見出し画像

チームラボ「こびとが住まう黒板」を体験

週末に家族で徳島県にあるゆめタウン(ショッピングモール)へ出かけた。私は香川県在住だが東の方のため、香川県のゆめタウンも徳島県のゆめタウンへ行くのもそう時間は変わらない。夫がとある店で用事を済ませている間、暇を持て余した私と息子(6歳)、娘(3歳)は、本屋の絵本コーナーに行ったり、おもちゃを見たりして時間をつぶしていた。


ただの休憩のつもりが、クリエイティブな時間となる

そこで子どもたちが自由に遊べるスペースを発見!お世辞にも広いとは言えず、低い低い滑り台が1つあるだけの簡易のスペースだが、とてもありがたい。子どもたちは真っ先にそのスペースへ向かい、靴を脱ぎ捨て入っていく。私はショッピングモール内で歩き疲れたので側で座って休憩しよう、と思った時、目に入ってきたのは大きなスクリーン。そこに向かって我が子以外にも4〜5人の小さな子どもたちが大きなスクリーンに向かって夢中で手を伸ばしている。あれは一体何?

そのスクリーンの上には「こびとが住まう黒板」とある。
以下、説明があった。
『この黒板は、こびとたちが住んでいる黒板です。
こびとたちは黒板の中を歩いていて、こちらには気づきません。
しかし、こびとをタッチしたり、浮遊するシャボン玉をタッチすることで。黒板の中の世界は変化していきます。
こびとたちはすべったり、ジャンプしたり、よじ登ったりして、大喜びで遊びます。』
下には「チームラボ」のロゴマーク。

この説明を読んだだけでは『?』となってしまいそうだが、目の前にいた子どもたちは不思議なくらいすんなりと理解し、こびとたちと遊んでいた。
後になって気づいたが、この説明は漢字混じりでふりがなは無い。もちろん説明を読んだ上で理解し、遊び出した子どもは居ない、ということになる。

自分が描いた線で世界が変化していく

どういうことかというと、大きなスクリーンの中でたくさんの小さなこびとたちが列になって歩き回っている。それらはアニメーションになっていて、もちろんこちらではコントロールは出来ない。が、スクリーンがタッチパネルになっていて直接指で線を描くことができ、例えば地面から上に向かって坂道になるような線を描くと、なんとそのこびとたちは今描かれた坂道を上がっていくのだ。そしてこびとたちは上り詰めたその線の先から次々と落ちて、また歩き出す。しばらくするとその線は自然と消える。

空には雲が浮かんでいる。その雲をタッチすると、雨が降り出す。その雨雲の下に横線を1本描くと、傘のように雨を避けることができる。
こびとたちの列の途中に家のような四角い壁を描くと、こびとを閉じ込めることもできる。遊び方は無限大だ。

自分が描いた線で雨をストップ!

言葉が要らない、共に創る場

私がそれを見て一番驚いたことは、子どもたちが特に何の説明も受けずに遊び方を理解しているところだ。そしてそれを特段驚きもせず写メを撮りまわることもせず(はい、私です)、すんなりと受け入れ、なんとも落ち着いた空間なのである。見知らぬ子ども同士が6〜7人、線を繋ぎあってこびとを空高くまで連れていったり、雨を降らし続ける子、雨が降れば誰かが傘を描き、時々現れるハシゴや炎との展開を楽しんでいた。
さすがチームラボ!これぞアートの力だと思った。
老いも若きも、男女も、年齢も、国境も超え、共に楽しめる。なんとシンプルで面白い作品!明確なゴールがないからこそ、ゆるやかに様々な様子が垣間見れた。

子どもたちにすんなり受け入れられるアート

6歳の息子は大人気ゲーム器、Nintendo Switchに夢中である。そこには我々世代が約30年前にやり込んだゲームとはまたレベルの違う世界がある。昔みたいに「単純に左から右に向かって進んでゴール」だけでは無い。奥もあれば手前にも行ける3Dな空間だったりして、面白そうだけど正直ついていけない!夢中でスクリーンの中のキャラを動かす息子を見て、「ねぇ、なんでそっちに進めばいいって分かるの?」と聞いても「なんとなく分かるよ」と。任天堂のゲームは説明書が無いのだ(攻略本は別。あまり詳しくないが他社のゲームもそうなの?)。子どもが見てすぐに「これは敵、味方」「こっちに進めば良い」と分かるようにデザインにこだわっているらしい。
つくづくデザイン・アートの力って人間を豊かな方へ導く可能性を秘めていると思った。

こびとの住まう黒板。全国のショッピングモール等に導入されているようなので、出会ったらぜひ遊んでみてください。


この記事が参加している募集

このデザインが好き

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?