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SEKAI NO OWARI 『バードマン』

このNoteを始めた理由の一つに、大好きな音楽を紹介するプラットフォームを作るという目的があったのだが、ここまで3つの記事を投稿して、まだ一番の目的である音楽についてほとんど触れていない。

本日5月20日の0時に私のいちばん大好きなアーティストSEKAI NO OWARIさんの新曲が配信リリースされたので、初めての音楽投稿はこの曲について書きたいと思う。

この曲は7月7日リリースのニューアルバム「scent of memory」の収録曲であり、フジテレビ系「めざまし8」(月〜金:午前8:00)のテーマソングである。

初めてこの曲を聞いたのは、めざまし8の放送初日だった。
イントロはなく、「おはよう」とFukaseさんの綺麗な歌声で始まるこの曲は朝のニュース番組のテーマソングにぴったりだ、という印象を持った。

しかし、この楽曲の魅力はそんなものではなかった。

昨日5月19日にラジオ「SCOOL OF LOCK!」(Tokyo FM)で楽曲が初オンエアされ、私もそこで初めて全体を通してこの曲を聴いた。
私が感じたこの曲の魅力をいくつか挙げていきたいと思う。

まず1つ目は、全体としての曲の壮大さである。

SEKAI NO OWARIというと、ファンタジーとかダークというイメージを持つ人が多いのではないだろうか。
普通のロックバンドとは一風変わったアレンジで独自の世界観を確立してきたセカオワだが、最近はまた一段階飛躍して、壮大なアレンジの曲が増えたように感じる。

2019年にリリースされたオリジナルアルバム「Eye & Lip」の頃からそれを感じ始め(「すべてが壊れた夜に」や「Missing」など)、特に強く曲の壮大さを感じたのは、先日ファンクラブ限定で行われた配信ライブにおいて、未発表曲で今回のアルバムの収録曲である「Tears」のデモ音源を聴いたときである。

音の重厚感がさらに増して、Fukaseさんの歌声の音域がこれまで以上に広くなっていた。
ギター、ベース、ドラム、キーボードなど、普通のバンド編成の楽器だけでなく、さまざまなジャンルの楽器の音を取り入れているのがセカオワの魅力の1つだが、その魅力がさらに引き出されていた。

その壮大さが、今回の楽曲でも存分に楽しむことができる。
クラップとコーラスによってゴスペル調にアレンジされ、その上に軽やかなピアノの音色がプラスされたサビのメロディは、朝日が眩しく光る清々しい一日の始まりを連想させる、素晴らしいアレンジだと思う。

2つ目の魅力はなんと言っても歌詞である。
今回の歌詞はFukaseさんとSaoriさんの共作のようだ。

まず、初めてラジオで聴いた際にいちばん私の耳に残った歌詞は
"頑張れたらそうしたいよ"
サビのこの一文である。

朝のニュースのテーマソングで、こんなに明るいアレンジで、おはよう!と始まるこの楽曲は、「今日も一日頑張ろう!」みたいな曲だと勝手に思い込んでいた。
それがこの一文でひっくり返されてしまった。

Saoriさんがフジテレビュー‼︎のインタビューでこんな風に話されている。

「私は、ただ「頑張って」と言われると、逆に「もうかなり頑張ってるのに!」と悲しくなってしまうことがあるので、聴く人の背中を押すのではなく、隣で寄り添えるような歌詞にしたいと思って書きました。」

そうだ、いつだってSEKAI NO OWARIの歌詞は弱い私たちと同じ立場に立って寄り添ってくれるのだ。
そうやって寄り添ってもらえたからこそ、私はSEKAI NO OWARIの歌詞に助けられ、また頑張ろうと思えてきたのだ。

それから、何回かこの曲を聴いて感じたのは「銀河街の悪夢」との繋がりだ。

Cメロの歌詞を読んでみてほしい。

今日も何も出来ない そんな日がまた終わっていく でもきっと明日は

この歌詞を聞いて銀河街の悪夢の歌詞を連想したセカオワファンは多いと思う。

最悪だった昨日も あんな酷い想いをしたあの日も
きっと今日の為だったんだと 言える準備はいつでもしておくから

銀河街の悪夢の歌詞を書いた頃、ボロボロだったFukaseさん。
その頃の自分に対していま書いた言葉、それがこの歌詞なのではないのかな、というのが私の勝手な解釈である。

あの頃、銀河街の悪夢の歌詞に救われた人たちもまた、この曲に助けられるのではないだろうか。

先ほど、19時にこの曲のMVがYotube上で公開された。

CメロはFukaseさんがひとり、夜の踏切前で歌うシーンとなっていて、MVからもやはり銀河街の悪夢が彷彿とさせられる。

今回のMVは珍しく、メンバー四人の日常のような風景が自然体で描かれている。
監督がSaoriさんの旦那さんである池田大さんが務めているのも感慨深く、
だからこそこのMVが撮れたのだろうなと納得がいく。

この日常が彼ら四人がSEKAI NO OWARIというバンド、そして一緒に奏でてきた音楽を通して作り上げてきた愛しい日々なのだろう。

そんなことを考えながらMVを、四人の仲睦まじい姿や自然な笑顔を見ていたら、涙を流しそうになっている自分がいた。

この曲は最後、こんな歌詞で終わる。

どんな日々も 何とか繋げてきたから きっと今 容赦もなく始まった今日が
こんなに愛しいんだ こんなに眩しんだ こんなに愛しいんだ

嫌でも毎日やってくる今日という新しい一日。
不安や苦しいことに押しつぶされそうになる日もあるけれど、それでもそんな今日はやっぱり愛しい。
この曲は毎日を生きる私たちに寄り添い、背中を押してくれるSEKAI NO OWARIの新たな応援歌だ。


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