最近の記事

人生の肥やし

「◯◯が嫌い」 そうやって一括りにした見えない人たちのことを一概に嫌う、安直な発言をする人にはなりたくないと思う。 それをそばで聞いていた私は「◯◯」ではなかったけれど、それでも心がギュッとなった。「嫌い」という言葉はたとえ自分に向けられていなかったとしても気持ちの良いものではない。 「賢さとは、何を言うかより、"何を言わないか"だ。」 誰が最初に言ったのかわからないけれど、なるほど、こういうことかと思った。 そう言いながら自分も思慮の浅い発言をしていないとは言えない

    • 夜の駅の乗換口で号泣した話

      桜はほとんどが葉っぱになって、昼間は暑いくらいだった4月の真ん中。 駅の乗換口で一人、声を出して泣いた。 その日は朝から病院にいた。 足の指が赤く腫れて、ついに皮膚の中に膿が溜まってきた。歩くのも辛いくらい痛くて、自然治癒は難しそうだったので観念して皮膚科を受診した。1時間ほど待って呼ばれたら、膿の溜まった部分に針を刺して排膿処置をされた。診察室を出るとき、ずいぶん痛みが軽減していて気持ちまで少し軽くなった気がした。医療ってすごい。 そういえば、待っている間に仕事の電話が

      • 情報の泉で溺れる

        現代人が一日に処理する情報量は平安時代だか江戸時代だかの1年分… とかいうどこかで見たような気がする言葉を、湯船に浸かりながら思い出した。 今日は水曜日。 今月は残業時間が60時間を越えそう。そして3週間連続の6連勤。そんな中もぎ取った休み。 登録しているショッピングサイトやアプリ等からひっきりなしに届く通知。かかってくる仕事の電話、仕事のLINE。通知オフにしておけばいいのだけど、そんなささやかな設定すら後回しにしてしまうほどに疲れているのかもしれない。 仕事の日だっ

        • この生きづらい世界で

          私は発達障害だ。 自閉スペクトラム症、あるいはASD(エーエスディー)。「アスペルガー症候群」という言い方なら知っている人が多いかもしれない。 はっきりそうだとわかったのは大人になってから。いわゆる「大人の発達障害」の検査・診断ができるクリニックで検査を受け、確定した。 この世界はあまりに生きづらい。治るわけでもないのに、数万円かかる検査をわざわざ受けに行った。理由がわかった今だって生きやすくなったわけではない。理由がわかっただけで何も変わってはいない。治療薬もない。

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          1LDK・ディスコ

          10年ぶりの一人暮らしを始めてから3週間が経った。 一人暮らしを始めたらPerfumeの「ワンルーム・ディスコ」でも流しながら片付けようと思っていたけれど、本当にそんな気分にはなれなかった。 音楽をかけて 計画をねりねり …できるような余裕はなかったし、 リズムにゆられた…くもなかった。 あれから3週間、やっと生活っぽくなってきた。生きるための活動ができるようになった。通勤中にワンルーム・ディスコを聴けるくらいの余裕は出てきた。ただ料理はまだ一度もしていない。やっているこ

          1LDK・ディスコ

          初めての一人暮らしで病み散らかした話

          2024年2月下旬。一人暮らしを始めた。 前回の記事でお話したように、大学進学のため東京で一人暮らしをしていたが1年後には実家に戻り、その後はそのまま実家暮らしだった。およそ10年振り、大人になって初めての一人暮らし。 "子供部屋おばさん" そんな言葉に心がギュッとなりはじめた今日この頃。どうも意地の悪い言葉だ。 「大人になって実家に暮らすなんてありえない」 という考えの人がいることも知っている。それは“あくまで自分の立場なら”で話す人もいるし、それに加えて実家暮らしの他

          初めての一人暮らしで病み散らかした話

          私が働きながら大学に通う理由

          現在、社会人として日々働きながら大学に通っている。今は大学3年生。この春から4年生になる。 通信制で、一度も通学せずにすべての単位を習得でき、比較的卒業しやすい大学を選んだ。とはいえ働きながら大学に通うということは、私にとってはそう簡単ではない。 アラサーになって大学に通い始めた大きな理由は、大学を1年で留年・退学した過去にある。高校の先生に勧められた分野(外語大)を蹴って、東京にある医学系私大に進学。自分には到底高すぎるハードルだったけれど、その時は越えられてしまった。

          私が働きながら大学に通う理由

          #1

          はじめまして。ひとえです。 誰かのnoteを拝見したことはあったけれど、そういえば自分で書いたことはないなぁと、ふと思った。 特になんの節目でもないけれどなんとなく。なんとなく始めたことのほうが長続きするのかもしれない。 私は昔から読書が好きで、、、というのは嘘ではないけれど、というかそれしかやることがなかったと言ったほうが正しいか。で、本とはご縁のある幼少期で、書くことも好きだった。 音声で自分の考えていること、感じたことを出力するのが苦手な私は、こうして文章を綴る