詩「電球」(『犬を抱いて眠る』2017年より)

「電球」

一度でいいから電球を握りつぶしてみたい

彼は語った

今夜が最後の晩だから

彼はそう言って電球を握った

影が揺らいでぐしゃりと共に

部屋は光を失った

からから笑ってもう寝ようって

朝になって彼は消え

そこには丸い電球があった

次の光を生むために

いずれ影を揺らすために

彼の朝はやってきた

(松倉弘城、2011年11月)


収録電子書籍情報:
『犬を抱いて眠る』
価格:¥380(税込)
著者:松倉弘城(Hiroki Matsukura)、竹内誠也(Seiya Takeuchi)
発行:竹松社(Chikushousha)http://chikushousha.wpblog.jp
販売:Amazon Kindle→https://www.amazon.co.jp/dp/B071DGGRRW/
発行日:2017年4月20日
ISBN:978-4-9909572-9-2

「犬」を抱いて眠るふたり、竹内誠也と松倉弘城が著述したエッセイ、詩、小説、論考の三十四作からなる作品集。
ふたりが抱いている「犬」とはなんなのだろうか―――

他にも詩をたくさん載せてます。ご興味を持って頂けたら、拙著『犬を抱いて眠る』を是非一度手にとってみてください。

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