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[映画感想]スターリングラード(1993)[感想,批評,レビュー,あらすじ]

スターリングラードの戦い

 スターリングラードはロシアの都市である。第二次世界大戦時、ドイツ軍はポーランドを占領した後、ロシアに進軍したあたりの場面が映画になっている。ハンス・フォン・ヴィッツラント少尉がフリッツ・ライザー伍長の所属している部隊に配属される。ハンス・フォン・ヴィッツラント少尉は実戦経験がなく、経験を積んだ下士官や兵士にからかわれるも、物語が進むにつれて仲間意識が芽生え溶け込んでいく。一緒に戦地へ赴いた仲間たちは次々に減る。プロパガンダ映画ではない、戦争の負の面を表現したい映画に頻繁にみられる表現である

ロシア民間人を撃てと指示されるドイツ兵

 ドイツ軍として、つまりナチスドイツに従い戦地に赴いた兵は、全員がナチスを支持していたわけではない。この映画ではハラー大尉が悪役として描かれている。そのハラー大尉に、フリッツ・ライザー伍長は、罪のない子供を含んだロシア民間人を処刑せよと命じられ引き金を引く。戦争の中でだえれも彼もおかしくなっている。ハラー大尉は元々悪党だったのか、それとも戦争がハラーを悪党にしたのか。毎日鳴り響く銃声は、人間を人間ではなくすということなのかもしれない

残酷な描写から読み取れるものは

 悲劇ばかりの戦争映画は何を伝えたいのか。戦争をやめようという主張があるのは違いない。仲間を誤射してしまう、一緒に過ごしていた兵士が1秒後にはいなくなっていまう、戦争で感じるストレスの中で正気を保つのは難しそうである
 YouTubeチャンネルのジオヒストリー世界見聞録社會部部長を私はよく見る。見ていて思うのが、地球上では常に戦争が起きているということである。現代日本のように、戦争が何十年も起きていないというのは稀であり、平和であるということは、歴史上珍しい。それだけで日本人は幸福であると捉えることができる。兵役もない、戦争の影もない今ではその幸福に気が付くのは難しい
 バッドエンドであり、明るいシーンはほぼないが、私は面白く観れた

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