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文・絵…善養寺ススム 編…江戸人文研究会『絵でみる 江戸の女子図鑑 時代小説のお供に』

 庶民、武家、大奥仕え、遊女まで、江戸時代の女性たちの暮らしやファッションについて可愛らしいイラスト付きで教えてくれる本。

 前髪のアレンジ、髪の結い方、帯の結び方、櫛や簪の差し方ひとつひとつに、江戸時代の女性たちの年齢、職業などが表れていて、興味深いです。

 今後、時代劇を観たり時代小説を読む時はそういった描写の違いにも注目したいです。

 江戸中期の女性たちは願掛けのために清水の舞台から飛び降りたけれど、当時は舞台の下に木が鬱蒼と茂っていたため八割五分の女性は無事だった…というエピソードも紹介されています。

 八割五分の女性は無事だった、ということは逆に言えばそれ以外の女性は無事では済まなかったということ…。

 皆さんそうまでして一体どんな願いを叶えたかったのでしょうか…?

 また、この本の『女性の生業百姿』という章も面白かったです。

 大奥だけでも様々な働き方のタイプ分けがあって、今で言えば見習奉公はインターン、年季奉公は契約社員のようなものだったそう。

 現代の女性の働き方と照らし合わせてみると、一生奉公の人も居ただろうけれど実は今の女性の働き方とそんなに違いはないのかな、なんてなんだか親近感を覚えてしまいます。

 庶民社会の女性たちも、蕎麦屋、水茶屋、乳母、下女、義太夫、機織、養蚕、塩作りなど様々な技能で収入を得ていたことが分かります。

 当時の女性たちも手に職をつけて頑張っていたのだから、自分も仕事を頑張ろう!と奮い立たされました。

 また、もしタイムスリップしたら自分は江戸時代でどんな仕事をしようかな?と妄想しながらこの本を読むと楽しかったです。

 紅屋、半襟屋といったお洒落に関する仕事も気になるし、当時は脚気が流行っていただろうからビタミンB1を補える食事処を開いたり、『JIN-仁-』の南方先生みたいに抗生物質を広めたりしたいなあ…。


 〈こういう方におすすめ〉
 江戸時代の文化に興味がある方。
 日本史が好きな方。

 〈読書所要時間の目安〉
 1〜2時間くらい。

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