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映画

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2023年2月の記事一覧

【私たちは物語と共に生きている】 映画『アラビアンナイト 三千年の願い』感想

映画『アラビアンナイト 三千年の願い』は「3つの願い」から始まる女性学者と魔人を巡る物語だ。 監督は『マッドマックス』、『ハッピーフィート』シリーズのジョージ・ミラー。 主人公の学者アリシアを演じるのは『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』、『MEMORIA メモリア』など多くの映画作家から愛されるティルダ・スウィントン。瓶の中に封印されていたジン(魔人)を演じるのは『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』、『ビースト』のイドリス・エルバ。 「3つの願い」の原

映画館が舞台な最近の良作、3選!

2023年も前半から良作多いです。 観るのに忙しくてなかなかnote書けてないのですが、映画館を舞台にした良作を鑑賞できたので、今回まとめて紹介できればと思います! 『エンパイア・オブ・ライト』(2/23公開)これはしみじみ良かったです。 映画館が舞台になっているだけでもう贔屓目で見ちゃうんですが、そんな映画館ファンには染み入る作品となってます。 オープン前の映画館に入って一つひとつライトをつけていく、映画館の徐々に火が灯されていくオープニングがもう秀逸! それだけで大満

エゴイストを観た

(映画の感想ではありません、すみません) 電車のドアが閉まって、座席からホームに目を移すと、母に似た女性が立っていた。 もちろん母ではないけれど、背中の感じとか髪がよく似ていた。 その人はホームの階段を降りてゆく誰かに手を振っていた。振り終わってからもずっと階段の上から眺めたまま、動かなかった。 電車が動き出した。 誰を見送っていたんだろうなと考えながら、車内に視線を戻す。 若いカップルがドアの近くに立っている。 男性はすごく背が高い。頭ひとつぶんよりもっと下にかわいらしい

映画『コンパートメント No.6』 旅を通じて人の繋がりを思う

列車から始まる凸凹コンビのロシア最北端を目指す旅。 『コンパートメント No.6』は、ロシアを舞台に恋人にドタキャンされた女性が、寝台列車で同室となった粗野な男性と旅を通じて交流していく姿を描いたロードムービーだ。 監督は『オリ・マキの人生で最も幸せな日』のユホ・クオスマネン。長編2作目にあたる本作は2021年74回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門でグランプリを受賞、アカデミー賞国際長編映画賞フィンランドの代表に選ばれるなど世界中で高い評価を得ている。 育った環境

移民一家の理不尽な運命と逞しさ

第93回アカデミー賞で、祖母スンジャを演じたユン・ヨジョンが助演女優賞に輝いたこの作品を、いつか観たいと思っていたので、やっとNetflixが配信してくれて、とても嬉しかったです。 観た映画の紹介 原題:MINARI 制作:2020年 アメリカ 上映時間116分 劇場公開日:2021年3月19日 キャスト・スタッフ キャスト:スティーヴン・ユァン、ハン・イェリ、アラン・キム、 ネイル・ケイト・チョー、ユン・ヨジョン、ウィル・パットンほか 監督・脚本:リー・アイザック・

『ボーンズ・アンド・オール』最も気高い究極の愛の話

観終わって2日以上経っているのに未だにこの2人を思い出す。きっと私が何も手につかなくなっているのは紛れもなくこのせいだ。 観たのは間違いなく“カニバリズム”を題材にしているR18の作品であるのに、ここまで心を動かされるとはどういうわけなのだろう。 「もしかしたら自分だけなのではないか」 思春期の頃は自分自身の気持ちや身体の変化に戸惑い、誰にも相談することなくうまくやり過ごしていた。生まれて初めて感じた誰かと触れ合いたいと欲した時のことや怖くて寂しかったけれど平気なふりを

聖女か?狂人か?映画『ベネデッタ』が世界を過激に挑発する

欲を禁じるはずの修道院で私利私欲にまみれた聖職者たちの謀略が巡る。彼らの企みに利用される修道女ベネデッタ、彼女は聖女か?狂人か? 『ベネデッタ』は17世紀のイタリアの修道院を舞台に、奇跡の聖女として崇められたベネデッタと、彼女を取り巻く人々の企みと破滅を描いたサスペンス映画だ。 監督は『氷の微笑』、『ELLE』で知られるオランダ出身の鬼才ポール・ヴァーホーベン。ヴァーホーベンといえばエロスとグロ、世間に対して挑発的といえる作風で知られている。今作では聖域である修道院を舞台

『バビロン』はチャゼル監督の映画への熱烈なラブレターだ!

冒頭から飛び散る糞という強烈なパンチが観客を出迎える。 糞に続き放尿プレイにあり得ない量のゲロ…これまでのチャゼル監督の作品と比べて、下品な描写の多さに驚いた。デートムービーを期待して観にきたカップルはさぞ面喰ったことだろう。 こうした露悪的表現は、映画業界の華やかさと対照的に舞台裏の醜悪で生々しい人間性を強調する。スポットライトを浴び人の心を動かす一方、ドラッグや酒に溺れ乱痴気騒ぎが繰り広げられる。 『バビロン』で描かれるのは、変わりゆく映画の歴史だ。映画は20年代のハ

DCUに何が起きてるのか?どこへ向かうのか?

MARVELとDC、アメコミ映画はどちらが好きですか? 自分はDC派です。MARVEL映画も好きだし、本来優劣を決めるものでもないですが、どちらかと言われたら自分の心に刺さるのはDC映画が多いという印象。 原作のアメコミを追っかけるほど熱心なファンではないけど、noteでDCのマガジンを作るくらいにはDC映画が好きというスタンスです。 でも、去年はDC映画、特にDCU(DCユニバース)に関するニュースや作品の感想は全然挙げていません。 というのも、2022年はDCに関

再生

『ザ・フラッシュ』6月16日日米同時公開決定!

『ザ・フラッシュ』の予告編が解禁されました。 エズラ・ミラーの問題とかワーナーのゴタゴタとかあるけど、この予告編はクソヤバい。日米同時公開なのもありがたい。 (先ほど挙げた動画は日本語字幕が無かったため、再度挙げ直しました)

【感想ではなく記録のための雑文】三が日以降に観た映画6作品(2023/1/4~2023/1/31)

年末年始からはじめた映画の記録。 本を読むのは実はあまり得意ではないので、映画を観ようという流れです。 アマゾンプライムは月500円だから、5本くらいは観たいなと思っています。 例によってアウトプットする準備は一切なく書いています。観てない人から見れば(観た人もかも)意味不明かもしれません。 どうぞすっ飛ばしてください。 ドラマスペシャル 最後の晩餐 刑事・遠野一行と七人の容疑者 2011年にテレビ朝日系列放送された単発スペシャルテレビドラマだったそうです。佐藤浩市、成宮