さしすせそサイン【毎週ショートショートnote】
彼は水金の夜に私の部屋へやってくる。そして二人のお気に入りの音楽をかけ、私が心を込めて作ったご飯を食べて、気になっていた映画を見る。その後に何をしているかは秘密。そして彼は夜遅く帰っていく。私はその帰っていく彼の車を、窓から見送るのが習慣だ。
彼は見送る私を確認し、車に停めてブレーキランプをアイシテルと五回点滅させる。
私はまだ部屋にかかっているドリカムを聴きながら、彼の余韻に浸るのだ。
付き合って三年経った頃、私は彼にプロポーズをした。しかし彼は浮かない顔をした。