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心理的安全性とは…?【ぬるま湯との違い】

心理的安全性とは
職場で誰に何を言っても
人間関係が壊れることなく
罰を受ける心配もない状態のことです📖

こんにちは!心理カウンセラーのhitoeです🌹
今回は心理的安全性の意味や効果
混同されがちな「ぬるま湯組織」との違い
などについてのお話です📖



心理的安全性とは

心理的安全性とは
もともと心理学用語である
「サイコロジカルセーフティ(psychological safety)」
を和訳したものです。

ビジネスにおいては
職場で誰に何を言ったとしても
人間関係が壊れることなく
罰を受ける心配もない状況を指す言葉として用いられます。

つまり、相手の視線や思惑などを気にせず
自分の意見が率直に言える状態
です。


心理的安全性の定義

心理的安全性を最初に提唱したのは
ハーバード大学の
エイミー・C・エドモンドソン教授です。
エドモンドソン教授は自身の論文の中で
「対人関係でリスクのある行動をとっても
チームが安全な場所であるという思いが
メンバーの中で共有された状態」
と定義し、話題を呼びました。

「ぬるま湯」組織の違い

心理的安全性は
「率直に何でも言い合える」「非難されない」状態です。
心理的安全性が高い職場は
ただの「ぬるま湯組織ではないか」
と感じる方もいるかもしれません。
しかし、心理的安全性の高い職場と
「ぬるま湯」組織は大きく異なります。

「ぬるま湯」組織とは

「ぬるま湯」組織とは
ぬるま湯があらわす「刺激や緊張感のない」
といった意味が転じて生まれたものと考えられます。
それを居心地がいいと感じる方もいるかもしれません。
しかし、ただ居心地がいいだけでは
心理的安全性が高いとはいえません。

心理的安全性の高い職場は、意見の対立がある

心理的安全性が高い組織では
職場のコミュニケーションが活発になり
メンバーの意欲が高まりやすい
です。

「ぬるま湯」組織では
ただ仲が良いだけで意識が低く
生産性が上がりにくい傾向
にあります。

さらに、心理的安全性が高い職場では
「率直に言い合える」からこそ意見が対立する場合もあります。

いくら居心地がよくても
対立を避けて馴れ合いのようになってしまう
「ぬるま湯」組織になってしまうでしょう。

日本企業が「ぬるま湯」組織になりやすい理由

日本では、昔から空気を読む力が重視され
対立や衝突が避けられる傾向
にあります。
そのため、表面的には人間関係が良好であっても
意欲が低く生産性の向上が見込めない
「ぬるま湯」組織が生まれやすい傾向
にありました。



心理的安全性が注目される背景

心理的安全性が注目され始めたのは
Google社が実施した
「プロジェクトアリストテレス(Project Aristotle)」
という調査プロジェクトがきっかけです。

このプロジェクトは
高い業績を維持できるチームの条件を
突き止める目的で2012年から始まりました。

プロジェクトアリストテレスの答え

効果的なチームの条件について検証が進められる中
メンバーの個々の特性とメンバー同士の関係性が
チームにどのような影響を与えるかが比較分析
されました。
営業やエンジニアなどの職種を含む
180チームを対象に行われたこの調査では意外な事実が判明しました。

当初は
個々の能力が高い人材で構成されたチームが
生産性も高いと考えられていました。

ところが
互いに協力し合ったうえで各々が最大限の力を発揮し
「チーム」として学びがあるかという点が
重要である
ことがわかったのです。

効果的なチームの条件とは

調査結果をもとに
効果的なチームをつくる重要因子として導き出された5つの因子は
チームの効果性において重要な順番とされています。

1.心理的安全性
「ミスを理由に非難されることはない」と感じられること

2.相互信頼
「チームメンバーは引き受けた仕事は最後までやってくれる」
と信じられること

3.構造と明確さ
「チームには、有効な意思決定プロセスがある」と感じられること

4.仕事の意味
「チームのために行っている仕事は本人にとっても意義がある」
と感じられること

5.インパクト
「チームの成果が組織の目標達成に
どのように貢献するのかを理解している」
と感じられること


調査結果をもとに心理的安全性は広く知れ渡り
チームや組織の成長に欠かせないものとして
注目を集めるようになりました。


心理的安全性の効果・メリット

心理的安全性が高い職場では
具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

チームやメンバーへのメリット
心理的安全性が保たれていると
個人が本来持っている能力を発揮しやすくなり
チームとして好循環が生まれやすくなります。

1.チーム内のコミュニケーションが活発になる

心理的安全性が高いと
たとえ上司と部下の関係でも
意見を率直に表現しても非難される心配がないため
チームメンバー同士のコミュニケーション量が増え
相談や意見交換が活発
となります。

すると新しいアイデアも出しやすくなります。
互いに協力し尊重し合う雰囲気も生まれ
ハラスメントなども起こりにくくなるでしょう。

2・ミスへの早めの対処ができる

心理的安全性が高い職場はミスの報告も早いです。
ミスや失敗を報告したからといって
非難される不安が少ないからです。

不測の事態にも迅速に対処できるため
ものごとが大きくなってからミスが発覚し
慌てて対処することも減るはずです。

3.個人のパフォーマンスが向上する

心理的安全性が高い職場では
互いに尊重し合う環境は安心して仕事に集中でき
個人が本来持っているポテンシャルも発揮しやすくなります。
また、互いに切磋琢磨し
自発的にスキルアップに努めるようになるため
仕事に対するモチベーションも高まる
でしょう。

組織へのメリット

心理的安全性は、個人やチーム内だけでなく
企業や組織全体にとっても重要視されています。

1.業務の生産性が向上する

心理的安全性が高まり
個人のパフォーマンスが最大化すると
当然ながら個々の業務効率が上がり、組織の生産性も向上します。

2.イノベーションが生まれやすくなる

心理的安全性が高く
メンバーの多様な意見が尊重される組織では
多彩な人材が集まります。

多様な価値観の中で意見を交わし合うと
多くの発展的なアイデアの創出にもつながります。
新しいことや困難なことにも
挑戦しやすい環境になるため
イノベーションが促進されやすくなります。

3.離職率が低下し、定着率が高まる

心理的安全性が高い組織は
個人にとって居心地がよいと感じられるため
従業員エンゲージメントも向上する可能性があります。
従業員エンゲージメントは離職率と深く関わっています。


心理的安全性が低いとどうなる?

心理的安全性が低いと
組織やチームにどのようなデメリットがあるのでしょうか。

心理的安全性が低い職場で生まれる4つの不安

心理的安全性の第一人者であり、
提唱者であるエドモンドソン教授は
4つの不安がメンバーの
一人ひとりに生まれることを懸念しています。

1.無知への不安

心理的安全性が低いと
社員に無知だと思われる不安が生まれます。
無知への不安とは
チームメンバーに知らないことを質問したとき
「こんな単純なことも知らないの?」
と言われてしまわないかと思うことです。
気軽に質問や相談ができない環境では
コミュニケーション量は減少していきます。


2.無能への不安

無能と思われる不安も
心理的安全性が低い職場で社員が抱えがちな不安です。
無能への不安とはチームメンバーに
「こんな簡単な業務もできないの?」と思われることです。

そのような環境では、失敗を恐れ、
新たな挑戦もしにくくなってしまいます。
結果的にイノベーションが
生まれにくい悪循環に陥ってしまいます。
無能への不安を抱えたままでは
本人がミスや失敗を隠したり報告を恐れてしまい
組織にとっても望ましくありません。


3.邪魔への不安

邪魔への不安とは
「チームの邪魔になるかもしれない」
と感じている状態です。
「この場でこの話題を出すべきなのか」と
悪い意味で空気を読みすぎることが不安の要因になっています。

心理的安全性が低い職場は
本音で話す場が設けられず
助け合いやチームワークが生まれにくい
というリスクもあります。

4.否定への不安

否定への不安とは
反対意見を述べることが「否定」だと
ネガティブに捉えられてしまうのでは
と思うことです。
疑問や問題を感じても発言をためらってしまって
建設的な議論が生まれません。
このような心理的安全性が低い職場では
チームとしての学びや
成長に乏しくなってしまう可能性があります。

心理的安全性が高い職場 チェックリスト

心理的安全性の測定方法として
エドモンソン教授は、以下の7つの質問を挙げています。

職場の心理的安全性を測る7つの質問
Q1.チームの中でミスをすると、たいてい非難される
Q2.チームのメンバーは、課題や難しい問題を指摘し合える
Q3.チームのメンバーは
自分と異なるということを理由に他者を拒絶することがある

Q4.チームに対してリスクのある行動をしても安全である
Q5.チームのほかのメンバーに助けを求めることは難しい
Q6.チームメンバーは誰も
自分の仕事を意図的におとしめるような行動をしない

Q7.チームメンバーと仕事をするとき、
自分のスキルと才能が尊重され、活かされていると感じる

「効果的なチームとは何か」を知る(Google re:Work ガイド)


チーム内において
ポジティブな回答をするメンバーが多いほど
心理的安全性が高い組織だといえます。
(設問1、3、5はネガティブな内容
設問2、4、6、7はポジティブな内容です)


心理的安全性を高めるためのポイント

心理的安全性は
Google社のプロジェクトをきっかけに広く知れわたり
欧米の組織マネジメントや
人事分野を中心に研究が進められてきました。
日本でも調査研究をもとにした書籍が発行され始めています。

その中で
心理的安全性をつくる重要な因子として
以下の4点が挙げられています。

1.話しやすさ
意見交換やミスを含めた報告がしやすい環境で
チームメンバーが心理的にリラックスできていること。

石井遼介著『心理的安全性のつくりかた』(2020)

2.助け合い
課題に直面したりやトラブルの発生時にも
メンバー同士で互いにサポートしたり
協力し合える体制が整っていること。

石井遼介著『心理的安全性のつくりかた』(2020)

3.挑戦
挑戦的な意思決定や行動できる組織風土が整っていること。
イノベーション創出の機会にも恵まれる。

石井遼介著『心理的安全性のつくりかた』(2020)

4.新規歓迎
お互いの違いや個性、新しいことを認め合えること。
個性や才能に応じて、適材適所の人材配置にもつながる。

石井遼介著『心理的安全性のつくりかた』(2020)

まとめ

・弱点も含めて本音を話せるような環境整備
・チームメンバーの多様な価値観を認め合う
・新メンバーやミスをしたメンバーの
 サポート、フォロー体制の充実

心理的安全性が高まると
チームや個人のパフォーマンスが上がり
組織の生産性が向上します。
心理的安全性を高めようとする場合は
「ぬるま湯」組織とならないよう注意が必要です📖


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