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「全うして貫け。」


プリンス・ルパート・ローウェンスタイン著・「ローリング・ストーンズを経営する」を読んだ。

貴族出身で株式仲介人として活躍していたルパートはミック・ジャガーと出会い以後2008年までローリング・ストーンズの財政面でのマネージャーを務める。

そんな彼の半生とローリング・ストーンズの裏側を書いたこの本は彼じゃないと書けない内容ばかりで面白く、何か成果を上げる時に重要な考え方や視点を得ることもできた。


特にこの本を読んで

・自分の役割を徹底的に行う
・自分のスタイルを貫く


この2つの大切さを知れた。


著者はストーンズのマネージャーをする前から
数字に強く、記憶力も良い、更に直感的な金銭感覚が良い等、自分の強みを知りブローカーとして活躍していた。


自分の強みを知り仕事に活かすことだけでも凄いんだけど、
マネージャーになってからは強みを活かすことはもちろん自分の役割をしっかり把握してブレずに貫いたことはそれ以上に学べた姿勢だ。



著者はストーンズにとって自分の役割を

”銀行の支配人と精神分析医と乳母が組み合わさった”ようなもの

と捉えていた。

正直、激務すぎる。笑

というか、意味がわからなすぎる。笑

でも彼はその役割を全うした。


例えば、

・直接会ってミーティングがしたいのに一向にこないキースに対して絶対に折れず来るように言い続けた

・薬物の不法所持で逮捕されツアーが中止になることを誰よりも恐れていた

・契約交渉の会議中、契約が破棄されるかもしれないくらいふざけた態度をとったミックとキースにブチ切れる。(その後二人はお利口になり無事契約成立)

等々、著者は自分の役割をどんな状況でも把握してこなしてきた。


ストーンズは著者がバックで財政面をはじめ様々なことを支えていたから長い活躍ができたんだとわかった。


更に著者は自分の役割だけじゃなく、自分の趣味嗜好つまりスタイルもブラさなかった。

彼はストーンズのマネージャーを勤めたけど、ストーンズの音楽自体には全然関心が無かった。

というか、ロック自体聴く対象として捉えていなかった。笑
(バイアスが掛からないからそれが結果的に良かったのかもしれない。)

どんなにストーンズと一緒に仕事をしようが、自分の習慣・服装・態度は変えなかったんだよね。

ロックンロールスタイルに飲み込まれず、高価なワインを楽しみ深酒はせずドラッグも当然やらない。

そう、著者はいつでも自分自身に忠実であり続けたんだ。



俺みたいな何者でもない凡人の若者は、
自分の役割は何なのか?自分のスタイルは何なのか?
なんてことはわからないかもしれない。ハッキリしないかもしれない。

だから、色んな役割を試してみるべきだしスタイルを決めずにブレまくっても良いと思っている。

色々と試すうちに役割がなんとなくわかってくるし、ブレまくった結果大事なスタイルもわかり築いてくるからね。


ただ焦ることはないけど、
役割が出来たらそれを徹底すること。
スタイルが築けたらそれを貫くことだ。


バントの名手にホームランを狙った大振りなんてチームは求めていないわけ。

チームが勝つには役割を与えられた選手がそれを全うすることなんだ。


全うしろ。
貫け。


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