アンヴァンテール|私のフランス手帖

遠い昔の誰かの記憶を感じる物語性に魅了されて、アンティーク蒐集しています。noteでは…

アンヴァンテール|私のフランス手帖

遠い昔の誰かの記憶を感じる物語性に魅了されて、アンティーク蒐集しています。noteでは大好きなフランスの素敵なモノコトを気ままに綴っています。 ▧ アンティークショップ |アンヴァンテール https://inventaire-antique.com/

マガジン

  • 仏蘭西スーヴニール

    旅先で見つけた素敵なもの、心動かされたこと。アンティークの買付けやお友だちに会いに行ったり、フランスでの小さな旅を綴っています。

  • パリのお散歩帖

    18世紀の壮麗なファサード、仄暗いパッサージュ、可愛い路地裏、バターとミルクの香りのとびきり美味しいパン屋さん。私の大好きなパリを切り取ったお散歩記録ノートです。

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フランスの小さなお城に泊まって、骨董市へ

パリを離れ、ヴァカンスに向かうキャミオネットとともに高速に乗って、田舎の小さな町へ。一時間も経たず、まわりは向日葵畑と玉蜀黍畑が延々と広がります。灰色がかった青色の空と繋がって、遠近感を失ってしまう。旅の目的は、8月15日の聖母マリア被昇天祭に合わせて開催される骨董市と週末ブロカントでのアンティーク買付けです。そして、数日滞在する宿に選んだのは・・・ 19世紀のお城を改装したシャトー・ホテル。お城といっても、ラグジュアリーなお部屋ではなくて、テレビ無しの小さなお部屋を選んだ

    • モノクロームの幻想的な夢を見ているかのような。

      グリフォンの肘掛け椅子、銀の水差し、魔法の鏡、植物が生い茂る部屋。 ジャン・コクトーの『美女と野獣』(1946年)を観ました。 コクトー自身が黒板に役者名や映画タイトルを書く冒頭クレジットからワクワクしてしまう。Jean Cocteauと書いて、最後に☆マークを書き加えるところも可愛い。 なにより、室内装飾から装身具まで、なにもかもがコクトーの美意識で完璧に細部まで作り込まれていて、まるでモノクロームの幻想的な夢を見ているかのような世界観でした。たっぷりとしたドレープの

      • 4月のアンティークコレクション

        4月のアンティークをオンラインショップに掲載いたしました。春の植物の開花に合わせたかのように、お花モチーフのお品が色々揃いました♪心華やぐ9点のお品、どうぞご覧頂けましたら嬉しく思います。 激レアなアンティークドールボディ付きドールベッド /5年くらい前にヴァンヴ蚤の市で奇跡的に私が頂くことになった、素晴らしい一品です。 ミニチュアサイズのアンティーク香水瓶*箱入りセット/ドール用のミニミニサイズなアンティーク香水瓶をお探しの方へ。 鈴蘭のニードルケース/人気の鈴蘭モチ

        • 3月のアンティークコレクション

          3月のアンティークをオンラインショップに掲載いたしました。春らしいお花モチーフやパステルカラーのお品、希少なものからお買い得なものまで20点取り揃えました♪

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        フランスの小さなお城に泊まって、骨董市へ

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        • 仏蘭西スーヴニール
          4本
        • パリのお散歩帖
          1本

        記事

          フランスの可愛い町に素敵な家を買ったダニエルに会いに

          パリ、Gare de Lyonから列車に乗って南西の街Béziersへ。夫と二人、久しぶりにパリから遠く離れる小旅行に心高鳴ります。到着までの4時間に選んだ本は『英米女性5人詩集』。流れていく田園の車窓を眺め、エミリー・ブロンテ、クリスティーナ・ロセッティ、エミリー・ディキンスンの頁を捲り、合間にビスケットを摘まむなどしながら、そして、エイミー・ローウェルという詩人を初めて知る。 池に落ちた葡萄の葉の昼と夜、露、白夜、恋人、庭の鯉、繊細かつ鋭敏な眼差しを通して綴られた、日々

          フランスの可愛い町に素敵な家を買ったダニエルに会いに

          100年のセピア色に染まって。

          100年の長い長い時の経過で、ほんのりセピア色に染まって。アンティークだけが持つ、時が作り上げる色と質感に私はいつも心打たれてしまいます。 こちらは、2年前にショップでご紹介しました、1900年頃の白薔薇が連なるウェディングティアラに、ふわふわシフォンのプリーツパーツを添えたアンティークセット。プリーツは、1900~20年頃のチュールボネのつば部分のパーツなのですが、エアリーな半透明のシフォンで作られていて、ひたすら儚い雰囲気が大好きなお品でした。

          モーリス・ラヴェルの伝記映画「BOLERO」と音楽好きの祖母のこと。

          モーリス・ラヴェルの伝記映画「BOLERO」が、3月6日にフランスで公開されます。映画では、私の大好きなラファエル・ペルソナがラヴェル役を演じるということで、とても楽しみ。彼を知ったのは『モンパンシエの王女』( 原題:La princesse de Montpensier )。アンリ三世を演じていて、とても格好良かったのです。 ラヴェルの名曲「ボレロ」は、音楽こそ人生だった私の祖母にとって、まさに人生の音楽と言える曲でした。彼女が今日はボレロを聴こうと決めたら、家では朝から

          モーリス・ラヴェルの伝記映画「BOLERO」と音楽好きの祖母のこと。

          ミモザとジャン・コクトー

          去年はあんなにくすんだ色で寂し気だった庭のミモザが、今年はサヤサヤと囁きが聞こえてきそうなくらい満開になってくれました。ミモザから始まる、「カンヌ」というジャン・コクトーの詩の冒頭部分がなぜか昔から好きで、ミモザを見る度、Le mimosa du souvenir…と胸の内でつぶやいてしまう。 こちらは、ミモザの香水瓶が入っていた古い紙箱に森のようなグリーン色の子ども服を合わせたアンティークセット。そして、ミモザモチーフのアンティークと言えば、モシュリンヌだなあと思うのです

          2月のアンティーク

          1900年頃の美しい蝶とアザミのサヴォンケース、可愛い女の子ドールと小さなクマのぬいぐるみセット、植物インテリア好きさんにオススメの19世紀の植物柄アンティークブック、ドールまわりの小さなもの4点セット、菫色シルクリボン飾りとアンティークレースセットなど、5点をオンラインショップに更新しました。

          フランスの古くて可愛いクマのぬいぐるみ*JPMベア

          フランス1950~60年代、愛くるしい姿で大人気のJPM社の可愛いベアたち。近年あれよあれよとプレミア価格が付いてしまいましたね。これまで当店で販売してきました子たちをまとめてみました♪

          フランスの古くて可愛いクマのぬいぐるみ*JPMベア

          シェルブールの雨傘ならぬ、ペズナスの雨傘。

          南フランスの小さな町ペズナスをお散歩中に。ふと現れた雨傘が何かとても印象的で、シェルブールの雨傘ならぬ、ペズナスの雨傘などと思う。ごく普通の雨傘で、ただ乾かしているか、何かを日差しから避けているだけのようなのに、なぜこんなに素敵なのだろう?緑緑と茂ったブーゲンビリア、南仏の壁の質感、籐のカゴ、パステルカラーの雨傘。なんだか小さな傘屋さんのメルヘンチックなお話が紡がれそうな雰囲気。 こちらの通りも素敵だった。古い建築に植物が生い茂った光景にとても心惹かれる。

          シェルブールの雨傘ならぬ、ペズナスの雨傘。

          南西フランスの小さな街にて

          午後から3人でPézenasへ。 満開のブーゲンビリアが綾なす旧き街。 南仏の青空と青空色に塗られた扉。

          冬の街灯イヤリング

          いつかの冬のパリで出会った小さな美しい偶然。Saint-Paul駅からほど近いVillage Saint-Paul(ヴィラージュ・サン=ポール)と呼ばれる小さなアンティーク街。ショーウィンドウに映り込んだ街灯が、室内に飾られているアンティーク絵画の貴婦人の耳に。まるでイヤリングが煌めいているかのようでした。チラチラと明滅する、冬の街灯イヤリングーふとした瞬間に心に灯るパリの小さな情景の一つです。

          un dimanche à la campagne/田舎の日曜日

          19紀のロダンゴット風のシルエットに骨組みで整えられた美しいピンクシルク&レースのコルサージュを田舎風のアルモワールの扉に飾りながらの、ある日の日曜日。ふとフランスの名作映画"Un dimanche à la campagne"(アン・ディマンシュ・ア・ラ・カンパーニュ:邦題『田舎の日曜日』)を思い出しました。1984年公開のベルトラン・タヴェルニエによる映画で、1912年の夏の終わりを背景に、緑豊かなパリ郊外の田舎にあるお屋敷で暮らす老画家とその家族が過ごす、ある日曜日の物

          un dimanche à la campagne/田舎の日曜日

          初めまして。

          Ô BEL INVENTAIRE - アンヴァンテールは、パリやフランスの田舎で蒐集したアンティーク&ブロカントをご紹介するフランスアンティーク店です。長い長い時を経た複雑なお色や質感、遠い昔の誰かの記憶を感じる物語性のある佇まいに魅了され、2008年にオンラインショップをオープンしました。BEL INVENTAIREとは、フランス語で「美しい目録」の意で、蒐集した美しいアンティークを一つ一つ目録に綴るイメージで、お品をこつこつと集めています。