フラミンゴ・レディの潜伏
金曜日の夜も更けたPM11:00。馴染みのバーでひとりウィスキーを傾けていると、一組の若い男女が店に入ってきた。
男の方は今風にゆるくパーマのかかった大学生らしい頭だが、格好は細身のスーツに派手目の柄の入った薄ピンク色のシャツ。いかにも「夜の街で生きています」といった体のいでたちをしていた。
対して女の方は多少派手めな化粧をしているが、おそらくは二十代の後半と言ったところ。オフィスカジュアルと言えなくもない薄手のブラウスに機能的な黒のビジネスバッグとパンプスとが多少不似合