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紺碧のサファイア (140文字小説)

 これをください。

 泉の胸元で映えそうなブルーサファイア。

 誕生日に喜んでくれるだろうか。

 改札を出ると、泉から着信があった。

 僕は踵を返し、いまはつり革に釣られている。

 目的がない旅の終点は海だった。

 ─好きな人ができたの。

 残響する泉の声。

 紺碧の海に僕はサファイアを投げた。

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