「マルスの夢」 本多裕樹 詩
「マルスの夢」
さりあらば、時と月の宵闇に
星の流れる空の万象は私たちに何を教える
影の中に、華の咲き乱れる桜の花びらの舞う
土に消える池の中に、
どこまでも湿原の奥に沈んでいく
終わりまでも、終わりを知る
終わりに死んでいく
死は消えて、また天に登っていく
時の終わりまで、
死のくるまで
花は生きるものでなく、朽ちる者のために
あなたの、血潮を吹き出して盃を酌み交わし
血に染まる影をいつまでも求める
月の深まる世界、黄金の夜に私たちはいる
神殿に跪き祈り
時に知る限りの