私には友達というものができたことがほぼない。

それは私が発達障害なせいもあるかもしれないけど、それ以前に人と関わる機会自体があまりにも少なすぎた。チャンスすらなかったと思う。しかし、仮に人との出会いや機会がもっとあったとしても、私には友達というものを作ることはできなかった気がする。

自分から話しかけたり、他者に関心を持ったりするのがそもそも苦手なのだ。友達が欲しくないわけではないが、かといって欲しくてしょうがないとまでも言えず、友達作りに対して燃やす情熱も強くない。

相手の方から来てくれたらまあ関わりたいんだけど、自分から誰かに対して関わって行くような、突き動かされる力というものを感じない。とにかくひどく受け身なのだ。そういう風にしかいられないのだ。

それでいて孤独感はそれなりに感じていて、人とずっと話さないでいると鬱が進んでいくような感じする。

それは「寂しい！！」と叫んでしまうような孤独感ではなく、はっきりとは感じられないけど漠然と心が曇っていくような、冷え込んでいくような、徐々に薄暗くなっていくような感覚だ。私は自分の気持ちに鈍感で、これが寂しいということなのかははっきりとは分からない。

でも、そうなのかもしれない。寂しいのかもしれない。だから、想像の中の人(イマジナリーフレンド)と関わってそれを和らげようとしたりする。

最近ではぬいぐるみにも興味がある。子供の頃はあんまり興味がなくて、ぬいぐるみをもらったりしても見向きもしなかったのに、今さらになってなぜか気になるようになってきた。いつからか、愛情を注いで可愛がれるような存在を求めるようになってきたと感じてる。

そういうわけなので、先日、病院の帰りにとある店に寄ってぬいぐるみをちょっと見てきた。私の友達になってくれる子がいないかと思って。しかし、どのぬいぐるみを見てもいまいちピンと来なかった。この子だ！みたいな感覚がなかった。

愛せるかどうか分からないのにお迎えするのも罪悪だろうし、ぬいぐるみでも、別のものでも、無生物でも生き物でもいいけど、できたら何か運命を感じられるような子と出会いたい。理想が高いかな。

好きなキャラクターのぬいぐるみを買うことも考えたけど、造形がいまいち原作の絵を再現できておらず、あまり可愛くなく見えたのでやめた。

もしかしたら、手元にお迎えしてみたらだんだん愛着が湧いて可愛くなってくるのかもしれないけど、たとえ物であっても、愛されずに放っておかれるのは残酷なことだから、あんまり簡単にお迎えしない方がいいのかもって。

突然オカルトかつスピリチュアルな話が始まったと思われるかもしれないけど、私は物にも魂が宿ることがあるんではないかと思っている。だから、何かしらぬいぐるみに魂を込める方法はないもんかなと、少し思った。

魂が存在するかどうかを証明することなんてできないんだから、私さえ、私の信じることを信じ切れたらいいだけの話だ。

私が意識で作り出した存在を、物理的なものに定着させられたらいいのかなと。これは単にイマジナリーフレンドの延長かもしれないけど。

ともかく、私は私の心を向けられる先が欲しい。自分の、何に対しても誰に対しても無関心で冷たいような感覚を、どこか虚しく思っているのかもしれない。

本当は何かをすごく好きになりたいし、胸の中が温まるような感覚が欲しいのだから。

だけど今のところ、私はそういった温かさを人に対して向けられたことがろくにないし、世の中のこと大半に興味がないのだ。フェイクでしか、取り繕うことでしか温かなものを用意することができないのだ。

そんな自分に罪悪感を抱いたこともあるし、昔はかなり苦しんだ。でも、どうすることもできないから、だんだん麻痺して無感覚になっていった。

それでも、水面下ではそういう人間らしさとか温もりみたいなものを求めていたのかもしれない。

私自身が温められたいから、寒いから、何かを温めてみたいような。卵を抱く鳥にでもなりたいような。

好きになりたいし愛したい。それは、私がそういうのを向けられたいってことでもあるんだろうな。その裏返し。

相変わらず毎日鬱だ。

ぬいぐるみを友達にすることは、まだできていない。