傀儡の幻

操り人形の巣窟
「くぐつ草」は
長い熟成を終えた
古い赤ワインのような
醸しが漂っていた。

くぐつとは傀儡である。
操るの意味であり、
ここに入った人は皆、
何者かによって
操られるのである。

ハワイからやってきた
リリコイさんと
彼女を慕うnote仲間と、
食事の後に潜入した
地下の不思議な空間。

だからなのか、束の間の
この人たちとの逢瀬は
幻の気がしてならない。
皆さん、生きてましたか?
人形ではなかったですか?
翌朝、僕はまだ夢の中にいた。