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『学びとは何か』1/8回

「学び」って何でしょうか?
子どものころからずっと学校に行っているのに、改めて考えることはなかなかないと思います。

「学ぶ」を「学ぼう」!
そう思い立った私にとってどストライクなタイトルの本書を8回に分けてアウトプットします。
今回は1回目(第1章)!一緒に学びましょう!

子どもを育ててる人や、先生にもおすすめできる本です。
私のように「学び」を改めて考えたい人にもおすすめです。

「学び」とはあくなき探究のプロセスだ。
たんなる知識の習得や積み重ねでなく、すでにある知識からまったく新しい知識を生み出す。その発見と創造こと本質なのだ。

この記事でのキーワード

記憶、スキーマ、生きた知識

前提

本書は、認知科学の視点から学びについて考える

認知科学という1つの視点でもかなりボリュームがありました。
「学び」って奥が深い


❶記憶と知識

学びや勉強と言うと、いろんな出来事を記憶したり、さまざまな知識を得ることだと、なんとなく思われているかもしれません。
そもそも、「記憶」って何でしょう?「知識」って何でしょう?

①「記憶力がよい」とは?

いわゆる「記憶力がよい」人っていますよね。最近だと、将棋の藤井聡太さんなんか「めっちゃ記憶力よさそう!」ですよね。でも実は、

他の人とは違う特殊な脳のつくりをしているわけではなく、訓練によって、入ってくる情報をあとから想起しやすい形で記憶できる技を持っている人

なんです。
逆に言うと、努力もしないで記憶術の達人になることは難しい、ということです。

②暗記することが大事か?

学ぶことにとって大事なことは暗記でしょうか?

仮にそうだとすれば、小学生に記憶術の訓練方法を教えることは「よい教育」でしょうか?
実態として、テストや進学のことを考えると「役に立つ」のは間違いないでしょう。

本書にこの問いの直接の答えは書いてないのですが、「暗記は学びではなく、よい教育でもない」と私は考えます。

③「スキーマ」とは(心理学用語)

私たちは、日常で起こっている何かを理解するために、「行間を補う」ことを常にやっています。
この、行間を補うために使う知識を心理学では「スキーマ」と呼んでいます。

行間 → 隙間 → すきま → すきーま → スキーマ!
なんちゃって。

④スキーマの理解を深めよう

スキーマで補完していることは無意識なので改めて考えることはありませんが、みんな、何か新しいことを学ぼうとするときには必ず、すでに持っている知識を使うんです。

言い換えると、

すでに持っている知識は新しいことの学習に大きな役割を果たしている

と言えます。

⑤日常生活の記憶

突然ですが、紙とペンを用意してください。
そして「500円玉」の表と裏の絵を書いてみてください。

・・・どうですか?

ちゃんと書けなくても大丈夫です。ほとんどの方がちゃんと書けないでしょう。
つまり、日常生活における記憶は「客観的な出来事の記録」ではなく、知識のフィルターを通して解釈され、構築されたものなのです。

⑥結局のところ、「記憶」と「知識」は同じ?違う?

つまらない答えになりますが、「決まった正しい答えはありません」。
これは認識論の問題で、哲学者が問い続けてきた問題なのです。

⑦「生きた知識」と「死んだ知識」

生きた知識 体で覚えた知識、使える知識
死んだ知識
 頭で知っているだけの知識、使えない知識

ちなみに、「体で覚えた知識」というのは、「自転車に乗れる」というような運動的なものだけでなく、日本語の「て、に、お、は」のように使うことが体に染みついている知識も含めます。

⑧「生きた知識」にするには

さて、「生きた知識」と「死んだ知識」、どちらをたくさん持ちたいですか?
せっかく時間をかけて学ぶのであれば、学んだ知識を「生きた知識」にしたいですよね。

じゃあ、どのように学べば、知識は「生きた知識」になるのでしょうか?

次回は、「子どもがどのように母語を身につけていくか」の過程を見ていきます。これを見ることで、私たちが「生きた知識」を身につけ、熟達するときに、私たちの中で何が起こるのかを理解する助けになります。

つづき↓


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