ジョン・レノンは1980年に長い隠遁生活から復帰しました。その再出発となるアルバムの一曲目のタイトルが「Starting Over」。

これは、再出発という意味合い。

このミスチルの曲も、「Starting Over」。

メンバーにも、何か心機一転、新しい道へ歩み出そうという気概があったのかもしれません。

一定の成功を収めた時。少し時が経った後に振り返ってみると、自分の心に何か不思議な感情が積み重なっていることに気がつくことがあります。

それは虚栄心、尊大な自尊心などと呼ぶべき種別のものかも知れません。

ひっそりとこういった感情が忍び寄っている。知らぬ間に忍び寄るそれはまさにモンスター。それは自分自身のこと。

決して、自分だけで成し遂げられたわけではないのに。天狗になってしまう。

そのモンスターが生まれ、育っていく場所は自分自身の心の中。それは、自分だけが行ける世界。何度それを打ち破っても、やがてまた、そのモンスターが生まれてくる。

虚栄心、増大した自尊心。それを認識することの痛みから抜け出していくには、それを抱えている自分自身と相対してじっくり向き合うしかないのかもしれません。

自分だけが行ける世界、つまり、自分の過去の行動や振る舞いを見つめなおす必要があるのかもしれません。

それを探る旅にでること。痛みと向き合い、自分自身を見つめ、良い面も悪い面も自分自身の構成要素であるとただ認識すること。

きっとそれが、再出発の合図。
Starting Overの時。