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家族の不合理な行動にこそ愛がある行動経済学のススメ

人間は不合理な生き物である。

ということを前提に人間の心理面から経済を分析・解明する行動経済学

奥さんとや子どもたちの不合理な行動を行動経済学の観点で解説します。不合理な選択と矛盾だらけの行動は、全ての人に当てはまるものではありません。

しかし多くの人が、無意識に不合理な選択をしています。「人間は非合理な生き物だ」と認識理解を示すことで、言語や行動における矛盾も含めて大切な人をさらに愛おしく感じることができるようになるでしょう。(ほんまかいな)

「しゃぶ葉」の食べ放題

6人家族で私がお家でのご飯が好きなこともあり、外食に行く機会は子どもたちにとって大きな楽しみの一つ。

その中でも子どもたちが特に喜ぶのが、しゃぶしゃぶ食べ放題の「しゃぶ葉」。一番安いランチでなんと!大人999円、子ども699円(ともに税抜)で三元豚のしゃぶしゃぶが60分食べ放題です。

画像はイメージ

お肉の味を引き立てるつけダレも種類豊富で、しゃぶしゃぶをいつまでも飽きずに楽しむことが出来て、さらに子どもたちが好きなカレーやデザートまで!コスパも抜群でありがたい大家族におすすめのお店です。

子どもたちは、60分お肉を食べる事に集中してどんなにお腹がいっぱいになっても食べる事をやめません。

そして店を出る頃には必ず誰かが「ウッ!(ゲップ)……お腹痛い……、気分悪い……。」となっています。

このようにバイキングなどで見られる食べ過ぎ行動。もう本当はお腹いっぱいでいつもなら食べないんだけど

「○○円分食べなきゃ!」とか……
「食べ放題だからもったいない!」など……

このようにすでに発生した費用に引きずられて自身にとって非合理な決定を選択してしまう現象を行動経済学では「サンク・コスト効果」と言います。

株投資で「コロナで株価が下がってしまったけど必ず上がる銘柄だと思うから少し様子をみよう。」とか……

会社で「大きな投資をした事業から赤字だけど頑張って黒字化目指して事業継続しよう。」など……

投資額が高額になればなるほどサンク・コスト効果は高くなると言われています。

我が家では非合理バンザイ!コストも含めて
サンクス・しゃぶ葉
食べすぎて気分が、悪くなっても幸せな気分になれるのは素晴らしいことです。許容しましょう。

GAPのバーゲン

奥さんと休日にアウトレットモールに行ってよく買い物をします。そこにはアメリカンカジュアルブランドのGAP(ギャップ)があります。

そこで子ども服をよく買うのですが、そこに行くと必ず奥さんは私にこう言います。

2点以上買うと50%OFFやって!安くないっ!」と……。

私も「安いねー!」と返すのですが、そういえば前も同じような事言ってたよね……。

奥さんがその時に見ているのは、服のデザインでも値札でもありません。値引き条件のみを見て毎回、同じような発言しているのです。

GAPアウトレット HPより引用

このようなインパクトのある数字と見せ方で、お得感を刷り込まれます。

「娘のワンピース」など目当ての買い物があってお店に目当ての物がなかったとしても50%off はちゃんと頭に残っていて当初の目的を忘れて違うものを2点買っちゃう。なんてこともよくあります。

そして会計時に「結局、○○○○円もつかっちゃったね!」と言いながらも表情は満足そうに見えます。

このように最初に目に入った数字や情報に左右されてその後の判断までも無意識に左右してしまうことを行動経済学ではアンカー(錨)に例えて「アンカリング効果」と言います。

他には例えば……「恋愛で今の彼も好きなんだけど…元カレの優しさが忘れられないの。。」みたいな事がよくありますが、これも元カレの優しさを無意識にアンカーにしているのです。

普段はケチな私も奥さんが楽しそうに買い物をしている時は黙って見守ります。

これも「普段はケチな私」が奥さんにとってアンカーになっている事で、奥さんはより買い物を楽しむことができるからです。

買い物で子どもは喜び、奥さんはストレス発散。
許容しましょう

子どもに「食べ放題は体に悪いからあまり食べ過ぎない方がいいよ!」と言ったり……

GAPの入口で奥さんに「今、心にアンカーを打たれたねっ!」とドヤ顔で説明しても……

本人の感情が揺らめいている限り何の意味もないものになってしまいます。

人間は意識の有無に関わらずこのような非合理な行動をとることで、より合理的な行動を意識できるようになるのだと思います

(美味しいご飯食べたから)(たくさんいい買い物できたから)また頑張ろう!と…明日の活力に繋げることが出来るのです。

また自身の非合理な行動から感情の動きを振り返り、気付き・学びに繋げることもできます

食べ過ぎたとしても、買い物をし過ぎたとしても「また行きたい!」と思わせてくれる不合理な行動を喚起させるサービスや商品が、合理的なものを求める社会に今後ますます必要になるのではないでしょうか。

ヘンテコだから面白い。
不合理だけど合理的。
愛する家族から学ぶ行動経済学でした。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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