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【小泉八雲と教え子たち】

【小泉八雲と教え子たち】


【小泉八雲と横木富三郎】

ハーン(小泉八雲)が勤めた島根県尋常中学校時代に最も愛された生徒の一人、横木富三郎。
彼が下宿していたと言われる片原町の「水明館」

危篤の病床にある生徒(横木富三郎)が、最後の願いとして「学校(島根県尋常中学校)が見たい」と言うので、夜 下宿から爺の肩に背負われて校舎のシルエットを星明かりで眺めた。
横木富三郎は、出雲市古志町で生まれた。(1874年/明治7年4月)

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【読了】坂本龍一/著

【読了】坂本龍一/著

『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』坂本龍一 著 (新潮社)

坂本龍一さんが、一度は快癒したガンの転移を告げられたのは、2020年12月。

医師からは「何もしなければ余命は半年ですね」

その日が来る前に言葉にして残しておきたいとの思いから月間『新潮』の連載が始まります。(2022.07.〜2023.02.)

盟友の鈴木正文さんが綴られた「著者に代わってのあとがき」が付け加えられています。

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『本をつくる』河出書房新社

詩人が紡いだ言葉を、イメージどおりに伝わるように書体を設計し、活版印刷で、製本するまでの軌跡。

谷川俊太郎詩集『私たちの文字』ができるまでのドキュメント。

【広告における文章表現を考える】

【広告における文章表現を考える】


【はじめに】

文章には「文学的な文章」と「事実を伝える文章」があるとの事。
では、広告の文章は、どちらだろうか?
また、どちら寄りだろうか?
考えてみる。

かつて、コピーライターは「広告文案家」と言われていたそうです。
主に文学部系を卒業した人達が企業の宣伝部に所属して広告制作を行なっていました。
その1人 向井敏さん
1930年 大阪生まれ
大阪大学 文学部 仏文学科卒業
電通勤務のあと、

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『時ひらく』を読む

『時ひらく』を読む

三越創業350周年・文藝春秋 共同企画
6人の作家が紡ぐ三越物語り

『時ひらく』を読んだ感想

単なるエッセイではなく、三越ライオン像の由来や、三越の屋上にある三井家の守護社 三囲神社(みつめぐりじんじゃ)の話など、内容は濃いです。文学的なエッセイの域を越えていました。

目次

「思い出エレベーター」辻村深月
階下を見下ろしている泣きそうな顔の子どもがもし、いたら。

「Have a nice

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広告の文章

広告の文章


【はじめに】

これまで、いろいろと広告コピー(文章)について本を読んできました。
基本的には、発想から言葉の選択 • 組み立てまで、著者の広告作品を中心に、広告文章作法的な内容の本でした。

Note【土屋耕一全仕事】

【広告本読書録:097】ハヤカワヒロミチ

現役時代にバイブルのように読んでいました。
第4 コピーライターの発想 pp.123〜183.
【内容】
ひらめき=颯爽(さっそう

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【読書百遍】『日本語の作文技術』新版

【読書百遍】『日本語の作文技術』新版


【はじめに】

『日本語の作文技術』文庫版は、1982年(昭和57)1月20日第1刷が発行されました。
新版の『日本作文技術』では、旧版の 第10章「作文技術の次に」と付録「メモから原稿まで」を割愛し、新版として再編されました。

【第一章 なぜ作文の「技術」か】

この『日本語の作文技術』では、文学的な文章ではなく、事実的な文章のための作文技術が対象にされています。

目的はひとつ
読む側にと

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【『忘却の整理学』】

『思考の整理学(新版)』を読み終えた。

つぎに、帯の見返しにあった
『忘却の整理学』を読んでみようかな。

【『忘却の整理学』ブックレビュー】
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480438706/

『思考の整理学』(新版)

『思考の整理学』(新版)


【はじめに】

『思考の整理学』(新版)が発売された。
これまでに、幾度か読み返しているが、新版で、追加された「東大特別講義 新しい頭の使い方を読んでみる。
pp.231〜249.

『思考の整理学』を読んだ皆さんへ伝えたいこと。で始まる。

【知識と記憶】

明治時代から日本人が "勉強" として努力してきたものは、多くが外国を真似るだけの受身型の勉強であった。
ただ本を読んで、それを頭に詰め

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【最近の読書傾向から思うこと】

【最近の読書傾向から思うこと】


はじめに

最近の読書傾向から思うこと。

現役時代は、仕事に直結したマネジメントや、マーケティングなどのハウツー本が主だった。
理由は、読んだ本からノウハウ(知識)を得るため。

現役引退後は、やはりマネジメント系が多かったかな?(笑)
理由は、ある程度 基礎知識があり、読んでいてもスンナリ理解出来た。

しばらくしたら、新しく出版される本は、現役時代に読んだ本の切り売りかな?と思うようになり

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『The History of Lure Fishing』

『The History of Lure Fishing』


『The History of Lure Fishing』

はじめに

著者は、1969年 島根県生まれ
幼い時から、海や川の釣りに親しむ。
イギリス在住の時に、フライフィッシングやコースフィッシングと出会う。

本の内容は
第一部 片軸受けリールの歴史
第二部 両軸受けリールの歴史
第三部 スピニングリールの歴史
以上の三部で構成されています。

あの開高健氏も「部屋の中に居て、あれこれ夢想

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『君たちはどう生きるか』を読んで

『君たちはどう生きるか』を読んで

小説、『君たちはどう生きるか』を読んだ。宮崎駿の作ったアニメ映画の方ではなく、1937年に出版された原作のほう。

現代でもこうした名が残っている作品。前から気になっており、宮崎駿のアニメ映画を視聴したことを契機に、とりあえず読んでみようと手を出してみた。

正直、説教臭い作品だろうなと思っていた。戦時下に入る直前の時代に出版という、そういう情勢込みで、評価が高くなり現代に残っている、「ありがたい

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『君たちはどう生きるか』 ②

『君たちはどう生きるか』 ②


『君たちはどう生きるか』 ①

6) 雪の日の出来事

コペル君は、雪が降った日に学校で雪合戦をする。しかし、雪玉に石を入れて投げたり、敵チームの雪だるまを壊したりする不正行為が起こる。コペル君は、自分も不正行為に加担してしまったことを反省し、正義感や道徳心について考える。
pp.207〜234.

7) 石段の思い出

コペル君は、学校で行われた運動会で優勝する。しかし、その日は父親の命日でも

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