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薬は心の杖

ここを読んでくれている人の中には、何らかの病気を抱えて悩んでいる人や、つらい思いをしている人もいるのではないかと思います。
私もそのひとりで、脳がバグを起こしているので、メンタルの病気やストレスが元となってかかる病気をいくつも持っています。
隠し立てしても仕方ないので、就職活動をするとき以外はクローズにすることもなく、こうして大っぴらに書いたりしています。

実は8月に、今就いている仕事がトリガーになり、適応障害を発症して会社を2週間休みました。
前職で経験した、緻密な校正の厳しい現場のことを思い出し、間違いがないかどうか、強迫的に何度も何度も確認してしまったり、不安感から仕事が出来なくなってしまったのです。
それで、いつものように心療内科の主治医に相談したところ、抗不安薬を2種類に増やすことで対処して、しばらく様子を見ようということになりました。
薬はレキソタン5ミリとグランダキシン1ミリ。
この、グランダキシン1ミリがなかなかにいい仕事をしてくれて、びっくりするくらいに不安感が薄れるので、これで行けるかなあとその時は思っていました。
でも、私の脳や神経のバグは一筋縄ではいかず、ある時薬を飲んでも不安で不安で、文字通りの涙目になりながら仕事をこなさなければならず、とてもつらかったので、また主治医に相談しに行きました。
「リフレックスとサインバルタは目一杯出てるし、ビプレッソも6錠だもんなあ……。」
と考え込む先生と、答えを待って黙る私。
そこでひねり出された秘策が、トップの写真にあるエビリファイ1ミリでした。
これを起床時に飲んで、それから朝食、という流れになりました。
実を言うと、エビリファイは線維筋痛症の疑いが出たときに中止した薬です。
それまで長年使ってきて、2年前に止めなければならなかったとき、ものすごく不安だったのを思い出します。
その薬を1ミリだけ、慎重に使うことになったのです。
以前よりもぐっと少ない処方量だし、きっと大丈夫。
それより今の不安感のほうがずっとつらい。
とりあえずそうやって飲んでみようということになり、飲み始めたのが8月の終わり。
飲み始めて1ヶ月が経ちましたが、たった1ミリの薬がいい仕事をしてくれて、仕事に向かう時の不安感はかなり抑えられています。

よく、メンタルに関するお薬は、あまり飲まない方がいいとか、減らした方がいいとかいろんなことを言う人がいますが、そういう物言いはあまり気にしない方がいいと私は思っています。
もちろん、状態が良くなったら、主治医と相談しながら少しずつ減らしていくのは大切なことだけれど、薬が必要な状況なのに無理して薬を飲まないとか、止めてしまうのは得策ではないと思うのです。
例えば、足が骨折している人に杖がない状態で歩けと言わないし、耳が聞こえにくい人は補聴器があったほうが、毎日暮らしやすいと思います。
それと同じように、メンタルの病気を患っている人にとって、処方される薬は心の杖のようなものだと私は思っています。
薬を飲まないとやる気が出ず、何も手につかず、横になっているしか出来ないとか、生きた屍みたいな生活を送るくらいだったら、薬を飲んで普段どおりに動けたほうが、ずっと心地よい暮らしが送れるはずだと思うのです。
むしろ、ちゃんとした薬物療法を取り入れることを拒否して、代替療法だけで済ませようとすることのほうが危険だと思うし、そこにはいろんな罠がひそんでいるようにも思うので、見極めて判断できる状態に自分がないと、無駄なものにすがることになってしまうと思います。

今、これを読んでいる人にも、抗不安薬や抗鬱剤を飲むのが嫌だなと思っている人、いると思います。
でも、薬物療法、とても大切です。
それが落ち着いたら動かさず、その上でカウンセリングやセラピーをプラスしていくのが王道だとも思うので、まずは心を安定させることを第一に考えたいですね。
私も、いろんな薬をたくさん飲んでいて、薬専用のバッグを持っているくらいですが、大丈夫。
薬は心の杖のようなものなので、生きにくいときには思い切り頼っていいのです。
寛解が近づけば自然と薬が必要なくなってきます。
周りの言うことを気にせずに、主治医の言うことを守って寛解を目指していきましょう。

どうかお互いに、気持ちよく生きていける未来を目指して、毎日を過ごしていきたいですね。
無理せずゆっくりと、進んでいきましょう。

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