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菅義偉内閣の可能性と北朝鮮拉致問題

安倍内閣の後継に現官房長官である菅義偉氏はどうか? という観測気球っぽい報道が少し前に流れました。当然ながら本人はなんとも言っていませんし、まだ現政権の任期もありますのですぐに動くことはないでしょうけれど、安倍四選がないのであれば菅政権の目は結構あるのではないか、という気がしてきました。理由の一つは北朝鮮拉致被害者問題と日朝交渉です。

首相、日朝首脳会談「条件つけず話し合いたい」 拉致解決へインタビューで決意
https://special.sankei.com/a/politics/article/20190502/0001.html?_ga=2.236407879.750843392.1556793606-1223324668.1529425191

「金委員長と条件なしに会う」…日朝会談に動き出す安倍首相
https://japanese.joins.com/article/976/252976.html?servcode=A00&sectcode=A10

産経新聞のインタビュー、そしてそれを受けての韓国の中央日報の記事ですが、安倍首相が北朝鮮の金正恩との会談について言及しました。

十数年前の小泉訪朝、そして一部の拉致被害者の帰国はセンセーショナルでした。しかしその後は進展がありません。日本側としては拉致被害者問題について停滞している状況がずっと続いています。

一方、北朝鮮にしてみても米朝会談の決裂後、ロシアのプーチン大統領と会談していますが経済制裁を解除や緩和できる見込はありません。

日本が北朝鮮との間にある問題は、日本側から見れば拉致被害者問題とミサイル問題です。ミサイル問題はアメリカが強く関与していますから勝手に出来ませんが、拉致被害者問題は国連制裁に反しない限りは日朝間だけで解決できる問題です。

北朝鮮側が拉致被害者問題の解決に意欲を出すかどうかが焦点になってきますが、国連制裁の打開を目指しているのであれば交渉に乗ってくる可能性はあるでしょう。

そもそも、現在の独裁者である金正恩は当然ながら日本人拉致に関与していません。父親にあたる金正日が主導で行ったテロ行為でしたが、その息子が父親の犯罪の責任を負うということにはなりません。同じ国家の指導者であることの責任に留まりますので、金正恩主導で拉致問題を解決することは出来るはずです。

ただし、北朝鮮内部での軍部や金正日派の残りが反発する可能性はあるでしょう。現時点で金正恩が北朝鮮内部、特に軍部や対外強硬派をどれだけ抑えられるかにかかってくると思います。

当然ながら拉致被害者の帰国や情報開示などがあったとしても、無条件というわけにはいかないでしょうから、北朝鮮側に何らかのメリットがある必要がありますので、そこはトランプ大統領とコミュニケーションが取れている安倍内閣が続いている間に筋道を付けて、安倍内閣の後継内閣が実行するくらいの時間感になるのではないでしょうか。

来年2020年には日本は東京オリンピック、アメリカは大統領選挙があります。日本は衆院選も参院選も2020年にはありませんので、日本人拉致問題を突破口として米朝間の交渉を進展させて、大統領選挙の材料にするというのもあり得なくはない気がします。

ただ、安倍首相の自民党総裁としての任期が2021年で終わりますので、日朝間・米朝間での進展があったとしてもその政策や約束が次の政権でも続くかどうか。トランプ大統領がオバマ政権後半にまとまった、イラン核合意やキューバ国交回復などをひっくり返しているの見た金正恩が不安視したら交渉は成り立ちませんので、安倍内閣の次が菅義偉内閣なるのであれば、安倍内閣と政策や外交方針は変わらないでしょう。トランプ・安倍・金の三者会談においてトランプ大統領を証人にして安倍総理が後継は菅内閣ですよと金正恩に約束する、というのは妄想に過ぎないですかね。ここにきて急に、菅官房長官が外交舞台に出てくるようになった理由としては筋が通ると思うのですが。

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