんは、この卵巣や卵巣の周囲にがんができる病気です。卵巣がんは、女性で最も多いがんである乳がんほどかかる人が多くはありません。国立がん研究センターのデータによると、生涯で乳がんにかかる女性は11人に1人であるのに対して、卵巣がんは84人に1人。それぞれの原

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『世界の医療標準からみた受けてもムダな検査 してはいけない手術』(室井一辰著,洋泉社,2019)(18回) 前立腺がんの検査――検査には賛否両論あり! 最も多い男性のがんだが……/そもそも検査する意味はない?

前立腺がんの検査――検査には賛否両論あり!
最も多い男性のがんだが……

 男性であれば、「前立腺」についてどこかで聞いたこともあるかもしれません。男性の生殖器はいろいろな部分から成り立っていますが、その一部である前立腺は、ムダな医療行為が疑われているという意味では注目されている体の部位でもあるのです。
 そもそも前立腺とは何でしょうか? 前立腺は股の間にあって、精子を泳がせる「プール」になる場所

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『世界の医療標準からみた受けてもムダな検査 してはいけない手術』(室井一辰著,洋泉社,2019)(16回) 大腸がんの検査――大腸カメラは10 年に1回で十分 死亡に至るがんだけに心配だけど、検査はどれくらい念入りに行えば?

大腸がんの検査――大腸カメラは10 年に1回で十分
死亡に至るがんだけに心配だけど、検査はどれくらい念入りに行えば?

 大腸は、どこか腸の最後の部分、ということは知っている方もおられることでしょう。厳密に言えば、大腸は大きく3つのパートに分かれています。口に近い方から、盲腸、結腸、直腸と呼ばれます。便を作り、水分を吸収するといった機能を担っています。この大腸に、がんができることがあります。大腸が

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