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読書記録

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2021年1月の記事一覧

誰にも壊せない幸せ【後編】

カズオ・イシグロさんの『わたしを離さないで』をAudibleで聴いた感想を、2回に分けて書いています。後半のこちらはちょっとネタバレを含みますので、知りたくないという方は、ここで止めておいていただければと思います。 この小説の舞台となっている世界には、明確な分断があります。 もし私達がこの社会において、自分たちの家族や仲間の命を救うため、健康を守るために、「臓器を提供してくれる、ある種の人間がいてもいい」という考え方が当たり前になっていたらどうしますか。 この小説の中

誰にも壊せない幸せ

カズオ・イシグロさんの『私を離さないで』をAudibleで聴いたので、その感想を書こうと思います。 まず、カズオ・イシグロさんについてですが、長崎県出身で両親とも日本人ですが5歳で家族で渡英して、その後イギリス国籍を取得しています。実は日本語は話せないそうです。 2017年にはノーベル文学賞を受賞されたことは、日本でも大きなニュースになっていましたね。 この『わたしを離さないで』は『日の名残り』と並んで、カズオ・イシグロさんの代表作です。 私は『日の名残り』は以前読ん

自己分析って必要?

昨日の夕方『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』という本を読んで思ったことを書いたのですが、今日たまたま次に『メモの魔力』という本を読んで、自己分析についてさらに疑問が湧きました。 『メモの魔力』は、㈱SHOWROOM社長 前田裕二さんのベストセラーですね。前田さんがメモをどんなふうに活用してきたのか、そのメモの書き方と利用の仕方について詳しく解説されています。 このなかで前田さんは、ものごとの「抽象化」ということを非常に強調していて、巻末には自己分析としての100

自己分析について思った

中田敦彦さんのこの動画を見て、『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』という本を読みました。本の中に出てくる、自分に対する質問がすごく面白そうだったんですよね。 著者の八木仁平さんはブロガーとしても有名でしたよね。今「自己理解の専門会社」というものをやっているということは、新R25を見て知りました。 私は自己流ですが、自己分析ってかなりしている方だと思うんですよね。でも自分では届かない領域に行けそうだなと思って、どんどん質問に答えていってみました。 結果、改めて自分

プロ奢ラレヤーのあきらめ戦略

ここ数年のあいだ、自分はこう生きようと考えていました。 ・嫌なことはやめる ・できそうなことを伸ばす できそうなことを伸ばすというのは、私にとって自分の成長を感じられることが生きがいだからです。 そ私の生きがいに当たる部分は、他の人だったら、子育て・家族のために何かをすること・仕事で成果を上げるといったことも当てはまると思います。 ところで、ここ最近の社会の変化について考えてみます。 2010年、私が東京から山梨の実家に帰ってきたころは、まだ以下のような価値観を重く受