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記事一覧
新渡戸稲造の「武士道」
【武士道】
武士道とは、体系化された武士の道徳です。武士は、生活の面では、一般市民に依存していました。その代わり、戦争が起きたら、真っ先に戦わなくてはいけません。高い地位に応じた、それ相応の義務が生じるからです。そのため、通常の人間よりも厳しい道徳に縛られていました。武士道は、もともと武士という支配階級の思想です。それが、一般市民にまで広まりました。なぜなら、武士は、一般市民の模範となるべ
岡倉天心の「茶の本」
【茶の本】
岡倉天心は「筆を持たない芸術家」と呼ばれた明治の美術運動家です。英語で「茶の本」という本を出版しました。茶の本を出版したのは、欧米人に東洋美術を紹介するためです。それによって、東西の相互理解を図ろうとしました。岡倉天心は、伝統的な日本の美術を再興しようとします。生活する上では、美術より、物質的なものの方が必要かも知れません。しかし、美術こそが、国にとって最も価値のある部分だとし
西田幾多郎の「純粋経験」
【純粋経験】
西田幾多郎は、事実をそのまま知るためには、世界をありのままに感じなければならないとしました。西田哲学では、主観と客観の分かれる以前の根本的な経験のことを「純粋経験」と言います。純粋経験とは、主観と客観が、まだ区別されていない状態のことです。西田は、この純粋経験に注目しました。純粋経験は、知識による判断が入る前の状態です。その状態では、知識とその対象が、まだ未分化で合一しています