ハイスクール時代の
親友以上の友達、
クリストファーの名前を
暗号解読機につけた
天才数学者がいた。

アラン・チューリング、
彼は英国のために
ドイツの複雑な暗号、
「エニグマ」の解読を
政府から依頼された。

しかし一向に解読できず
ドイツ軍が攻め続け
多くの人々が死んでいく。
自由諸国の敗戦が濃厚の中、
遂に解読に成功する。

とはいえすぐには動き出せない。
ドイツ軍に知られないために
身方をも欺いて隠密作戦が進み、
ようやくドイツ軍に勝利する。
世界大戦が終結したのだ。

暗号解読は機密事項だけに
アランは数学者に戻るものの、
同性愛者であったことから、
猥褻罪で囚われる。
犯罪者になってしまったのだ。

アランが解読した暗号で
命を救われた人は1400万人、
解読機はコンピュータに進化、
生活向上にどれだけ貢献したか。
そんな救世主が犯罪者となる。

映画「イミテーション」は
様々にアカデミー賞候補となり、
アラン役のカンバーバッチは
主演男優賞にノミネートされた。
演じたアランは41歳で自殺、
出色の演技力で彼の人生を表した。
これ以上ない不条理を。